企業ロゴをリファインしました
先日、7年間使ってきたunnameの企業ロゴをしれっとリファインしました。
リニューアルではなく、あくまでリファインです。
リファイン(Refine)は、既存のモノの良さを活かしつつ「洗練・改良・磨き上げる」小規模な調整を指すのに対し、リニューアル(Renewal)は「一新・作り直し」を意味し、デザインや機能を大きく変える大規模な刷新を指します。リファインはブラッシュアップ、リニューアルはリノベーションに近い概念です。
この経験を通じて、「企業ロゴには想いを込めるべき」という通説を疑う機会となったので、今回はその話を書き記します。ぜひ、企業ロゴについて悩んでいる人に参考の1つになれば幸いです。
「ロゴに想いやストーリーを込めない」という選択
実は自社のロゴを変えたいと思い始めたのは、2年ほど前からです。
なんとなくロゴを変えたいけど、どう変えたいかがわからない。
かといって数十万、数百万かけてデザイン会社に頼むと、かっこよくてストーリーのあるロゴが出来上がることも知っている。でもかっこいいロゴができたとして、実利があるかどうかというと、正直ほとんどない。劣後な悩みだし、一旦後回しにするか。
そんなモヤモヤを2年間抱えていたのです。
しかし今回、そんな重い腰を上げて、サクッと2週間くらいでロゴを変更しました。



具体的な変更点は
ロゴを文字のみに削り、フォントの変更
文字色を真っ黒から、少しグレーに調整
カタカナロゴの新調
という感じで、非常にシンプルな内容となっています。リニューアルというほどではないので、今回のロゴの変更をリファインという位置付けにしています。
リファインであれば、クリエイティブに精通していなくても取り組みやすいなと身をもって体感しました。
想いを込めたロゴと過ごした7年間
クリエイティブやブランディングの世界では「想いを込めて作るべき」という考え方が主流だと思います。10年ほど前から、ベンチャー・スタートアップ界隈を中心としてそんな流れが確かにできていたと思います。
CIやMVVを作る。そこから逆算して、各種クリエイティブにストーリーを落とし込む。自分も最初はそうしたいタイプでしたし、しっかりロゴにストーリーを載せていました。(当時のnoteをひっそりシェアしておきます)
unnameのロゴは創業した2019年に、知り合いのデザイナーにお願いして作りました。CIから策定し、そこの言葉をしっかりロゴに落とし込むというプロセスでやっていました。
当時はいろんな想いやストーリーを載せて、結構気に入っていたのですが、でも時が経つにつれて、想いを込めたがゆえの個性的なデザインが、BtoBの大手企業と向き合う場面で少しずつ気になるようになってきた。ロゴの意図を聞かれるたびに説明が必要になるのですが、それを伝えてもあんまり意味がないなという場面がたくさんあったのです。その積み重ねが自分の中で小さな引っかかりになっていた感じです。
想いを込めること自体が悪いわけではありません。
ただ、会社の発信も含め、想いを全面に出した広報活動は、採用においてもデメリットが多かったのです。(※詳細は割愛しますが、気になる方はDMください)
7年間、想いを込めたロゴと一緒に過ごしてきた実感として、「もっと実利のある、王道な企業ロゴにしたい」、そう思うようになりました。だから今回のリファインでは、担当のデザイナーさんにこう伝えました。
「想いやストーリーをロゴに載せないでください」
「あくまで視認性の担保と王道感を出したい」
「かっこいいロゴ」の順番は逆
Appleのロゴがなぜかっこいいか。
それはAppleの製品がかっこいいから。だからこそあのリンゴがかっこよく見える。
あのロゴ単体を偏見なく見て「美しいなぁ」とはならないはずです。楽天だって社名だけ見たら違和感を覚える人もいるかもしれませんが、今では誰も何とも思わない。Googleだってよくわからない名前です。
つまり「かっこいい企業名やロゴ」があるのではなく、「かっこいい事業や組織を作っている会社の名前やロゴがかっこよく見える」という順番だと思っています。順番が逆なのです。だったらロゴに大金をかけて劇的に変える必要はない。必要なのは「足を引っ張らないロゴ」にすることだけです。
この考えを裏付けてくれたのがファッションブランドの事例でした。
エルメス、プラダ、グッチ。実はこういった名だたるブランドも、ロゴをかなりリファインしています。特徴的なデザインから、視認性重視のシンプルなものへ。なんとこれらのブランドも、スマホで見やすいロゴにしたとのこと。SlackもGoogleも微妙に変わっている。大幅に変えるのではなく、見やすくする。これでいいんだなと思えたのは大きかったです。
今回のリファインの基準はシンプルで、「読みやすさ」「王道感」の2つだけ。プラスの点数を取りにいくのではなく、マイナスを取らない。「変なロゴだな」と思われることのマイナスを消す。それだけです。BtoB企業のブランディングには加点よりも減点を喰らわないことが重要なんだと思っています。
デザインではなく、事業と組織で語りたい
今回のロゴリファインには、BtoB企業としての姿勢を表明したいという意図もありました。ロゴやWebサイトを着飾ることよりも、良いサービスと組織を作ることに向き合う。その意志をまず自社のロゴで示したかったのです。
BtoB企業のブランドは、提案の質や、サービスの実績や、顧客との信頼関係の中で積み上がっていくものだと思っています。ロゴに数百万かけるリソースがあるなら、その分をプロダクトやサービス、組織に向けた方が、結果的にブランドは強くなる。これは自分が7年かけてたどり着いた、自分なりの結論です。
正直に言うと、ミッション・ビジョン・バリューにも同じことを感じています。誰もが掲げるようになった結果、どの会社も似たような言葉が並ぶようになってしまった。言葉で飾ることに投資するフェーズはもう終わっていて、行動と結果で示すフェーズに来ているのではないかと。
自分がそういう想いを込めたい側の人間だったからこそ、あえてそれを捨てたこの経験を残しておきたかった。
同じようなモヤモヤを抱えている経営者やマーケターにとって、少しでも参考になればと思っています。ロゴに込めた想いよりも、事業で出した結果の方が、よっぽどブランドを強固にしてくれると思っています。
ロゴのリファインをしてみたい、話をもう少し詳しく聞いてみたいという方はぜひ宮脇宛にDMください! (Facebook X)
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