【#2】イラスト向けStable Diffusionと派生モデル、Fair-AI-Public-License-1.0-SD解説【ComfyUI講座】【2025年版】
今回はイラスト向けStable Diffusionと派生モデル、Fair-AI-Public-License-1.0-SDを解説していきます。自分の使いたいModelを使うことはAI生成学習におけるモチベーション管理に影響を与えます。
Stable Diffusion(通称:SDシリーズ)(2022年~)
「Stability AI」というチーム、現在は企業が発祥です。
SDは最新ではなくなったModelをオープンソースとして公開しており、多くのユーザーがそのソースを活用して派生Modelが生まれています。
SDv1.4 / v1.5
爆発的な人気を博したSDシリーズの原点で1.5までリリースされました。
AIイラストの歴史はここから始まりました。
SDv2.0 / v2.1
v1.5より解像度が向上する一方でプロンプトがSDv1.5と互換性がなくなり、ユーザビリティが低下。そのためユーザーはv1.5を使い続けました。
SDXL 1.0 / 1.5
現行Modelで従来Modelより格段に性能が向上しました。
そのためSD1.5を使う意味はほぼなくなり、多くのModel制作者はSDXLをベースに開発を初めました。
Fair-AI-Public-License-1.0-SD
Fair AI Public License 1.0-SD(FAIPL-1.0-SD)は、オープンソースソフトウェアの利用に関するライセンスであり、特にAIモデルに関連して広く使用されています。このライセンスは、開発者やユーザーに対して、ソフトウェアを自由に使用、改変、配布する権利を与えつつ、貢献者を法的責任から保護することを目的としています。
ライセンス名 Fair-AI-Public-License-1.0-SD
対象 :Stable Diffusion系モデル(例:NoobAI, Illustrious など)
商用利用: ❌ 禁止(個人・企業を問わず)
非商用利用: ✅ 許可(研究、趣味、教育目的など)
改変・ファーク(派生): ✅ 許可(ただし同ライセンスの下で公開が必要)
再配布: ✅ 許可(オリジナルと同じライセンスを明示)
著作権表示の義務: ✅ 必須(クレジットやライセンス表記を含めること)
禁止事項: 不正利用、差別的・有害な用途、AI差別訓練データの抽出
商用API化 :❌ 禁止(APIや有料サービスへの組み込みも不可)
収益化支援(例:Patreon): ⭕ 条件付き可(明確にモデルそのものの販売でなければOKとされる場合あり)
使用例: 個人作品、非営利の同人活動、教育用ツールの作成など
最新のライセンス情報は「https://freedevproject.org/」を参照してください。
ライセンスと制作コスト
SDシリーズとその派生Modelはこのライセンスが適用されます。
商用利用は禁止となっていますが収益化支援は条件付きで許可となっているため「かなり緩いライセンスという印象」を受けます。
ただ、その背景には派生と言ってもModelを作る場合莫大なコストが必要になるためです。
Rebbitの投稿「Illustrious asking people to pay $371,000 (discounted price) for releasing Illustrious v3.5 Vpred.」では、Illustriousが開発に$530,000(日本円で7700万円)の資金を募っているとあります。
Illustriousはイラスト系SDXL派生Modelの中ではTOP3に入ると言って良い人気Modelですが、その開発は難航していると言っていいでしょう。
SDXL(通称:SDXLシリーズ)

Stability AIが提供している現行主流のベースモデル「SDXL」です。
イラスト系Modelは主に「Pony」「Illustrious」「Animagine」に派生しています。今回は私がメインで使用している「NoobAI」も合わせて紹介します。
SDXLから派生したModel
下記に紹介するのはSDXLから派生したイラスト系BaseModelです。
BaseModelというのは、SDXLの成果から新たにコンセプトを設けて作られたModelです。
🐴 Ponyシリーズ

得意分野: 成人向けイラスト全般
特徴:My Little Ponyという作品を原点に持ち、日本のアニメ以外の学習も幅広い。特に成人向けの学習が強い。
弱点:学習内容を的確に呼び出せず制御が難しい。Illustriousで出来ていたことがPonyでは容易ではないため玄人向き。
向いてる人: LoRAを前提に制御することが多く、各Modelによって制御が異なる。学習内容の流用が効きにくいためAIイラストに慣れた人向け。
🎨 Illustriousシリーズ

