ノルウェイの森
前回、「走ることについて語る時に僕の語ること」というタイトルで、出張先のLondonで走ったことをお話ししました。このタイトルは言うまでもなく、村上春樹さんの著作のタイトルからお借りしたもの。一応走る話ではありますが、なぜ村上春樹さんと思った方も多いのではないかと思います。
実は、もともとのタイトルは「ノルウェイの森を走ることについて語る時に僕の語ること」というもっと長いものだったのですが、前半だけで結構なボリュームになってしまい、前半後半に分けた結果、前半のタイトルは元案の後半の「走ることについて語る時に僕の語ること」になったという次第。
ということで、後半の今回は、タイトル元案の前半「ノルウェイの森」ということになります。その心は、文字通りノルウェー(の森)で走ってきたよ、というお話し(笑)。
出張後半
今回の出張は前半がLondon、後半がOslo。Osloと言えば、ノルウェーの首都です。といっても、正確に場所を覚えている人は少ないかもしれません。北欧3ヶ国のうち、左からノルウェー、真ん中にスウェーデン、右にフィンランド。ちなみに一般的に北欧というと、これにデンマークとアイスランドが加わった5ヶ国を指すようです。
ノルウェーの首都Osloは、南北に長い国の中で南側、なおかつスウェーデンに近いところに位置します。スウェーデンの首都Stockholmまでは500kmちょいなので、東京と大阪といった距離感です。
大昔にやはり出張でスウェーデンに行ったことはあるのですが、ノルウェーは初めて。ノルウェーに行くとなって気になったのは天気。やっぱり北欧ですから。ただ実際には、9月だとまだそれほど寒いわけではありません。日にはよりますが、最高気温が10度台の後半、最低気温が10度を切るぐらい。今回はLondonからOsloに移動したわけですが、気温はあまり変わらないと感じました。
15時半のフライトでLondon Heathrow空港を出て、Oslo Lufthavn空港についたのが、19時近く。そこから電車で市内に向かいます。翌日は朝から打合せということで、食事は軽く済ませ、早く寝ることに。
翌日はホテルから路面電車に乗って、先方のオフィス近くまで。この日は珍しいぐらいのいい天気で、日が高いうちはポカポカの陽気でした。本当はこの日に走りたいところでしたが、さすがに仕事が優先です。
コース選定
Osloに行くことが決まってから、地図を見ながらどこを走ろうと考え始めました。わかりやすいのはホテルの周辺を走る市街地ラン。ホテルのすぐ近くに王宮があるので、その中を走るのも良さそうです。ちょっと足を伸ばせば、ヴィーゲラン彫刻公園というところも良さそう。
一方で、地図を見ていると、非常に気になるエリアがありました。それは市街地から小さな湾を隔てて反対側にあるビグドイ(Bygdøy)という半島。緑が多そうですし、水辺を走るのも楽しそう。ホテルから出て、ビグドイ半島をぐるっと回って帰ってくると距離は10kmを軽く超えてしまいそうですが、途中まで路面電車で行ってから走れば距離は調整できそうです。
コースはOslo入りするまで決まっていなかったのですが、Osloでの打合せの休憩中に、この半島を走るのはどうかなあ、と地元の人に聞いたところ、いいと思うよ、とのこと。海外ということで治安も心配していたのですが、まず問題はない(ノルウェーは全体的に治安はいい)とのことでした。ということで、ビグドイ半島ランに決定。
ビグドイ半島を走る
出張最終日。今日は夕方のフライトで帰国です。それまでは自由時間。残念ながら天気は曇りですが、雨が降っていないだけマシ。朝ご飯をちゃんと食べてから、走る準備。
ビグドイ半島を走ることは決めたものの、距離の関係で、途中まで移動してから走りたい。現地で移動する際に便利なRuterというアプリ(経路検索ができて、そのままチケットを買える)で調べてみると、ホテルの目の前から、半島の先端のHukというところまでバスがあります。
ということで、8時にバスに乗ってまずは25分ほどかけてHukまで移動。Hukのバス停のすぐ目の前が公園で、公園の中を走って水辺に出ます。平日だから、あるいは、朝まだ早いからか、ほとんど人気はありません。曇り空ゆえに爽快感はないのですが、実際にここまで来れたことが嬉しい。

Hukは半島の南端に位置します。ここからは水辺に近いところを時計回りに回って半島の北端を目指します。どんなコースかは地図では判断できなかったのですが、舗装は早々になくなり、トレイルに。おお、これは憧れのノルウェイの森(笑)。

以降は基本は森の中を走るトレイルですが、ちょこちょこ脇にそれて水辺に出て記念撮影。曇りなので、写真はあんまり映えませんが、水辺はやっぱり綺麗です。ノルウェーといえば、フィヨルドという地形が有名ですが、ここはまさにフィヨルド(ただし、湾の奥に位置するため、一般的に想像される断崖絶壁の海岸線ではありません)。


できるだけ水辺の近くということでコースを選んだら、後半は登り基調のトレイルになってきました。しかも雨がちょっと降ってきた。木があるところではそれほど濡れないので、気にせずに走り続けます。

半島を北上しきって、後は市街に戻るだけですが、先ほどバスから見て気になったものを確認しに脇道。のんびりと草を喰む羊たち、と思ったら、あれ、この子達は山羊かも。

半島を出て市街地に向かう道はヨットハーバーになっています。が、この時点でだいぶ雨足が強まってきました。

さすがに走るのがしんどい雨足になってきたので、途中にあった小屋の軒下で雨宿り。少し待っていれば雨が弱まることを期待していたのですが、なかなか弱まりません。この先もまっすぐ走るつもりだったのですが、やむなく断念。少し雨足が弱まったタイミングで、最短ルートでホテルに戻る道にルート変更。
雨足は多少弱まったものの、結局ホテルに帰り着くまで雨は振り続けたままでした。

結局目安としている10kmには少し欠ける距離になりましたが、それでも、最初からこの雨だったら走ること自体を諦めたでしょうし、半分は雨なしで済んだのはラッキーでした。

今回のルートは往復で16kmぐらいですから、走って往復も可能は可能でしたが、仮にそうしていたら、Hukに着く段階で既に雨が降ってきたかと思います。一旦公共交通機関で移動して、そこから走って帰ることにして正解でした。
ノルウェイの森
ノルウェイの森といえば、村上春樹さんの代表作の題名。これは言うまでもなくビートルズのノルウェーの森(Norwegian Wood)という曲からきていますが、実は原題のWoodは「森」ではなく、「木材」を意味しているようです。つまり直接的に訳すと「ノルウェー産の安い木材」になるらしいです。あれ、だいぶイメージが(笑)。
でも実際に走ってみたノルウェイの森はとても平和で自然との一体感を感じられるところでした。これはこれでよし。ということで、テムズ川沿いも、ノルウェイの森も無事に走ることができました。出張なので、あくまでも主目的は仕事。仕事も充実しましたが、プラス狙い通りに走ることもでき、二重に充実した旅になりました。さて、次はどの街へ。
