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システムが機能するための6つの要素【システムの法則】

さまざまなものをシステムとして見ることで、その仕組み構造が理解しやすくなります。

「システムとして見る」ためには、システムの法則を知っておくと効果的です。

この記事では、「システムの法則」の基本をわかりやすく解説します。

システムの法則

システムの法則は、大きく次の2つに分けることができます。

  • システムの基本法則:システムの成り立ちについての法則

  • システムの発展法則:システムの発展のしかたについての法則

また「システムの基本法則」には、次の3つがあります。

  • 基本法則A:システムの構成

  • 基本法則B:エネルギーの流れ

  • 基本法則C:構成要素の協調

これらの基本法則は、「システムの主要機能正しく働くための条件」を示したものです。

この記事では、基本法則A(システムの構成)について解説します。

まずは「システムとは」を簡単に説明します。

システムとは

システムとは「ある目的を持った集まり」のことです。

この目的を機能(〇〇する)で表します。システムの「目的となる機能」を主要機能と呼びます。

図1:システム図
  • システムとは:主要機能(目的となる機能)を働かせるための集まり

システムの基本法則A(システムの構成)

「システムの主要機能が正しく働くための条件」として次の3つを解説します。

  1. システムの要素

  2. 構成要素の機能

  3. 構成要素の制御

1.システムの要素

システムの主要機能が正しく働くためには、次の要素そろっていることが必要です。(参考文献1と参考文献2)

① エネルギー源
② 出力要素
③ 伝達要素
④ 作用要素
⑤ 制御要素
⑥ 対象物

図2.システムの要素

一般的には、図2の赤枠で囲んだ範囲が、システムになります。図では、次の4つをシステムの構成要素としています。

②出力要素、③伝達要素、④作用要素、⑤制御要素

また次の2つはシステムに含めていません。

①エネルギー源、⑥対象物

その理由を説明します。

エネルギー源とは「システムが働くためのエネルギーを供給するもの」です。エネルギー源はシステムの外部にある場合があるため、システムに含めていません。しかし、エネルギー源を「システムの一部として扱いたい」場合は、システムに含めることもできます。

対象物とは「システムの主要機能を働かせる対象となるもの」です。そのため、システムには含めません。

システムを考えるうえで、「対象物があってはじめて主要機能を働かせることができる」という点を認識することは大切です。システムを分析するときは、対象物を明確にしておくことが必要です。

システムの構成要素(②出力要素、③伝達要素、④作用要素、⑤制御要素)と、システム外の要素(①エネルギー源、⑥対象物)がそろいました。

しかしこれだけでは、主要機能は働きません。主要機能を正しく働かせるためには、「それぞれの構成要素が、それぞれの機能を働かせる」ことが必要です。

2.構成要素の機能

それぞれの構成要素が機能を働かせるためには、構成要素を正しく関係づける必要があります。

どのように関係づければ良いでしょうか?

次の図3を使って考えましょう。

図3.構成要素の機能

図3では、矢印で結ばれている要素の間に、それぞれの機能が働いていることが示されています。

矢印の向きにも意味があります。それぞれの矢印の向きに機能が働いています。例えば、②出力要素から③伝達要素に向かって矢印が出ています。これは「②出力要素から③伝達要素に向かって機能が働いている」ことを表しています。

「図3に示す形になるようにそれぞれの構成要素を関係づける」ことで、それぞれの構成要素が機能を働かせ、それらの機能が協力して主要機能を働かせるようにすることができます。

「外部(①エネルギー源)から得られるエネルギーを用いて、⑥対象物に主要機能を働かせる」システムの場合、それぞれの機能の働く方向は、基本的には図3のような形になると考えられます。

【注記】
「測定を行うシステム」のエネルギーの流れは上記とは逆になり、次のようになります。

  • 対象物→測定システム

「測定する対象物」からでる情報(エネルギー)を測定システムが受けることで、測定や検出が行われます。(参考文献3)
(注記おわり)

図3に示す形になるように構成要素を正しく関係づければ、それぞれの構成要素が機能を働かせることができます。その結果、システムの主要機能が働きます。

ここでもう一度、図2を見てみましょう。

図2.システムの要素

図2では「図3の関係になるように」それぞれの構成要素が配置されています。システムの分析図を描くときには、このように構成要素を配置してから、それぞれの機能を考えるとわかりやすいと思います。

(次の記事[シリーズ記事]では、そのをご紹介します)

ここまで「1.システムの要素」と「2.構成要素の機能」について解説しました。主要機能が正しく働くためには、1.必要な構成要素がそろっていて、2.それぞれの構成要素が機能を働かせることが必要です。

この2つで十分でしょうか?

上記1と2を満たせば、システムの形としては成立します。しかしシステムとは「目的を持った集まり」のことです。システムの主要機能は目的にあったものでなければなりません。

主要機能を目的通りに働かせることが必要です。そのためには、どうすればよいでしょうか?

システムを制御可能にする必要があります。

3.構成要素の制御

システムを「制御可能にする」ためには、構成要素の少なくとも1つが制御される必要があります。(参考文献4)

システムの中には「⑤制御要素」以外に、「②出力要素・③伝達要素・④作用要素」の3つの構成要素があります。これら3つのうちの1つ以上が、⑤制御要素により制御される必要があります。

図3.構成要素の機能

図3では、⑤制御要素から「3つの構成要素」すべてに向かって矢印が出ています。つまり「3つの構成要素」すべてが制御されている状態が示されています。

しかし正確には「構成要素の少なくとも1つが制御される必要がある」なので、「②出力要素・③伝達要素・④作用要素」のうちの1つ以上が制御されると、システムは制御可能になります。

一般的なシステムの初期段階では、「制御される構成要素は1つだけ」の場合が多いと思います。その後、システムの発展にともない制御される構成要素が増えていきます。

まとめ

◆システムの法則

  • システムの基本法則:システムの成り立ちについての法則

  • システムの発展法則:システムの発展のしかたについての法則

◆システムの基本法則

  • 基本法則A:システムの構成

  • 基本法則B:エネルギーの流れ

  • 基本法則C:構成要素の協調

◆基本法則A(システムの構成)

1.システムの要素

システムの主要機能正しく働くためには、次の要素がそろっていることが必要
① エネルギー源
② 出力要素
③ 伝達要素
④ 作用要素
⑤ 制御要素
⑥ 対象物

2.構成要素の機能

システムの構成要素が機能を働かせ、それらの機能が協力して主要機能を働かせる

3.構成要素の制御

システムを制御可能にするためには、構成要素の少なくとも1つが制御される必要がある

次の記事

次回の記事(シリーズ記事)では、基本法則A(システムの構成)の適用例をご紹介します。

関連記事

次の記事では、システムの発展について説明しています。

参考文献

  1. Yuri Salamatov 『超発明術TRIZ シリーズ5 思想編「創造的問題解決の極意』の「4.3.システムが始まるのはどこか?」

  2. Darrell Mann『TRIZ 実践と効用 (1) 体系的技術革新』の「17.2.2システムの完全性の法則」

  3. Yuri Salamatov 『超発明術TRIZ シリーズ5 思想編「創造的問題解決の極意』の「5.1不思議はない-すべては法則のままに」

  4. Yuri Salamatov 『超発明術TRIZ シリーズ5 思想編「創造的問題解決の極意』の「4.3.システムが始まるのはどこか?」の「システムの完全性の法則の系」

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