見出し画像

翻訳昔話:創業以来のお取引継続中

暫くぶりの昔話です。
いつも読んでいただき、ありがとうございます。

そろそろ昔話もネタが底をつきそうなのですが、今回は創業以来ずっとお取引をいただいているクライアントとの関係を取り上げてみようと思います。
何故、何十年も取引関係が続いているのでしょう?


前回の昔話はこちら:


前回の昔話の最後に予告した、京都の機械メーカーさんのお話です。
営業メールを送ったところ、返信をいただいたところからはじまります。

前提として、当時は営業メールに今ほど拒否感も警戒感もなく対応していただけた時代だったということがあると思います。

そしてもう一つ、そこに相手側のニーズがあった、ということです。


初面談

前回の記事に書きましたが、弊社からの営業メールに対して、「詳しい話を聞きたいから、本社まで来てくれないか」という内容の返信がありました。

お話を伺ってみると、「これまで使っていた翻訳会社のレベルが低すぎる」とお困りの様子でした。

先方からは技術部の担当者、海外営業の担当者、総務部の担当者といった顔ぶれでしたが、こちらは私一人でした。

お話を伺って提案させていただいたのは、「お試し」でした。
今風に言えば、トライアルをやらせていただいて、弊社の技量を見極めてほしいとの提案です。

結果は良好で、特に海外営業の英語も堪能なセールスエンジニアさんからは高評価をいただき、最終的には技術部長の「御社にお願いしよう」の一言で決まりました。


弊社からの提案

すぐにでも初仕事を依頼したいという、とんとん拍子の流れでしたが、弊社の取り組み方を説明して、納得してもらう必要がありました。
申し入れたのは、次の二点でした。

  • 翻訳担当者は一名専任とする

複数の翻訳者がコロコロ変わるようでは、安定した品質の成果物を約束できないので、専任翻訳者一名で対応する。
従って、ボリュームがある案件には時間がかかるかもしれないので、納期に余裕を持ってほしい。

  • 技術的な理解のために工場見学させてほしい

技術的な内容は文字だけでは理解が難しいこともあり、試運転などのタイミングに合わせて工場見学の場で具体的な説明をいただきたい。
翻訳に際して統一しなければならない用語は、工場見学のたびに蓄積し、用語集としてまとめる。

この提案に対して、技術部も海外営業も非常に好意的な対応をしていただきました。
言い換えれば、弊社に期待していただいたのかもしれません。


工場見学に通う

新しいご依頼のたびに、まずはその機械を見せていただくために何度も通いました。
現場で実機を目の前にして技術部の設計者、或いはセールスエンジニアから事細かに説明を受ければ、これ以上の勉強はありません。
具体的に機械の各部の動作を見ることで、微妙なニュアンスの翻訳が可能になります。

  • このメーカーが作っている機械の基本的な仕組み

  • 高度な技術的水準を維持している秘密

  • エンドユーザーの要求するスペックに合わせた専用設計

懇切丁寧に説明していただきました。
元々、機械が好きだったからかもしれませんが、工場見学はとても楽しい時間でした。

時には、担当翻訳者も伴っての工場見学も受け入れていただきました。


更なる提案

いくつかの案件を積み重ねた頃、新しい提案をしてみました。

同じようなフレーズは定型文としてリストにする、というものです。
前書きのような文章はそんなに頻繁に変更されるものでもなく、シリーズモデルであれば機械のスペックも数字が違う程度のものですので、使いまわしが利く表現で、技術部の担当者でも誰でもコピペすれば文面を作成できるようにしました。

翻訳会社としては、その分の仕事量は減ることになるのですが、喜んでもらえる方を選びました。


今思えば、このような取り組みが相互の信頼感を高め、信用を醸成することになったのかなと思います。

当時は英語のみのご依頼でしたが、近年は中国語や東欧圏を含むヨーロッパ言語のご依頼もいただけるようになりました。
それだけ、このメーカーも世界的なシェアを拡大されている証でしょう。

別の見方をすれば、技術に詳しくなりましたので、単なる翻訳会社ではなく専門的な話が通じる翻訳会社として重宝していただいているということにもなるのでしょう。

その結果として、長く取引関係を継続することができていると思います。


今も変わらない姿勢

クライアントに満足してもらうには、どうすればいいかを常に考えています。
いただく対価以上の満足を感じてもらえれば、続きます。
経済情勢の影響で一時的には受注量が変動する時があるかもしれませんが、他社に乗り換えられる心配はありませんからね。

今も続けているのは、クライアントごとに担当翻訳者をつけることです。

  • 第一に、品質の安定

  • 第二に、データの蓄積

  • 第三に、安心感

これに尽きます。
自分が逆の立場になれば、わかりますよね。

法人設立30年を目前に、初志貫徹、愚直にいただける仕事に取り組みます。


つづく


この記事がいいなと思っていただけたら、フォロー或いはスキをしていただけると、励みになります。
弊社へのお問い合わせがありましたら、下記からご遠慮なくご連絡ください。