珈琲の香りの中で 小さく聞こえた言葉
雨の匂いが、
コーヒーの香りに混ざる。
目線を上げると、
男性。
濡れた傘。
男性が言った。
なぜ、この仕事を?
その問いに、、
カタン、
レジが開く。
俺は、
レジを叩いている。
「お疲れさん!」
汚れた作業着。
聞き慣れた
しわがれた声。
俺は、
今日で、
このバイト、辞めるんです。
そうか。
風と雨の匂い。
カタン。
「あんたが辞めたら、来るのをやめるね」
小さく聞こえた。
静かに
コーヒーの香り
気づくと、
その言葉を、
伝えていた。
静かに、
頷いたように見えた。
1週間後に連絡します。
事務的な言葉。
なぜか、
そうは聞こえなかった。
濡れた道。
自転車。
その日、
部屋に響く、
電話の音。
※この物語は私自身の実体験をもとに書いています。
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