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社会人デビューで「何者か」になれると信じていた、あの頃の僕へ

春は、出会いと別れの季節ですね。
少し暖かくなってきた風を感じると、ふと昔を思い出します。

真新しいスーツを着て、少し緊張した面持ちで駅へ向かう人たち。
新しいスーツ姿を見るたびに、押しつぶされそうだった感情が蘇ってくるんです。
希望よりも、不安でいっぱいだった春の記憶。


都会の波と、何者かになりたかった春

大学の頃、本音ではただ「働きたくない」気持ちでいっぱいでした。
周りのみんながスーツを着て、就職活動へと切り替えていく中。
周りの波に乗れなくて、一人だけずっとサボっていました。
社会に出るのが怖くて、現実から目を背けていた時間。
置いてけぼりになるような、ヒヤッとする感覚。

結局、大学を卒業したあと、さらに専門学校に2年通わせてもらうことになりました。
ここで心を入れ替えて、プログラミングを一生懸命学びました。
身につけたスキルが少しずつ自信に変わって、ようやく会社で働く日がやってきます。

宮城の田舎から都会に出てきたばかりの頃は、右も左もわからず、すごく心細かったです。
見上げるほど高いビルと、早足ですれ違うたくさんの大人たち。

周りの同級生は、もう立派に働いていました。
スタートが遅れた分、みんなより大きく遅れをとっている気がして、なんだか恥ずかしかったんです。

遅れを取り戻すために、早く立派な大人にならなきゃいけない。

都会の会社で一生懸命働けば、きっと特別な才能が開花する。
そう心の中で、甘い期待を膨らませていました。

打ち砕かれた自信と、すり減っていく心

いざ社会に出ると、頭の回転が速くて優秀な人がたくさんいます。
学生時代まで身につけたはずの自信は、入社してすぐに打ち砕かれました。

背伸びをして頑張っても、周りのスピードに全然ついていけない。
特別な才能なんてなくて、ただの普通の人だったと思い知らされる日がきます。
期待に応えられなくて、悔しくて、情けなくなる。

想像していたキラキラした社会人生活とは、まったく違っていました。
すごい人になれるどころか、毎日の仕事で心がすり減っていくだけ。
合わない環境で無理をしていると、感情がどんどん消えていきます。
周りの人を思いやる余裕なんて、少しも残っていませんでした。
喉の奥がギュッと詰まるような息苦しさ。

何者かになりたくて必死にもがいていたけれど、思い通りにはいきませんでした。
立派な大人になんて、すぐにはなれないんです。
無理をして明るく振る舞い続けると、いつか限界がきます。
会社に入れば自分が輝ける場所があると思っていたのに、現実はそう甘くはありませんでした。

思い描いた自分になれなくても、大丈夫

これから新しく社会に出る人たちも、もしかしたら思い描いていた未来との違いに戸惑う日が来るかもしれません。
でも、まだ始まってもいないうちから「何者かにならなきゃ」と力まなくても大丈夫です。

もし、すごい人になれなくて落ち込むことがあっても、生きていける場所は必ずあるからです。
一生懸命やってみて、壁にぶつかったら、その時はじめて自分に合った道を探せばいいんです。

できないことは「できない」と言っていいんです。
どうしても苦しくて、陸に上がった魚のように息ができなくなったら、その時は水の中に戻ればいい。

最初から逃げることを考える必要はありませんが、心が壊れそうになったら自分を守る選択肢を持っておくくらいで十分です。
つらいとき、先が真っ暗に見えても、少しずつ息がしやすい場所が見つかります。

本当に大切なものは、誰かから褒められる立派な肩書きではありませんでした。
静かな場所で、心の内側とゆっくり向き合える時間。
無理をしていない、等身大の姿でいられる空間。

ゆっくりと深呼吸できる場所があれば、十分です。

苦しかった経験も、遠回りした時間も、ぜんぶ無駄じゃありません。
傷ついた分だけ、本当に大切なものがはっきりと見えてくるはずです。

春から新しく社会人になる方たちへ、昔の記憶を振り返りながら、どうしても伝えておきたいと思いました。
焦らなくても、ちゃんとあなたらしい軸を見つけられます。
無理をせず、心を守りながら進んでいってくださいね。

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