キャッシュも信用もない26歳が、一泊8万円の宿を自分で創った話
仲間とDIYしただけなのに、一泊8万円の宿になった。こんな起業の仕方もある。
「起業って、結局は資金力とか人脈がないと無理でしょ?」
そう思っている人は多い。僕もそうだった。いや、そうじゃないこともわかっているのだが、可能性は低いよね、と。
でも実際は、仲間とDIYという“よくある趣味”が、一泊8万円の宿になることもある。しかも最初は、ボロボロの古民家から始まった。本当に0から。
この記事では、趣味の延長線上の行動が、どうやってビジネスになっていったのか。そのプロセスを、具体的に掘り下げていく。
「こんな無茶苦茶な起業もあるんだ」と知ってもらえて、行動に移してくれる人が一人でもいれば嬉しいです。
そもそも前提、地方宿をやるのは万人には本当におすすめしないです笑
あまりにも労力がかかりすぎます。キャッシュが目的であればもっと楽に稼ぐ手段たくさんあると思います。
とにかく建築の隅から隅までやりたくて根性あって仲間いる人
なんらか別事業や親族のお金などでお金や不動産がある人
すでに事業をやられていてビジネス感覚ある人
とかにはおすすめできますw
始まりは「なんかビジネスやりたいね」という前職の同期とのよくある会話から
前職の同期と、何気ない雑談をしていたときの一言だった。
「なんか古民家ホテルとか、おもろそうじゃね?」
社会人の雑談って、だいたいはその場で終わる。
「いつかやりたいよね」で流れて、行動まで移ることはほとんどない。
でも僕らは、そこから実際に動いた。
「やるか、やらないか」の一歩目を越えられたことが、今思えば最初で最大の出来事だった。
そもそも合理的に考えると、不動産(しかも地方ボロ屋)から事業を始めるのは明らかにリスクが大きい。けど合理的ではなく、willだけで考えていたのが良かったんだと思う。w
物件は“ボロボロ”からのスタートだった
「よっしゃ古民家探すぞ!!!!」となったのはいいものの、普通に不動産サイトや空き家バンクを見ても、買える物件はなかった。
1000万円とか無理無理無理。その時の手取り月25万とかよ。無理。
だからやったのは、関東の自治体すべてに電話すること。
「空き家バンクにすら載せられないような、状態悪すぎる広い物件ないですか?」
そうやって探し続けた。唯一当たり(ハズレ?w)が出たのが千葉県某市だった。
結果的に見つけた物件は、正直ひどい状態だった。一緒に見にいった友人と顔を見合わせるレベル。築150年(後に知ることになるが、実は築年数はここまで行くと古ければ古いほどよかったりする)。
おばあちゃんの布団が散らかり、虫や本が散乱している。まさに「ボロボロ古民家」。


「なぜここにしたか?」ってのはよく聞かれるんだけど、「選択肢がなかった」に近いんだよね。
まあ唯一褒めるとしたら、床の歪みが少なかったことと、柱梁が立派だったこと。
でもめちゃくちゃワクワクした。だって自分たちの居場所ができるんだ。
最初はエアビーとかで出せたらいいね〜くらいだった。まあ最悪自分達の別荘として使えばいっか、みたいなw
「DIYというか施工というか、自分たちで作ってみたい!」というのが最初にやりたいことだったので、それはもちろん達成。
その後僕が企画デザインをし、一緒に始めた元同期が施工のPMをしてもらうような手数をなんとなく組んだ。と言っても全員野球なのだがw
ここに前からデザインの仕事を軽くしていた同級生を二人誘い、4人でスタートした。もちろんこの時は趣味で。
ボロボロ空き家からホテル空間へ
そこからの改修は、完全にDIYだった。まあもちろんお金もないのでw
それに創ること自体が目的だったから。
状態が悪すぎる離れ2棟は解体
物件はフルスケルトン化して内装全てやりかえ
蔵を改装して露天風呂・サウナ棟を新設
くらいのことは最初に決めたと思う。そのほかの設計面はもちろん全てやりながら、パース作りながらみたいに適当に進めた。
お金も持たなかったので、給与を稼ぎ待ちみたいな状況もあったww
当時最初に始めた僕ともう一人の貯金だけでやってた。
絶望解体

僕らからすると3ヶ月くらいかけて倒壊させられて、歓喜の絵です。ほんとに推奨はしません。
結論から言うと、解体に1年弱かかった。
これは本当に今思うと地獄で、マイナスから0に向かう作業で1年を費やしたことになる。1年後には、トタンを剥がすスピードは至高に達していたと思う。笑
まあ地獄と言っても楽しかったんだけどね。もちろんサラリーマンなので基本週末に作業してて、同級生達が本当にたくさん手伝ってくれた。
解体はまじで危ないので、業者に頼んでくださいw

内装へ

「内装に行ったらイケる」と言ういかにも適当なヨミはあたることになる。ここからは半年ほどで全て終わらせた。
そもそも僕らは前職空間系の仕事をしており(と言っても僕も同期も2年弱くらいの実務経験)、内装にはある程度の知識があった。
「なんやプロやん!」と思われるかもだが、内装のデザインや工程に知見があるのみで、もちろん全員大工(作る側)などやったこともないw
ど素人軍団である。
内装工事系は全てDIYで済ました。蔵を改装して作った露天風呂やサウナは大変だった。防水など特別な知識が必要になる(FRPさえDIYした🤣)。
ただクリアできた。Youtubeってマジですごいよね。推奨はしません。
ホテルとしての体験を作る