得意分野:アニメ、成人向けの学習も幅広い
特徴:学習内容を呼び出す方法が確立しており、対応する版権キャラも多い。これによりLoRAが不要となり、初心者でも扱いやすくなっている。
弱点: 扱いやすさと品質が高いが生成は遅め、学習範囲が広いためキャラ以外の生成には弱さが見える。
向いてる人:Animagineで対応していない版権キャラ生成がしたい人。
🖌 Animagineシリーズ

得意分野: アニメ塗り全般(背景付き立ち絵/複数キャラ)
特徴:徹底したアニメの再現に重きを置いた学習で再現度はIllustriousを凌駕する。背景の生成もキャラに合わせ品質が高い。
弱点:対応する版権キャラ数、LoRA数は他Modelに劣る。
向いてる人:扱いやすさはIllustriousを踏襲しており初心者にも扱いやすい。徹底したアニメテイストを出したい人にもオススメ。
🔰 NoobAIシリーズ

得意分野: アニメ全般
特徴:従来とは異なる予測方法によって画像生成を行い品質と生成速度が向上している。扱いやすさは従来のStable Diffusionを思わせるものがあり個人的には扱いやすい。
弱点:先発のE予測は多くのLoRAと互換性がある安定Model。後発のV予測は既存のLoRAと互換性はあるものの品質低下を招く開発Model。しかし、V予測ではE予測より若干遅くなるものの全体の品質が向上している。
向いてる人: 初心者、新しい技術が好きな人、PCスペックに余裕がない人
モデル別:初期リリース時期
1. Pony(2023/1)
初期リリース:2023年1月にPony Diffusionの初版がリリースされ、その後、v2(2023年3月)やv6 XL(2024年9月)などのバージョンアップが行われています。
出典:
2. Illustrious(2024/中旬)
初期リリース:2024年5月頃に初期バージョン(v0.1)がリリースされ、その後、v1.0(2024年7月)、v1.1(2024年8月)、v2.0(2024年9月)、v3.0(2024年11月)、v3.5(2025年3月)と順次アップデートが行われています。
出典:
3. Animagine(2024/5月)
初期リリース:Animagine XL v3.0が2023年中頃にリリースされ、その後、v3.1(2024年1月)、v4.0(2025年3月)などのバージョンアップが行われています。
出典:
4. NoobAI(2024/12月)
初期リリース:NoobAI V-Pred 1.0が2024年12月にリリースされ、その後、v0.9R(2025年3月)などのバージョンアップが行われています。
出典:
バージョンアップが必ずしも好評とは限らない
開発陣はより良いModelを目指してバージョンアップを行っていますが、CIVITAIに投稿されるコメント欄では「前のバージョンのほうが良かった」「最新Modelは使わない」と言った声も多くあります。
本当に結果が悪くなったのかもしれませんが、次の問題も考えられます。
仕様を読んでいない
例えば開発中としているModelのバージョンアップにエラーはつきものです。失敗なくして成功は有りえません。
プロンプトを流用している
ModelはModelごとにプロンプトの記法が違います。
SD1.5からSD2.0で起きたように同じ規格でもバージョンが違うだけでプロンプトの記法が変わります。
普段使っているModelで使えるプロンプトの記法を流用して使えないというのはお門違いです。特にPony系はこの傾向が強いです。
WebUIがModelに対応していない
たとえばNoobAIは主力WebUIの1つであるAUTOMATIC1111を非推奨としています。このようにWebUIがModelに対応していない場合があります。
好きなModelを選んで良い
ComfyUIはかなり幅広いModelに対応しています。
少なくとも今回紹介した派生Modelはすべて対応しています。(NoobAI V predはカスタムノードが必要です)
扱いは難しいがエロに強いPony
制御しやすく版権キャラに強いIllustrious
キャラ数は少ないものの再現力が強いAnimagine
先進的な技術で品質と生成速度を重視するNoobAI
safetensors形式とckpt形式
safetensors形式は前身のckpt形式より安全性に優れています。
ckpt形式はSD1.5ぐらいまで使われました。もしSDXLでckptのModelを見つけた場合は使わないほうが良いでしょう。
次回:「LDM(=主にStable Diffusion)」「VAE」「ControlNet」「LoRA」について
前回:ComfyUI導入方法、Model導入方法、出力方法について
📌 AIイラストの構成設計や生成安定化に興味がある方へ
このnoteでは再現性重視の技術を発信しています。詳細なテンプレートやLoRAは、メンバーシップで限定公開しています。
