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外国人技能実習制度の闇 〜外国送出機関 編〜

「技能実習制度は、国際貢献のための制度です。」

この説明を、私たちは何度耳にしてきたでしょうか。
確かに制度の建前はそうです。しかし、現場で起きている現実は、その理想から大きく乖離しています。

今回は、技能実習制度の中でもあまり語られない「外国送出機関」の実態について、生々しく解説していきます。


そもそも外国送出機関とは何か?

技能実習生は、いきなり日本に来るわけではありません。
多くの場合、母国にある「送出機関」と呼ばれる組織(外国政府からライセンスを発行されている海外向け人材派遣会社)を通じて、「監理団体」を無料職業紹介のもと日本での実習先が決まります。

送出機関の役割は以下の通りです。

  • 技能実習生の募集

  • 日本語教育・事前講習

  • 日本企業との面接調整

  • 書類手続きの支援

制度上は、実習生を守り、円滑な実習を実現するための存在です。

しかし、問題は「制度」と「現実」の間にあります。


闇①:過剰な手数料

最も深刻な問題が、高額な手数料です。

国によって差はありますが、
実習生が送出機関に支払う費用は、数十万円〜場合によっては100万円を超えることもあります。
※生々しい話として、送出機関自体は、各国の法律に定められた費用設定になっているものの(30万円〜60万円)、日本語教育のための学費などは外付けになっており、また、送出機関と技能実習を希望する外国人との間に紹介者(ブローカー)が6階層〜7階層ほど入っており、それぞれに手数料を発生させ、結果として来日までに160万円程度の総額費用が発生しているケースもございます。

このお金を、多くの実習生はどう工面するのか。

  • 親戚からの借金

  • 高金利ローン

  • 土地や家の担保

つまり、来日前から金利の返済だけでも大変な借金を背負って来日する構造が存在しています。

投資という観点では、株式・不動産などとは異なり、自己投資にあたるため借金自体を否定することはしません。
但し、度を超える借金があるということはどうなるか。

「多少つらくても、辞められない」
「理不尽でも、帰国したら返済できない」

これが、技能実習制度の歪みを生む温床になります。

また、高額な費用はどこに行くかという問題ですが、一部は日本企業・監理団体向けの派手で過剰な接待のための費用、監理団体幹部や日本企業へのキックバック(採用したら1人10万円払うなど)という、非モテのおじさんが好みそうな非常に気持ち悪い構造になっています。
また、既にライセンスを剥奪された送出機関では、日本企業の開拓のための商談時に、社長に直接キックバックの話を持ちかけていたりします。
※善良な送出機関を擁護する側面もありますが、海外で気が大きくなった気持ちが悪い日本人が無理に過剰接待・キックバック・贈答品など要望するケースもあります。
※無論、当組合では上述の過剰な接待やキックバックがチラついた時には、一切受け付けないと共に、取引停止とします。

ちなみに、技能実習生が負担する費用の他に、日本側からも管理費と称して1人当たり18万円〜36万円程度の費用が分割で送出機関に支払われています。


闇②:虚偽・誇張された説明

送出機関(ないしはブローカー)による説明と、現実のギャップも大きな問題です。

  • 「月に30万円以上稼げる」

  • 「残業はたくさんある」

  • 「仕事は簡単」

  • 「日本語の勉強は必要ない」

実際に来日してみると、

  • 残業はほとんどない

  • 手取りは想像より少ない

  • 体力的に非常に厳しい仕事

  • 仕事、生活をする上で日本語学習は必須 ※当たり前。

こうしたケースは、決して珍しくありません。

しかし、契約書はすでに母国で交わされ、
実習生は「選択肢のない状態」で日本に来ています。

日本での就労経験はおろか、滞在経験が無い職員が日本の説明をしているケースも多くありますし、就労経験といっても1社・2社程度の経験値ですので、そもそも丸投げだと機能しなくて当たり前です。


闇③:送出機関が“絶対的な権力”になる構造

送出機関は、実習生にとって「母国を出国するまでの人生を左右する存在」です。

  • 面接に参加させる候補者を決める

  • 日本への再チャレンジ可否を握る

  • 母国の家族とも繋がっている

そのため、実習生は不満や被害を訴えづらい

「文句を言えば、家族に迷惑がかかるかもしれない」
「日本に行く目処も無いまま、無収入で日本語学習を続けなければいけない」

この心理的支配構造こそが、問題を表に出にくくしています。
来日前と来日後で技能実習生の人が変わったように思うのも、来日前の本人との話では、嘘で固められることが多いからです。


日本側は“被害者”なのか?

ここで重要なのは、
日本側(監理団体・受入企業)が無関係ではないという点です。

  • 手数料の実態を確認しているか

  • 説明内容を把握しているか ※事前説明は監理団体の責務です。

  • 「安く・早く・大量に」を優先していないか

送出機関に丸投げすることで、
結果的に不健全な構造を温存してしまっているケースも少なくありません。


制度の闇は「構造」で生まれる

この問題は、誰か一人の悪意だけで生まれているわけではありません。

  • 人材不足の日本

  • 高収入を夢見る若者

  • 利益を追求する送出ビジネス

  • チェック機能の弱い制度設計

  • 人間の欲

これらが絡み合い(他にもありますが)、
「闇が生まれやすい構造」ができてしまっています。


それでも、変えられる余地はある

全ての送出機関が悪いわけではありません。
技能実習生の経験がある方が送出機関を立ち上げ、自分達の実体験をベースに誠実に実習生を育て、日本との架け橋になっている組織も存在します。

重要なのは、

  • 正しい情報開示

  • 適正な費用

  • 実習生を“人”として見る姿勢

そして、日本側が**「知らなかった」で済ませないこと**です。


最後に

技能実習制度の闇は、
遠い国の話ではなく、日本社会の問題でもあります。
育成就労制度になった後も続くでしょう。

「安い労働力」として目を背けるのか。
「共に働く仲間」として向き合うのか。

その選択が、未来を決めます。


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