お金はあまりかけられないが、「こんな空間に泊まりたい」という“目的地”としての魅力を作り込むことに時間は費やした。
例えばパースに関しては何度も何度も作り直した。もちろん自分達で。お金かからないでABテストできる最強ツール。
僕は本業ではUIUXデザイナーをしており、体験を作ることにはある程度慣れていた。点と点が繋がる感覚があって感動した。
そもそも、一個人が「ホテル」なんて作れるのがありえないと思っていた。
もちろんそれなりに必死に考えて作った。結果的にそれが功を奏した。
趣味がビジネスになる瞬間

やっとの思いで2年くらいかけて宿が完成した(なんか色々ボロはあるが)。
インスタグラムでの先輩方との出会い
その時期「集客どうやろうなー」と思い、インスタグラムも見るようになり、一棟貸し宿で活躍しているプレイヤーが数名いることを知った。
「じゃあなんかDMしてみるか!」と思い、「こんな物件作ってます!」とDMしたら「じゃあみにいくわ!」とまさかの返答。みに来てくれることになった。
初めて人に評価される
その界隈?の人たち6名程度でオープン前の宿にわざわざ来てくれた。なんか有名な人たちっぽいので非常に緊張したのを覚えている。
結果はまさかの超高評価で、「ここはやばい!すごい!」と絶賛してくれた。で、まさかのインスタグラムで僕のアカウントや宿のアカウントを告知してくれたのだ。こんなことがあっていいのか??
これはDIYなどの創作あるあるだが、自分で夢中で作っていると、制作物が客観的に見れなくなり、いいのか悪いのかわからなくなってきていた。そこで一棟貸しの先輩達に評価してもらったことは、非常に自信になった。初めて「これはイケるかもしれない」と思った。
金額に関してはかなり感覚的なものでやっていく中で決めていった。
当初もちろん周辺施設や一棟貸しの調査はしたが、結局同じコンテキストの宿なんてないのだ。
OTAという存在
宿系に携わったことがある人は知る由もないと思うが、宿には「OTA(オンライントラベルエージェント)」があり、非常に重要な存在である。
これはAirBNBや、一休、Booking.comなど、一般的な宿予約サイトである。
これに登録することが必要なのだ。今思えば当たり前すぎることだが、それすら知らなかったw
この辺もインフルエンサーの人たちに教えていただいた。ここに関しては本当についていたと思う。
ここについてはまた書きます。
そして、ついにオープン!!!
一昨年のGWから宿をオープンした。それまで何となくインスタグラムで撮影した写真などを載せていたが、フォロワーも多くはなかった。
が、オープンしたGWはなんと全て埋まったw
「?????」となったのを覚えてる。もちろん単価はかなり安くしてたけど、まさか本当に予約が入るとは思っていなかった。
当初はエアビーとインスタで数件ずつ予約が入った。
エンハンスの試行錯誤
そこから落ち込むかと思いきや、徐々に稼働は安定・上昇。
この時やっていたのはほぼ今と変わらなくて、インスタとGoogleリスティングで広告を出してた。
結果的に段階的に単価を上げ、最終的に一泊8万円くらいになるまでに(もちろん日によって違う)。稼働は年平均で70%くらい。これ千葉にしては異例だと思う。
価格は、理論ではなく実験の積み重ねで作っていった。
どのように試行錯誤したのかは別記事で書きますね。
コストの使い方:照明と家具、サウナに集中投資

DIYだからといって、全部を安く済ませたわけではない。
むしろ「ここは絶対にお金をかける」と決めた部分がある。
それが照明と家具、そして集客のためのサウナ。
人が一番触れる部分、目に入る部分にお金をかける。一つ20万円くらい照明も入れてます。
サウナに関しては一棟貸しには重要なコンポーネントであることはなんとく想像がついていて、ここに投資したことは結果的にも大成功でした。


建築系職種だった頃から、「うわー家具と照明だけ勿体無いな」と思う空間が個人的に多かったんですよね。
なんで仕上げにはふんだんにお金をかけるのに、FFE(家具系)にはお金をかけないの?と。
逆に、仕上げ面や工事費は徹底的に削った(人力でw)。
ほぼDIYなので、工事費2,000万円前後削減できたんじゃないかな。
まとめ:趣味がビジネスになる“別ルート”
僕らがやったのは、
仲間とDIYというよくある趣味を、本気で行動に移しただけだった。
好きだったからできたし、本当に大事な仲間とやったからできたこと。
これがお金ベースでのスタートだったら、確実に達成できなかった。
その結果、
ボロボロ古民家が
跡形もないホテル空間と体験に変わり
一泊8万円の宿になった
「こんな起業の仕方もあるの!?」
そう感じてもらえたなら、この記事の目的は達成だと思う。
※古民家ホテルは相当好きな人以外は非推奨。労力に見合ってはいない。笑
この記事が参考になったら、ぜひ保存して後で読み返してみてください。
これ系の記事を適当な文章で発信します!!

