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『パズドラ』『モンスト』『白猫』。モバイルゲームの三大巨頭「ガンホー × MIXI × コロプラ」の今──決算から企業OSを読み解く【第6回】

こんにちは!
中卒40代・プロ会社員|マルチクリエイターのケイです。

任天堂×ソニーから始まり、数度にわたって続けてきた「決算から起業を読み解く」記事ですが、今回でついに第6回!
みなさま、読んでいただきありがとうございます。

過去記事は以下のマガジンにまとめておりますので、よろしければこちらも合わせてお読みください。


今回の対象企業は、スマホが一般化していった2010年代にモバイルゲーム市場を席巻した『パズル&ドラゴンズ(パズドラ)』『モンスターストライク(モンスト)』『白猫プロジェクト(白猫)』の提供元である、

「ガンホー(パズドラ)」
「MIXI(モンスト)」
「コロプラ(白猫)」

以上の3社です。

懐かしき「トップセールス」画面

いや、懐かしいですね。

2014年当時、これ全部同僚と昼休みに遊んでいたのを思い出します。

でもこの3社の印象って、世代によってだいぶ異なると思ってます。
私と同じ40代以上だと、「ガンホー=ラグナロク」「MIXI=SNS」「コロプラ=コロニーな生活」という印象の人も多いはず。

ただ、パズドラやモンストが流行り始めた2010年代前半に10代後半〜20代前半だった人からすると、「スマホのヒットタイトルの提供企業」くらいの印象で漠然と捉えている方も、多いのではないでしょうか。

さてそんな3社ですが、2025年の最新決算を読むと

3社はそもそも本質が異なる企業であり、
その違いを維持したまま、三者三様の未来へ進んだ

ということが、はっきりと浮かび上がりました。

では最新の数字から、見ていきましょう。


🟪 ガンホー(2024年12月期・通期)

  • 売上高:1,036億円(-17.3%)

  • 営業利益:174.9億円(-37.3%)

  • 営業利益率:16.9%

  • 当期純利益:111.7億円

  • 総資産:1,754億円

  • 現金同等物:681億円

  • 有利子負債:0円(完全無借金)

ラグナロクIPの貢献はあるものの、明らかにパズドラ一本の構造ですね。
資産も豊富で数字は綺麗ですが、売上も利益も減少トレンドにあります。
財務は極端に強いが、ゲーム一本集中のガンホーとしては、パズドラの次の柱をどうやって作っていくのかが、最重要課題となっていそうです。



🟥 MIXI(2025年3月期・通期)

  • 売上高:1,548億円(+5.4%)

  • 営業利益:266億円(+38.7%)

  • 営業利益率:17.2%

  • 当期純利益:176億円

  • 総資産:2,255億円

  • 現金同等物:1,106億円

  • 有利子負債:124億円

今回の企業の中で唯一、営業利益が大きく伸びています。
モンストも衰えているのでしょうが…売上の減衰はパズドラ、白猫と比べると緩やかですね。2013年からスタートしたサービスとして、異次元の強さを誇っています。

また、SNS・スポーツ・ライブなど、モンストキャッシュを別事業に投資する流れを作っています。

ガンホーやコロプラの様に「ゲームの新開発」にリソースを割いているような雰囲気は感じないので、ゲーム領域でモンスト級のホームランをもう一度作るのは流石に難易度が高すぎるように思いますが、MIXIは運用やプロモーションを最大活用したグロースが得意なので、この後もしばらくは、モンストの売上を最大化し、財務基盤の強化を続けるでしょう。



🟦 コロプラ(2025年9月期・通期)

  • 売上高:259億円

  • 営業利益:10億円(黒字転換)

  • 営業利益率:3.9%

  • 当期純利益:▲3億円

  • 総資産:757億円

  • 現金同等物:456億円

  • 有利子負債:ごく僅少

事業規模は、今回対象の3社で最も小さい会社です。
ヒットIPの白猫は2016年付近でピークアウトしており、その後売上は下降トレンドへ入りつつも、2019年にスクエニと共同で展開した『ドラゴンクエストWALK』をヒットさせたことで、新たな売上の柱を構築することが出来ています。

今はその技術力を武器に、次のヒットを作る為の投資フェーズに入っているように思われます。


✅ 横並びでの比較

数字を横並びで見比べてみましょう。

■ 売上規模

  • 🟣ガンホー:1,036億

  • 🔴MIXI:1,548億

  • 🔵コロプラ:259億

10年以上の運営の中で、パズドラ・モンスト・白猫は、売上の減衰に違いが出てそうです。コロプラにはドラクエWALKもあることを考慮すると、白猫のピークからの減衰幅がパズドラ・モンストと比べても大きそうですね。


■ 現金残高

  • 🟣ガンホー:681億(堅牢)

  • 🔴MIXI:1,106億(巨大)

  • 🔵コロプラ:456億(事業規模に対して非常に厚い)

