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AIGP合格体験記(AIガバナンスプロフェッショナル資格の難易度と勉強方法)

AIGP(AI Governance Professional)とは?

 IAPP(International Association of Privacy Professionals)という団体のAI倫理・法規制・リスク管理を包括的にカバーするAIガバナンスに関する国際資格で、2024年にリリースされたばかりの資格。
 簡単にいうとAIガバナンスを国際的な視点で理解していることを確認するもの。

試験名:
IAPP AIGP(Artificial Intelligence Governance Professional)

難易度:
高い。(*筆者主観)
IAPPの公式教材だけでは全体の60〜70%程度しかカバーできず、合格には追加調査や深い理解が求められる、情報セキュリティやプライバシーに慣れた受験者でも「これまでで最も難しかった」と語る意見もある。

試験構成:
100問(スコア対象85問+非スコア15問)/制限時間180分
選択肢の中から複数を選ばせる形式(例:「5つから3つ選べ」)が含まれ、慎重な判断を要する。

試験言語:
英語
(他にもあったかもしれないが読めないので見落としていたかもしれない。少なくとも日本語はない。普段から英語ドキュメントを読んでいるIT専門家であれば法律系以外の英語は困らないイメージ。)

出題傾向:
AI倫理・バイアス・説明責任などの原則から、GDPRやAI Actとの比較、NISTやISOのリスク・ガバナンス標準まで幅広い。
AIの設計、運用、監査、継続的モニタリングなど、ライフサイクル全体を通じたガバナンスプロセスが出題対象。
ケーススタディやシナリオ型の問題も多く、実務上の判断力が問われる。

難問の特徴:
選択肢の複数が妥当であるように見える出題があり、表面的な理解では対応困難。
基本的な規制やガイドラインを自ら調べて理解していることが前提。
用語や原則の定義を問うだけでなく、それらをどう実装し、どう責任を持つかまでを問われる。

海外の受験者の声(抜粋):
「本当に難しい試験だった。IAPPの教材に出てこない範囲も普通に出題された」
「AI・法律・実務の深い知識が必要。過去4つのIAPP試験の中で最も難しかった」
「勉強した範囲の外側から出題されて、合格はしたがギリギリだった」

まとめ:
AIGPは単なる暗記型の資格試験ではなくAI時代における信頼・透明性・説明責任を担う立場に求められる知識と判断力を問う実務型の試験であり、体系的な理解と応用力がなければ通用しない。

何故AIGPを取ったのか

 急速に発展するAIの領域で本能的に危うさを感じ無視出来なくなってきた。
 また普段は「セキュリティ専門家」や「プライバシー担当」と見られがちで「AIガバナンス担当」や「AI×セキュリティ」もやっているがこういうわかりやすいのを持っておくと、仕事の幅が広がるかなぁと。(3から5年語くらいになりそうな気はするが)
 そして、1番本質的なのは面白そうなことは大好きで知的好奇心のチャンスは逃さない。と言う考え方なので。

(以前の記事でもう資格は取らないと言ったのにすいません。AIがあまりに急速過ぎて世界との距離感を確かめておきたく。楽しそうだったし。)

 過去の記事の通り昨年、EU各国(ノーアポでNATO行ったりEuropean Parliamentに突っ込んだりCJEU行ったりAIはブラックボックスなのにどう説明すればえーんや、と某機関に聞いてまわったり)を自費で調査訪問していたこともあり、AIやデータ保護に関するEU法制や世界の動向の理解を再整理する意味でも、ちょうどいい機会だと感じた次第です。

AIGPをはじめて受けてみて

 実際にAIGPを受験してみた感想(受験体験記)や(IT専門家が感じた)難易度、そしてこれから受ける人の参考になる(かもしれない)学習法などを、受験者目線で率直に共有します。

率直な感想:む、むずい……

 まず、このAIGPという試験、2024年に始まったばかりらしいのでネット上の情報も少なく、出題内容もCISSPを彷彿とさせる多面的な難しさがありました。

 ネット上に情報はあるが、信頼できそうな情報は英語はまだしも日本語ではあまり情報は出てこない。
 合格体験記は少数でかつこの資格試験に直接関わる方やハイスペックな方・・・
 公式問題集も全部解いて公式トレーニング(英語)も受けたがそれとこれとは話が別だった。

レベル感としては、
関連法やガイドラインやモデルの名前を覚える程度では歯が立たず、技術的素養・法的知見・国際動向の把握・ガバナンス実務など横断的に問われる感じです。また筆者受験時は英語でしか受けられなかったので専門的な用語や言い回しの英語読解は必須です。
(プライバシー文脈の場合とAIガバナンス文脈では同じ英語フレーズの意味が変わったりもします。)

 さらに、意見が分かれるような実務的・倫理的判断や急速に発展するなAI関連情報なども出題されます。

(バイデン元大統領の2023年のExecutive Orderが今年2025年にトランプ氏によって、やっぱやーめた、ってなったらへんもしっかり押さえたりもしたので余裕かと思っていたが、まぁむずい。頭痛い・・・)

