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【前編】理念を、体験に翻訳する。社内報告会を感動の「卒業式」に変えた、クラシエ×kiCkの体験プロデュース

こんにちは。kiCk inc.広報の中川です。
2025年夏、クラシエ株式会社様にて、社内アンバサダーの任期満了に伴う最終研修イベント「CRAZY KRACIE アンバサダー卒業式」が開催されました。

「CRAZY KRACIE」とは、「常識にとらわれず、新しいことに挑戦しよう」という社員のありたい姿を定めたクラシエ様の企業ビジョンです。 全国の多様な職種から集まった有志の社員たちは、そのビジョンを体現する伝道師(アンバサダー)として1年間にわたり活動を行ってこられました。
今回kiCkは、そのアンバサダー活動の集大成となる「最後の報告会」を、単なる活動報告で終わらせず、実際の学校を舞台にした「卒業式」として企画・プロデュースしました。

この「卒業式」の最大の狙いは、参加者同士の絆を深めるのはもちろんのこと、一人ひとりがビジョンを自身の「信念」へと昇華させて言語化し、現場での自発的な波及(伝播)を生み出すための起点を作ることでした。

本プロジェクトは、kiCkが広告というこれまでのフィールドを越え、新たに立ち上げた新規事業「HR事業(HR×クリエイティブ)」として手掛けた第一弾の施策でもあります。
1年間の集大成となるこの体験が、結果として参加社員の涙を誘い、現場に戻った後も自発的に組織の壁を越えたアクションを起こすほどの熱量を生み出す「きっかけ」となりました。

今回は、クラシエ株式会社 経営企画室室長 兼 D&C推進室 室長の七森 有貴さんをお招きし、kiCkメンバーとの特別対談を【前編】・【後編】の2回に分けてお届けします。
前編となる今回は、常識を打ち破るアイデアで意気投合した出会いの裏側や、わずか3ヶ月の短期間で「終わりの日ではなく、始まりの日」へと変えた緻密な体験設計、そして組織の熱量を最大化させる伴走プロセスについて迫ります!

(左から)kiCk inc. チーフクリエイティブプロデューサー 近野 未沙紀、クラシエ株式会社 経営企画室 室長 兼 D&C推進室 室長 七森 有貴さん、kiCk inc. HR事業 責任者 藤原 建佑

ラフな雑談から生まれたワクワク感。常識を打ち破るアイデアと、「本質」を突く熱量が起用の決め手に

ーまずは、今回のプロジェクト発足の背景と、インナーブランディングという重要な施策においてkiCkをパートナーに選んでいただいた経緯から伺わせてください。

クラシエ株式会社 経営企画室 室長 兼 D&C推進室 室長 七森 有貴さん

七森さん(クラシエ):
そもそもの出会いは、共通の知人を通じてkiCkの藤川さん(取締役会長)をご紹介いただいたことでした。藤川さんの周りを元気にするハッピーオーラに惹かれ意気投合したのですが、単なる友人関係からそのまま仕事に繋がったわけではありません。
キッカケは、kiCkのみなさんとオンラインで「七森の悩み事を相談する」というラフなミーティングをした時です。ちょうどアンバサダー活動の最後をどう締めくくるか悩んでいたのですが、kiCkさんから「ただ最後をセレブレーション(お祝い)するだけの場ではなく、『CRAZY KRACIEらしさ』を体感する場にしてはどうでしょう?」という視点をいただいたんです。そこで「例えば運動会のようなかたちにして、種目自体をその場で自分たちで考案してみるのはどうだろう?」といった具体的なアイデアがどんどんテーブルに上がり、まるで大喜利のようなアイデア出しが始まりました。

