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体調が悪いときは、ステーキを食え!

人文系の博士課程をさまよったあと、アメリカはサンフランシスコに打ち上げられたカズです。人生はオモシロイほうに三千点精神で思いもかけず遠くまで来てしまいました。普段のサンフランシスコ生活をまとめたマガジンと犬の写真ばかりのThreadsもあります。

アメリカ育ちのパートナーに、ちょっと体調が悪い…というと、チキンヌードルかステーキを提案される。最初は面食らった。風邪でも貧血でも疲れでもとにかくステーキを提案されるのである。

「元気がない?ステーキにする?」
「風邪引いてしんどい?ステーキ作ろうか?」
「まだ元気が出ない?肉屋に寄って帰るね!」

最初は、自分が病気になったことがなくて体調が悪い人の状況がわからないタイプの人間か?それとも肉はすべてを解決すると思っているアフォなのか?と疑った。ごめん。


体調不良にステーキ、本当に効果があるのか調べてみた

これは焼きすぎたある日のステーキ

しかし、どうも体調不良にはステーキ、本当に効果があるらしい。(もちろんすべての場合に有効ではない。)たとえば、胃腸がすでに調子が悪いときは油の少ないスープや麺類のほうがよい。ただ、慢性的な疲労感とか、胃腸系でない風邪、気管支系の感染症のひきかけ、生理前後の体調不良には結構有効だ。ここまでは体感で感じていたのだが、科学的な裏付けとかはあるのだろうか?それとも喉にネギを巻く的な話?と思って調べてみた。

赤身肉、けっこう万能では?

感染症などの体調不良の場合、感染と戦うために筋肉中にあるタンパク質が勝手に分解されてしまう。それは、感染症のウィルスやバクテリアと戦う抗体の材料としてタンパク質がじゃんじゃん消費されてしまうかららしい。

一方、生理や怪我など、出血による疲労の場合、新しく赤血球を作るために鉄、ビタミンB12、葉酸が必要になる。赤身肉(牛肉や豚肉など)は吸収されやすいヘム鉄が豊富に含まれていて効果的。

つまり、鉄分、プロテイン、ビタミンなどの赤身肉に含まれている成分が、免疫系の最前線を担う抗体や血液循環の維持に不可欠なので、いろいろな体調不良時に回復を助けられる、ということのようだ。意外と理にかなっていた。

調理法や他のタンパク質がよい場合

ただ、ステーキが食べられない体調のときはもっと消化しやすい鶏肉や
魚のほうがよいとのこと。体調が悪いなら、肉の種類だけでなく、調理法も工夫してスープにするとか、身もほぐして入れるとかすればより助けになる。

鶏肉や魚は食べやすい印象があったけど、実際に牛などの赤身肉のほうが筋繊維が長く、また鶏肉も含めて陸上性の動物はコラーゲンも多くこれも消化のハードルを上げるらしい。つまり、消化のしやすさを単純に比較すれば、赤身肉(牛肉、豚肉など)>白身肉(鶏肉など)>白身の魚、ということになるらしい。赤身の魚はどうなるの?とおもいつつ、それはまたの機会に譲ることにする。

ステーキへの信仰

ここまで調べて、実際、パートナーのステーキへの信心はどれくらいものなのだろうと思って聞いてみた。

「調子が悪いとき、チキンスープとステーキの境目はどこなの?」
「ちょっと調子悪いなくらいだったら基本的にはステーキ、それか煮込み肉だけど、食欲がないとか高熱出てるとかだったらチキンスープかな」

チキンヌードル(もしくはチキンスープ)は、彼いわく「まじでめっちゃ体調が悪いとき」という位置づけのようだ。ただ、うちのパートナーは過去数年で1回しか「熱出て体調悪い」と言ったことがなく、しかも夕方から早めに寝て翌日には回復していたという元気な人類なので、チキンスープ判定はかなりの重症でないと出ない気がする。「わたしがチキンスープしか食べられないと言ったら、くれぐれもチキンスープをくれ、ステーキではなく」と念押ししておいた。

ある日のステーキ

しかし数年たった今では、わたしも結構なレベルの体調不良でなければ一発ステーキ食べとく?という一味になってしまった。と、いうことで、ある日の夕食はステーキ。

2日前にわたしが焼いたサーロインステーキが固すぎて、
今日は自分が焼くねとパートナーが買ってきたショートリブ。いい色〜。
もちろん野菜も忘れずに。ステーキに焼き色がしっかりついたら取り出し、野菜を炒める。
あれやこれやを載せて完成。今日はちょっとだけ体調が悪いときバージョンのステーキ丼!


参考文献

  • Agarwal U. Rethinking Red Meat as a Prevention Strategy for Iron Deficiency. ICAN: Infant, Child, & Adolescent Nutrition. 2013;5(4):231-235. doi:10.1177/1941406413491285

  • Cobre AF, et al. Influence of foods and nutrients on COVID-19 recovery: A multivariate analysis of data from 170 countries using a generalized linear model. Clin Nutr. 2022 Dec;41(12):3077-3084. doi: 10.1016/j.clnu.2021.03.018. Epub 2021 Mar 22. PMID: 33933299; PMCID: PMC7982641.

  • McManus L, et al. Effect of Increasing Red Meat Intake on Iron Status in Adults with Normal and Suboptimal Iron Status: A Systematic Literature Review and Meta-Analysis of Intervention Studies. Nutrition Reviews. 2025;83(8):1389–1401. https://doi.org/10.1093/nutrit/nuaf016


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