仕事が増えるほど、自分の仕事まで増えていきました。
ありがたいことに、少しずつ仕事は増えていました。チラシ、パンフレット、名刺、ロゴ、看板。起業したばかりの頃と比べれば、明らかに忙しくなっていました。
本来なら、「会社が順調になってきた」と思ってもいいはずです。
でも、実際は少し違いました。
仕事が増えるほど、自分の仕事まで増えていったんです。
当時の自分は経営者。でも、それだけではありません。営業もする。打ち合わせもする。原稿も考える。見積りも作る。デザイナーへ制作指示を出して、上がってきたデザインも確認する。
お客様へ連絡して、印刷会社や仕入れ業者ともやり取りする。そして、新しい仕事も取りに行く。
今でいうなら、経営者兼営業兼クリエイティブディレクター。 名前だけ聞くと、ちょっと格好いいです。
実態は、何か起きるたびに全部自分へ返ってくる係でした(笑)。
起業当初は、デザイナーさんも2人ほど。仕事が少ないうちは、それでも回せました。
ところが案件が増えてくると、「この案件は○○さん」「こっちは○○さん」と振り分けながら、自分は全体を見なければいけません。
誰が何を担当しているのか。初稿はいつ上がるのか。修正はどこまで進んでいるのか。お客様への提出日はいつなのか。
契約を取る仕事に、“仕事を回す仕事”が追加されました。
会社としては仕事が増えている。売上も増えている。
なのに、自分の時間はどんどんなくなっていきました。
仕事を取る。人に振る。確認する。修正をまとめる。お客様へ連絡する。そして、また新しい仕事を取りに行く。
気づけば、自分を中心に全部が回っていました。
当時は「忙しい=会社が前に進んでいる」と思っていました。でも今振り返ると、前に進んでいたというより、自分が必死に全部を引っ張っていただけだったのかもしれません。
売上は増える。仕事も増える。でも、時間は減る。
しかも、お金もなかなか残らない。
「仕事が増えたら、少しは楽になる」と思っていたのに、むしろ逆でした。
会社は忙しくなったのに、社長だけ全然ラクになりません(笑)。
理由は単純でした。
仕事を増やす仕組みは作っていた。でも、仕事を回す仕組みは作れていなかった。
当時は「もっと仕事を取らないと」ばかり考えていました。でも本当に必要だったのは、取った仕事を無理なく回す仕組みでした。
そして、その“仕事を回す”ところで、次の問題が待っていました。
一緒に仕事をしてくれるデザイナーさんたちです。
みなさん、個性がありました。
かなり、ありました(笑)。
つづく。
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