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マイケル・ジャクソンに学ぶ身体操作3~体軸リズムでしなやかに体を動かす

※この記事は、深層筋や体の内部の動きを「感じてみたい」と思う人向けです。内容はやや専門的ですが、わからない部分があっても大丈夫です。紹介するエクササイズに挑戦して、少しずつ“身体の奥のうねり”の体感をつかんでいけば、次第に理解できるようになります。

前回までのおさらい

第1回では、体軸を育てるための「骨盤片側引き上げエクササイズ(基礎)」を紹介し、マイケルの“土台になる動き”を体感してもらいました。

第2回では、マイケルのダンスの秘密=深層筋 × 重心 × 体軸の繊細なコントロールを解説し、さらに Human Nature の歌フレーズを使った 応用エクササイズ① を紹介しました。

応用①を試した人は、おそらくこんな感覚になったはずです。

  • 深層筋を使い慣れていないと、この速度でも“早く感じる”

  • 軸がズレると、深層筋では支えられず、表層筋に力が入ってしまう

  • リズムに合わせ続けるのが意外と難しい

これらはすべて、リズムの感じ方が身体の深部で起きていないと出る現象です。

体軸リズムとは何か?

マイケルの身体操作の根本にあるのが「体軸リズム」です。

一言で言うと、体軸の深層筋が、複数の音やビートを同時に拾い、自然とうねりとして動いてしまう状態。

これは、骨盤・みぞおち・胸郭・頭蓋骨の付け根など、体軸をつくる部品の一つひとつが、リズムに共鳴することで生まれる微細な動きです。

外から見ると、ほとんど動いているようには見えません。
しかし、それぞれの体軸パーツが、海に浮かべたブイのように、小さなうねりとなって揺れ続けている。これは、体軸を支える深層筋が無意識の奥で目覚め、静かに動き始めることで起きています。

そのときの感覚は、動きたがっている深層筋の衝動を“あるがまま動かせてあげる”。自分が動かすのではなく、音楽が呼び起こした深層リズムに、そっと身を乗せていく――そんな感覚に近い。

この“内部のうねり=体軸リズム”こそが、マイケルの動きの起点となり、彼のすべての動作をひそかに支えているのです。

体軸リズムを引き出すエクササイズ

今回も引き続き、Human Nature を使って、体軸リズムを深める 応用エクササイズ②・③ を紹介します。

ダンス経験は不要。うまくできなくても大丈夫。
「深層筋が少し目覚める」だけでも十分価値があります。

応用エクササイズ②:骨盤 → 肋骨 → 肩の“縦の連動”をつくる

これは、身体の中心に“縦のうねり(縦方向の体軸リズム)”をつくる練習です。

やり方:

  1. 足幅はこぶし1つ分。つま先は正面、力は抜く。

  2. 片側の骨盤を、マリオネットの糸で引き上げられるようにそっと上げる。

  3. 骨盤の引き上げに合わせて、肋骨がふわっと押し上げられるように連動させる。

  4. 力を抜いたままゆっくり下ろす。

  5. 応用①と同様のHuman Nature のテンポに合わせて左右交互に。

ポイント

  • 肩を“自分で”動かさない

  • 肋骨が押し上がった“結果として”肩が上がる

  • 表層筋は脱力

縦の連動がつながるほど、体幹と肩が一本の動線でつながり、“滑らかな上下運動の芯”が見えてきます。

応用エクササイズ③:骨盤+肋骨+肩甲骨を“後ろへ滑らせる”(横波・八の字の追加)

ここからが、マイケルの内部で実際に起きている動きに最も近い段階です。

※体軸が安定していない人には難しいので、「うまくできなくてもOK」くらいの気持ちで進んでください。

やり方:

応用②の「縦のうねり」に 横方向の小さな円運動 を加えるだけ。

  • 右骨盤を上げる時 → 右わき腹の奥で“右回りの小さな円”

  • 左骨盤を上げる時 → 左わき腹で“左回りの小さな円”

みぞおちが中心となって立体的な八の字(∞) を描くイメージです。

ポイント

  • 骨盤が上がる

  • 肋骨が後ろへ引かれる

  • 肩甲骨がするりと後方へ滑る

  • これらが“ひとつの流れ”として途切れずに続く

うまくつながった瞬間、鏡に映る自分の動きに「マイケルっぽさ」を感じ、あらためて「マイケルはこんなふうに動いていたんだ」と実感できるはずです。

そして、応用③を体感し、体軸リズムの感覚がつかめてくると、マイケルが下のライブ映像(15:24~15:30)で見せる動きがよりリアルに理解できるでしょう。肩甲骨を大きく動かし、深層筋を使って足を滑らせるように四角くぬるぬると動くあの動き――まさに応用③で感じた体軸リズムの延長線上にあります。自分の体の奥で生まれたうねりと、マイケルの動きが自然に重なる感覚を味わえるはずです。(マイケルのダンスの3つの種類は第16回記事で紹介します。)


音の立体的な軌跡=体軸リズムの軌道

Human Nature を聴くと、星が降るように上へ下へ、そして横へと漂っていく“浮遊する音の軌跡”があります。
それはまるで、重力がふっと消えて、宇宙空間に投げ出されたような感覚——そんな無重力の立体感が、体の奥にそのまま写り込むのです。

マイケルの歌い方も、「ふわっと上に持ち上がり、煙のように横へ揺らめき、すっと落ちていく」という 立体的な動きそのものです。

だからこそ、みぞおちの奥で小さな∞(八の字)を描くと、音の軌跡と身体操作が一致し、一気に“マイケルらしさ”が現れます。

次回は、応用③の動きの理解が深まった人だけがわかる、マイケルが『Human Nature吐息まじりで歌ってしまう理由を解説します。
また、『Man in the Mirror』 のリズムで骨盤エクササイズをすると、なぜ勝手に脚の表層筋を使って足踏みしてしまうのか――マイケルも自然と足踏みしてしまう体軸リズムを解説します。

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