「口説ける街」と「大人の責任」。夢を語るのに遅すぎることはない。
こんにちは。娘が小学生になる、けんくらです。
前回は、ノリと勢いで飛び込んだ初出店で、
妻が「前夜に恐怖で泣き崩れた」お話でした。
https://note.com/kenkura/n/na3809a4bbec9
「誰も見向きもしなかったらどうしよう」
そんな不安を抱えて迎えた当日。
彼女のブースの前に立ち止まったのは、
純粋な目をした「子どもたち」でした。
「わぁ、かわいい!」
という忖度なしの反応。
恐怖はいつしか喜びに変わり、
帰りの車内では「次はもっとうまくできる!」と
完全に自信を取り戻していました。
さて、そんな初出店から数日後。
歩みを止めない妻が向かった次の場所は、
なんと総勢約40名が集まる「創生ラボ」だったのです。
圧倒的な熱気と「また行くの?」
2021年12月。
「今日も創生ラボに行ってくるね!」
約1ヶ月前に参加した
第1回の「いわぬま創生ラボ」。
そこから味を占めたのか、
彼女は生き生きとして
第2回の会場へと向かっていった。
帰ってきた妻から聞いた当日の様子は、
想像をはるかに超える熱気を帯びていた。
会場には、前回の倍近い、
約40名が集結。
何より驚いたのは、
地元の高校生が19人も参加していたこと。
制服姿の高校生と、
スーツ姿の大人が同じテーブルを囲み、
真剣に街の未来を語り合う。
それだけで、
なんだかワクワクする光景が目に浮かぶ。
「口説ける街」というパワーワード
その日のワークのテーマは、
「自分たちはどんな街に住みたいか」。
グループの中で話しながら
決めていくワークだった。
そこで妻のグループが提案したのが、
「口説ける街」
みんな真剣である。
司会のお兄さんも、
さすがに苦笑いしていたらしい。
ぼくがそこにいたら
興味津々だったと思う。
ぼくらの住む町にとっては、
すごくわかりやすいテーマだったからだ。
「安心安全で、自然と共存する街」
そういう当たり障りのない優しい言葉は、
誰も傷つけないけれど、
誰にも深く刺さらない。
とがっていないと、心には届かない。
「コーヒー片手に女の子と歩ける街」
「オシャレな店がある街」
「プロポーズをしたいと思える街」
若者にとって、いや、大人にとっても、
そういう純粋な欲求を満たせる
「口説ける街」こそが、
本当に魅力的な街なんじゃないか。
遊びに行く場所がない。
ぼくの住む町は、
デートしに行く場所すらないのだから。
高校生の本音と、ルイス・カーンの名言
実際のワーク中、
男子高校生たちからは
こんな意見が出たそうだ。
「岩沼には学生が集える場所がない」
「女の子と遊ぶなら、仙台に行っちゃう」
こういう等身大のリアルな声こそ、
街づくりのど真ん中にあるべき課題だ。
若い彼らが
「岩沼って面白い」
「ここで何か始めたい」
と思えるかどうか。
そんな話し合いの中、
同じグループの一人が、
ある名言を紹介してくれたという。
建築家ルイス・カーンの言葉だ。
「都市とは、少年が朝に出かけて行き、
帰ってくる時に生涯の仕事を
見つけられるような場所のことだ」
この言葉を聞いた高校生が、
「夢ができそうでいいですね」
と呟いたらしい。
それを聞いて、
妻をはじめ周りの大人たちは、
一斉に背筋がピンと伸びたと言う。
大人の責任ってなんだろう?
その夜、帰宅した妻がぽつりと言った。
「ねえ、大人の責任ってなんだろう?」
ぼくも一緒に考えてみた。
自分自身が学生だった頃、
「将来の夢は?」
「進路はどうするの?」
と聞かれるのがたまらなく嫌だった。
夢なんてないし、
どうやって見つければいいのかも
分からなかったからだ。
夢を持つには、環境が大切という。
そして、その環境を作るのが
「大人の責任」なのかもしれない。
子どもたちに
「夢を持ちなさい」と説教する前に、
自分たち大人が夢を持ち、
楽しそうに語ること。
「こうなりたい」
「もっとこうしたい」
そういう声を拾って、
一緒に考えたり、
道筋を立てる手伝いをすること。
そして何より、挑戦して、派手に失敗して、
それでもまた立ち上がって進む姿を見せること。
完璧でなくていい。
何者でもない等身大の自分をさらけ出して、
失敗を笑い飛ばしながら前を向く。
その泥臭い背中を見せ続けることが、
未来への一番の種まきなんだと思う。
と書きながら、まさに、
今の妻がそうだなと心から思う。
あらためて、尊敬する。
夢は語るほどに育っていく
創生ラボに参加して、
妻は「大人の責任」について深く考えさせられた。
正直、2回目が終わった直後、
「次はどうしようかな…」と損得勘定で迷っていたらしい。
でも、あの高校生たちの顔を見て、
彼女のモヤモヤは晴れた。
「『Hannaさんのお店で働きたい』
って言ってくれる子が
現れるかもしれないじゃない?」
当時の妻はそう笑って話していた。
今の彼女の活躍ぶりを見ていると、
あながち笑えない、
すごくリアルな話になりつつある。
夢は、
頭の中でこねくり回しているだけでは
育たない。
声に出して、誰かに笑われて、
それでも語り続けることで、
少しずつ現実の形を帯びていく。
ここから、
彼女の挑戦はさらに加速していくことになる。
おしまい!!!
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