藤原(kiCk / HR事業 責任者):
「ゾンビ鬼ごっこ」みたいな面白い話がいっぱい出ていましたよね!(笑)
私たちがそこでお伝えしたかったのは、単に面白いイベントを企画するということではありません。既存の型を壊し、素材を組み替え、新たな体験を身体で感じること。そういった「身体知」が伴うと本当の意味でのリアルな成功体験となり、各職場に戻ってもその感覚を思い出しやすくなる、という狙いがありました。それがクラシエさんの掲げる「CRAZY KRACIE」の体感や、社員のエンゲージメントにどう繋がるかというゴールを見据えたアイデア出しでした。

七森さん(クラシエ):
そうなんです。その種目のアイデアがめちゃくちゃ常識を超えていて、ワクワクしました。「CRAZY KRACIE」とは、常識にとらわれずに新しいことに挑戦しようという社員のありたい姿を定めたビジョンです。kiCkの皆さんは、そのビジョンを本質的に突いていました。

kiCk inc. HR事業 責任者 藤原 建佑

藤原(kiCk / HR事業 責任者):
実はkiCkが提供したいバリューの中で「MAKE BUG(想定内の外側に挑む)」というものを設定しているんです。いわゆる既存の枠や既成概念のさらに外に出る、もっと何かを変えていくぞ、という姿勢を作っていくことを意識しています。

ーそこから実際にお仕事を依頼される決め手となったのは何だったのでしょうか?

七森さん(クラシエ):
一番驚いたのは、kiCkの皆さんの「企業理解の深さ」と「向き合う熱量」です。クラシエのビジョンには長い文章があり、社員でも一つ一つを読み解くのに苦労します。しかし、kiCkのメンバーは自分たちでしっかりと読み込み、解釈した上で提案してくれました。
また、これまで自分たちでも様々な施策を企画・実施してきた中、kiCkさんは、私たちがまだやったことがないアプローチで、その背景にきちんとビジョンの浸透も意図されているアイデアを提案してくれました。そこには真剣に向き合ってくれる熱量があり、「この人たちと仕事がしたい」と思えたのが決め手です。

終わりの日ではなく「始まりの日」へ。サプライズと感動を生む体験設計と伴走プロセス

ー当時のクラシエ様が抱えていたインナーブランディングの課題感について教えてください。

七森さん(クラシエ):
クラシエは薬、トイレタリー、お菓子など幅広く事業を展開しており、営業、研究、生産など様々な職種の人がいます。そのため「CRAZY KRACIE」と言われても、「ミスなく同じように生産することが使命の工場で、なぜルールの枠を超えなければならないのか」と悩む社員もいたりして、自分事化しづらいという課題がありました。
そこで手挙げ制の「アンバサダー」を募り、身近な同僚からビジョンを伝播させようとしました。しかし、アンバサダーは1年の任期制です。「報告会をして終了」となってしまえば、現場での火が消えてしまいます。だからこそ、この1年間の締めくくりとなる最後の報告会を報告で終わらせず、継続して火を灯し続ける「始まりの日」にしたかったんです。

ーその課題に対して、kiCkは「卒業式」というコンセプトを提案しました。体験の細部も徹底的に作り込まれたそうですね。

七森さん(クラシエ):
正直、最初は用意するコンテンツが多すぎて「ちょっとやりすぎなんじゃないか?」と思いました(笑)。ただ一方で、こんな素敵なことが実現できたら、間違いなく社員の感情に訴えかけられるし、一生の思い出に残るという確信も得られました。

私自身も当日は、バスの座席を飛行機のチケットのようなものを用意したり、車中でアンバサダー一人ひとりを知るクイズを出したり、皆が楽しめるようこだわりました。また、体育館での給食の時間も印象的でした。配膳係の中に「ラグビー部の息子がいるから」とご飯をめちゃくちゃ大盛りにする人がいたりして(笑)。普段の業務で社員同士が配膳し合うことなんてないですよね。皆が共通して思い出を持っている「学校」という場で、交流できる体験を作ることができて、本当に良かったなと実感しました。
みんなでカレーを食べて場が和んだ後、グループでの発表や卒業証書の授与へと進んでいったのですが、一連の流れを振り返ると「どの順番で体験を重ねれば、体験価値が最大化されるか」が緻密に計算されていたと感じます。単なるコンテンツの羅列ではなく、そうしたプロセス設計の工夫が本当に素晴らしいと思いましたね。

