嫉妬は、健全だ
――俳優思考・第一回
突然ですが、大滝秀治という役者をご存知でしょうか。
『北の国から』をはじめ、代表作は数えきれません。日本を代表する名優の一人です。
生前、彼はこんなことを語っていました。
「僕が30年やってきて学んだことを君たちに教えれば、君たちは僕の31年目からスタートできる。でも何もなければ、君たちは30年かけてやっと僕の30年目に辿り着くだけだ。それでは演劇界は発展していかない」
むかしは、これを聞いて、そんなに深く考えていなかったと思います。
でも今は、まったくもってその通りだなと感じています。
演劇界の発展なんて、そんな大それたことは思いませんが、少なくとも、一人ひとりの発展には何かしら貢献できるのではないかとは思っています。
ただ、正直に言うと、当時のわたしはかなりガツガツしていました。
友人が映画に出たと聞けば、
もう、嫉妬、嫉妬、嫉妬。
当時は、それを押さえつけようとしてました。嫉妬なんてするわけないじゃんって。
でも、そう考えれば考えるほど、
強固な嫉妬に変わっていくんですよ。
本当に厄介。
でもね、今になって思うんです。
それって、健全じゃないかと。
いけない事ではなくて、いけない事だと思うことのほうがよっぽどいけないのではないかって。
それよりも大事なのは、そこからなんです。そこから、どう展開させていくか。
その感情をどう扱い、どう先に進めるのか。
つまり、
「目的意識」です。
(ここ、かなり大事です)
本当に「俳優になること」そのものが目的でしょうか。
違いますよね。
多くの場合、目的は、俳優になった結果として得られる感情のはずです。
ここを取り違えると、
人は簡単に迷います。
他人の成功が気になり、
嫉妬に振り回され、
自分の足元が見えなくなる。
これは、
俳優に限った話ではありません。
仕事でも、教育でも、人間関係でも、
まったく同じです。
だから、もし今、
迷っている
比べてしまう
感情が荒れている
そんな状態にあるなら、
一度、こう問いかけてみてください。
「それで、自分はどうしたい?」
たった、それだけです。
そして、そこから始まるんです。
あなた自身の物語が。
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このnoteでは、
俳優として現場に立ち、
講師として人と向き合い、
演出や脚本を書き、
劇団を運営してきた中で
掴んできたことを、
俳優に限らず、
現場で生きている人すべてに向けて
書いていきます。
これを、
「俳優思考」と呼ぶことにしました。
この俳優思考が、誰かの何かしらになれていれば幸いです。
次回はこちら→【それでも、やってみる】
このシリーズのまとめはこちら→【俳優思考】
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