保有現金を見るにMIXIが頭二つくらい抜けてますが、3 社とも「潰れない為の現金」はしっかり持っている。この点、先々を見越すと重要になってくるのが利益率ですが…、


■ 利益構造

  • 🟣ガンホー:縮小しつつ利益率はまだ高い

  • 🔴MIXI:利益率がむしろ上がっている

  • 🔵コロプラ:黒字転換したが薄い

ガンホーとコロプラは、現時点における利益率はガンホーがコロプラを上回っていますが、コロプラの方が新ゲームへの投資に積極的に見えます。リスクの取り方の姿勢の違いが現れているように思われます。

MIXIはここにきて利益率を上げているのが凄まじいですね。とはいえ、モンストに続く柱をどう作っていくのかという点については、おそらく今後無視できない課題となってくるでしょう。



✅ 各社の課題

🟪 ガンホー

パズドラ一本の構造が限界を迎えつつあります。
数字だけ見ると「利益も出てる。問題ない」という印象を受けますが、実態としては、
「次の柱がないまま既存の柱が細ってきている」と読むこともできます。

  • パズドラの売上はピーク(2014-2015)比で80%減

  • スピンオフ(パズドラW・パズドラバトル)は大ヒットはしていない

  • 家庭用タイトルの「ニンジャラ」は1000万DL突破しているが、プレイヤー年齢層が低く、短期の収益化は難しい状況

ガンホーの課題はただ一つ。
短期的な収益源としての「パズドラの次」がないことです。

日経にも出ましたが、ストラテジックキャピタル(SC)が経営改革を要求する声も出てきています。

現状現金もあり、財務は強い。
しかし、先を見越した次の打ち手を、リスクをとってでもやりにいくべきタイミングに来ていると言えるでしょう。



🟥 MIXI

モンストという巨大なキャッシュエンジンの影響は依然として強く、ここで得た資産を非ゲーム領域に活用する流れが、事業構造に表れています。

しかしMIXIは、比較対象の他の2社と違い、もともと「ゲーム企業」ではありません。

MIXIの本質は、今も昔も変わらず「コミュニケーション」。

SNS「mixi」の創業時から、日記・コミュ・弱いつながり・趣味共有など、人と人の繋がりを設計するサービスを提供してきた会社です。
モンストの大成功によって一時的にゲーム企業の顔が強まったものの、根本は揺らいでいません。

培ってきたコミュニティ形成の強みを活かし、エンターテインメントやスポーツといった複数の事業領域でファンマーケティングを積極的に展開しています。

3社の中で、最も“次の形”が見えているフェーズの企業だと思います。



🟦 コロプラ

コロプラは、今回の対象3社の中で最も事業規模が小さく、売上も利益も縮小傾向にあります。

ただし、技術軸の挑戦という点では、最もアグレッシブな企業。

「Entertainment in Real Life」をミッションに掲げるコロプラは、事業規模は縮小傾向にあるものの、“技術で未来を掴みにいく”という姿勢が明確に打ち出されている企業です。

  • 位置ゲーの発明企業(コロニーな生活)

  • ドラゴンクエストWALKをスクエニと共同開発

  • 白猫・黒猫は縮小しているが、コアなファンを抱えている

  • ブロックチェーンゲームや、生成AI活用ゲームにもトライ

利益率に問題はあるものの、資産はある状態(現金456億、自己資本比率91%)なので、「次の芽が出るまで耐えられるか」に、かかっています。

あとは、先述のような挑戦を『白猫』『ドラクエWALK』に続く次のヒットに繋げられるか。そういった課題に向き合っているフェーズなのだと思われます。



✅ まとめ

さて、今回の分析は以上になります!

3社だったので少し長くなってしまいましたが、いかがでしたでしょうか

かつて同時期に、モバイルゲームで覇権を取った3社ですが、元々の社風の違い通り、今も全く違う道を歩んでいます。

MIXIは、“コミュニケーション企業”としての本質が、モンストの巨大さと噛み合い、ゲームの外側へ事業が広がっている。
現時点では、今回の3社で最も安定しているのはMIXIでしょう。

ガンホーは、パズドラ依存からの構造転換が明確な課題として残る。
コロプラも同様だが、ここは白猫というよりドラクエWALKに依存する形からの脱却が課題。
共通しているのは、「次のヒットゲームをつくる」必要があるということ。

世界的にはゲーム市場も、モバイルゲーム市場も伸長しています。

しかし、数年前から続く外国産ゲームのヒットなど、日本産ゲームの頭打ち感は否めません。

そんな中、久々に風穴をあけてくれたのは前回触れたDeNAの「ポケポケ」だったのですが…やはり「ポケモン」というIPあっての話。

個人的にはやはりこの3社のいずれかから、次の国産オリジナルIPのムーンショット級が生まれてほしいと、願ってしまうのです。



今回は以上です!
読んでいただき、ありがとうございました。
気に入っていただけたら、スキ・コメント・フォロー、お待ちしています!
またね。

ASANOTE|ケイ


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