近野(kiCk / チーフクリエイティブプロデューサー):
七森さんから、このイベントは終わりの日ではなく、アンバサダーの皆さんが現場に戻ってからも、火を灯し続ける「始まり」にするという熱意が伝わってきたので、単なるエンディングではない「卒業式」というコンセプトに行き着きました。記憶に残る体験にするため、サプライズプロデュースを得意とするパートナー企業(SPECIAL THANKS様)とも協業し、感情を動かす演出にこだわりました。

七森さん(クラシエ):
演出といえば、私は最初に「校長先生」役を務めたのですが、広い体育館で約20人の前で「校長」役として話すのは難しかったです(笑)。
kiCkさんから私に校長先生役をご提案いただいたのですが、そこからさらにクラシエ側でも「だったら、あのメンバーには教頭先生役をお願いしよう」などとアイデアを出し合い、みんなで一緒に作り上げた感覚がすごくありました。 帰りのバスでは一人ひとりが「CRAZY」にまつわる曲を選曲し、最後に私が選んだ「終わり・始まり」という曲が、品川駅に着いた瞬間にぴったり終わるというミラクルもありました!

当日、校長先生として登壇された七森さん

藤原(kiCk / HR事業 責任者):
クラシエさんは、我々の提案した施策のみならず、ご自身たちから「学校」というコンセプトをさらに楽しむアイデアをどんどん出して実行されていて。その主体性と熱量には本当に驚かされましたし、感動しました。

ー 自由でワクワクするアイデアが溢れる一方、それを短期間(約3ヶ月)で「企業のインナーブランディング」という形に落とし込む必要があったと思います。進行やプロデュースの面で意識したことはありますか?

近野(kiCk / チーフクリエイティブプロデューサー):
私自身、HR領域の取り組みが初めてだったこともあり、最初はどこに向かったらいいか模索しながら動くという感じでした。だからこそ、クラシエさんが何を願っているのか、解像度を上げるためのヒアリングを徹底しました。

kiCk inc. チーフクリエイティブプロデューサー 近野 未沙紀

藤原(kiCk / HR事業 責任者):
近野は、クラシエさんらしさを損なわないよう、きちんと選択肢を持った状態で提案することを基本スタンスにしていました。共通の理解を持ちながら「こっちがいいよね」と選ぶことを積み上げていくプロセスを一番プロデュースしていたのは彼女です。

七森さん(クラシエ):
そのおかげでプロジェクトはめちゃくちゃスムーズでした。
普通、初めてお仕事をする会社様とは、事業内容の違いを理解してもらうまでに何年もかかるものです。しかしkiCkさんは、初めからツーカーの仲のようでした。一人ひとりがクラシエのことを研究し、真剣に向き合ってくれていたからだと思います。中には私たちのビジョンをあまり理解せず、表面的な解釈だけで提案を頂くこともあるのですが、kiCkさんはビジョンを本質的に読み解いた上で来てくれたので、「もう一度やり直し」ということが全くありませんでした。
約3ヶ月の短い準備期間でしたが、活発にディスカッションが行えました。

コンセプトに合わせて制作・配布したツール

ー短い準備期間の中で、お互いの熱量をぶつけ合いながら「ツーカーの仲」として作り上げられていった卒業式プロデュース。

続く【後編】では、いよいよ迎えたイベント当日の模様に迫ります。
卒業式を通してなぜ、参加者の心が動いたのか?HR領域の難題に、kiCkがクリエイティブの力でどう挑んだのか。
そして、1年間の活動を通じて育まれた「社員の自発的なアクション」が、卒業式を経てどのように現場で継続され、組織の壁を越える本質的な変化を生み出しているのかについてじっくり伺います。

▶ 後編の記事はこちら

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