 この手の試験によくあるどっちも正解じゃん問題、、、

毎問「うーん…これはAかCか…いや、Bも捨てがたい…」と頭を抱えるタイプの問題が多め。頭痛い・・・


難しいけどチャンスもある

 実際に試験を終えてみると、点数は予想以上に良く「あってるかあってないかわからなかったけど意外といけたな」という印象でした。
 自分の場合は、初回で387点(500点中)を取ることができました。
 結果論として点数だけ見ると簡単なように見えるかもしれませんが、実際受けると全くそんな感じはしません。。。

 特に印象的だったのは、「正解っぽい知識」ではなく、現実的な判断力 が求められていたこと。

 CISSPと同様に合ってるんだか間違ってるんだかよくわからない感じでそのまま試験は終わります。
 何らかの形でAIガバナンス領域に関わっていれば、結構チャンスはあるイメージです。


勉強方法:受験検討中の方へ

  • 試験は英語・CBT形式、受験費用は日本円で10万(非会員の場合)を超えるくらい高いため、それなりの覚悟は必要です(会員の場合も約10万円。*筆者受験時)

  • 出題は「AIモデルの種類」や「定義」だけで解けるものではなく、組織内でのAI統制、法的責任、倫理的含意技術の理解、こういう悩ましい場面でどうする? など幅広い領域にわたります。
    (AIを社会実装する観点が必要)

  • (追記) 受験の参考情報として、大事な前提を忘れていたので、ちょっとここに追記。試験は英語なので英語のリーディングができる事は大前提です。普段から英語のニュースや専門的な文章を読んでる人であれば、ちょっと専門外の部分の言い回しに慣れたりする程度でいけるかと思いますが、英語アレルギーのような方は厳しいと思います。

  • IAPP公式問題集(英語)や公式トレーニング(英語)を軸にしつつ、BoK(Body of Knowledge)の構造把握と、実務感覚でのケース判断の練習が有効(だそうです。自分はあんまり気にせず知的好奇心のあるまま気になったものは調べた。

  • 「AIモデル開発」「外部モデルを利用したAIシステム開発」「セキュリティ × AI」「プライバシー × AI」など、既存領域の延長で思考できる人には親和性が高いはず。(当然GDPRなど国際プライバシー絡みの基礎知識は前提という感じ)

  • 筆者が主に利用したリソースは、IAPP公式オンライントレーニング、IAPP公式問題集、ISO/IEC 42001、ISO/IEC 22989、ISO/IEC 23894、IAPPから送られてくるDaily Dashboard、AI Act、EDPBガイドライン、ニュースサイト等でAI関連で気になったもの(全部は読まず基本要約。気になったら本文を読む程度)

  • これはもう個人的な意見だけど、
     実際にAIガバナンスポリシー作って、自分の組織や自分の立場に加えて、自分以外の立場(例えば自分が経営層であれば現場の立場、自分が経営層でないならば、自分の立場に加えて、経営層の立場)をロールプレイしてしまうのが手っ取り早い気がします。(もちろんその際に関連法令やガイドラインを調べます)
     もちろん仕事で実際に携わる人はそのまま使ってしまえばいいし、既にAIガバナンスポリシーがある場合は、それはどう変えると国際標準に近づくかとかポリシーは適切だと思う場合、実業務でどういう準備をしとけばいいかとか、既にポリシー違反しちゃっていないかとか違反しちゃってる場合どこからどう手をつけるのかとか、その根拠は何にするかとかを実際に実践するのが1番よさげです


 AIのガバナンスは、今後あらゆる企業・組織・個人にとって無視できないテーマです。(自分から見ると、ChatGPTなどのAIを称賛しつつ、危険性やリスクを理解せず、デフォルトのデータ共有や利用ポリシーも確認しないまま使う人が多い。外食先でも近所のマダムが「ChatGPTって便利なのよー」とか話すのを耳にし、企業だけでなく個人レベルでも安全性への意識が欠けていると確信。奥さん全部漏洩してますよとは他人には言えないし)
 資格取得自体の意味は(私にとっては)限定的ですが、体系的に学び直す機会としては非常に有意義でしたし知的好奇心を満たすと言う自分の趣味には合致していましたね。

 実務と知的探究の交差点に興味がある方には、ぜひ一度チャレンジをおすすめします。(高いし英語だし簡単ではないけど)


追記(個人的モチベーション)

 知的好奇心を満たすのが趣味で、結局知らないことが好きだ、ということが大きなモチベーションでした。
 「セキュリティの人」と言われることが多いですが、新しい事や面白い事はなんでもやりたい人という性質があります。新しいものやこういう分野が好きな方は相性良いと思います。


ご参考まで。

  • 本記事は個人的見解であり如何なる組織とも関係はございません

 この記事では個人的な受験者としての感想を率直に書きましたが、IAPPのAIGP試験の概要やAIガバナンスの専門的な解説、そして私たちの事業が提供する価値については、「AIガバナンスの現場のギャップ解消を目指して」で詳しくご紹介しています。ぜひこちらもご覧ください。


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