『年の瀬に』お題指令㉔ #せりふ三題噺 #甘酒こたつ鈴
▼今週のおだい
■セリフ
「ハッピーニャーニャー」
■三題
・甘酒
・こたつ
・鈴
*ご無沙汰しております。また、お世話になります。(キラー)
*除夜の鐘と共に
( 元・コードネーム・キラー 編 )
今回の指令・・・・セリフは『 ハッピーニャーニャー 』
三題は『 甘酒 』『 こたつ 』『 鈴 』。
任務を拒否した時点で身体に内蔵された《起爆カプセル》の
起爆スイッチが起動し瞬時に命が絶たれる・・・
どんな不満があろうと実行するしかない理不尽な任務。
《 殺し屋 》を稼業として生きてきた俺にとってその指令は
ウザい副業でしかなかったが、負担という程のものではなく
「またか?」レベルのものだった。
そんな自分の過去も含めて、まるで嘘だったかのように
真っ当な暮らしをしている自分がいる・・・・
自分の犯した所業を背負ったままにしろ、
出逢った母子と、自分に舞い降りた幸運には感謝しかない。
****
北国のとある街角で、雪の降りしきる中、
シャッターの閉まった店先で
ただボンヤリ立ち竦んでいた母子に出逢ってから
共に暮らすようになって・・・・
プロポーズを決意した日に、《ボク》さんに声をかけられて
とある Barのマスターによって《起爆カプセル》も取り外してもらえた。
その後、内輪での細やかな結婚式も挙げることが出来た。
母子と俺は、出逢ってから一年後に、正式な家族になったのだった。
俺の名は 神谷達郎
妻の名は 由衣
娘の名は ユキ(4歳)
****
俺の稼業は『 悪人を悪と共に葬る 』ポリシーの
《殺し屋》だったが当然ながら廃業し、
本来の仕事だった鍵屋を続けている。
近頃では依頼も多いし、それなりに忙しい。
暮れも押し迫ったその日の最後の仕事は、
マンションの自宅ドアの壊れた鍵の修理だった。
鍵を取り換えて車に乗る前に一服していた。
悪い癖だが、なかなか止めることができない・・・・
微かな気配を感じて・・・車の下を覗くと、小さな影があった。
怯えて、小刻みに震えてる・・・子猫だった。
すぐに、妻と子に出逢った日がよみがえった。
*****
「・・・・わっ、ネコちゃんだ?!」
「フフッ、貴方らしいわね?」
「 ニャァァ~~」
「 かわいぃぃ~~~っ!!!」
連れ帰った子猫はすぐに懐いて・・・・新しい家族になった。
名前はユキが決めて《 メル 》になった。
*****
大晦日。
温かい《 こたつ 》の中には子猫と、三人の足・・・・
こたつの上には三つの《 甘酒 》と、子猫のオモチャの《 鈴 》。
かつての俺には想像も出来なかった家族の
幸せな時間が流れていた。
ゴ~~~ン・・・・ ゴ~~~ン ゴ~~~~ン・・・・
近くの寺から、除夜の鐘が聴こえてきた。
幸運が続いた今年が終わろうとしていた・・・・
「ほら、もうすぐ・・・・年が明けるわよ!!」
******
「明けた☆ 新年、おめでとう!!」
「おめでとうございます☆」
「おめでと~~~っ!!
あたらしい としは メルちゃんもいるから、、
《 ハッピーニャーニャー 》だねっ!!」
由衣とユキの笑顔と足許のメル・・・
俺の中のかつての《 殺し屋 》が確実に・・・・
除夜の鐘と共に 殺された気がした。(笑)
明けましておめでとうございます✨
(了)
*このお話はフィクションです。
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