【後編】理念を、体験に翻訳する。社内報告会を感動の「卒業式」に変えた、クラシエ×kiCkの体験プロデュース
こんにちは。kiCk inc. 広報の中川です。
クラシエ株式会社様のインナーブランディング施策「CRAZY KRACIE アンバサダー卒業式」の裏側に迫る、特別対談。
後編となる今回は、アンバサダーたちの1年間の想いを引き出すために設計された「感情を動かすワークショップ」の意図や、参加者の感動の理由について深掘りします。さらに、1年間の活動を通じて生まれつつあった「組織の壁を越えた自発的なアクション」が、「卒業式」を起点にどのように具体的な行動へと結実していったのか。現場の熱量がもたらした「自発性の連鎖」についてお届けします!
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「正しさだけでは人は動かない」HR×クリエイティブの哲学と参加者の涙
ー迎えたイベント当日、アンバサダーの方々の熱量がグッと上がった瞬間はどこでしたか?


七森さん(クラシエ):
自分が大切にしている価値観を言語化し、水彩画で「プロミスカード」を作成して発表(宣言)するワークショップです。自分の価値観や強みを見つめ直し、覚悟を決めてもらう時間になりました。出来上がったカードのクオリティも、私が予想していたものを大きく超え、一人ひとりの個性が表現された素晴らしいものでした。また、参加者全員のカードを集めるホルダーも用意し、同じ志を持つ仲間がいることをいつでも思い出せるようにしたのも良かったと思います。


各アンバサダーが周りのメンバーにも配布し、現場への波及を促せるよう名刺化した。
ーkiCkとして、この「言語化(宣言)」のワークショップにはどのような意図があったのでしょうか?
藤原(kiCk / HR事業 責任者):
私自身が社内でHRの活動をしているからこそ、「正しさだけでは人は動かない」ということを痛感しています。だからこそ、「HR×クリエイティブ」という事業を立ち上げたのですが、組織は人が動いて活性化するものなので、広告クリエイティブのようにアテンション(注目)を集めるだけではなく、HRでは「いかに自分ごと化してもらうか」が重要なんです。
やはり会社のイベントは、たとえアンバサダーであっても受け身になりがちですよね。皆さんはビジョンを頭で深く理解している「言語知」の状態ですが、自分が気づいた「私のCRAZY KRACIE」を体験として身体に刻み込む「身体知化」をしてもらうことが企画の裏側の狙いでした。
ー頭での理解を「身体知」へと変えるためのプロセスとして、なぜ「宣言」というアクションに着目されたのでしょうか?
藤原(kiCk / HR事業 責任者):
そこに「宣言」を取り入れた背景には、私自身の強烈な実体験があります。私は自社で人事も担当しておりコーチングを実施しているのですが、かつて自身がコーチングスクールで目標を「宣言」した際、言葉にした瞬間に震えるほどの体験をしたんです。ただ頭で考えているだけでなく、自分の口で「宣言」することで、身から湧き出てくるようなすごいパワーを感じました。言葉が自分自身に深く宿る感覚があり、それが無意識のうちに自分のその後の行動を変えていくプロセスを身をもって体験しました。だからこそ、頭で理解している「言語知」を「身体知」に変えるためには、あの場で皆さんに覚悟を持って「宣言」していただくことが絶対に必要だと確信していました。
ーなるほど。「身体知化」や「宣言」を促すために、具体的にどのようなアプローチで体験を設計しましたか?
近野(kiCk / チーフクリエイティブプロデューサー):
事前に価値観を言語化し、当日は水彩画で表現し、最後にみんなの前で宣言するというように、一つのテーマに様々なアプローチで「何度も擦る(向き合わせる)」プロセスを設計しました。コピーライティングやデザインといった我々が普段よく使う広告手法を、HRの文脈にうまく置き換えたことが、クリエイティブエージェンシーらしい仕掛けですよね。
七森さん(クラシエ):
会社が用意したビジョンを「自分ごと化」するのって、本当に難しい。
同じ社内であっても、立場や状況によって情報の受け取られ方は異なりますし、一斉に『態度変容』を促すことは、本当に難易度が高い課題なんです。でも、そこは絶対にやらなければならない。
そこで一番大事なのは、「自分が大切にしている価値観」と「会社のビジョン」をどう結びつけ、重ね合わせていくかだと思うんです。 kiCkさんは、まさにそのプロセスをワークショップとして一緒に設計してくれました。だからこそ、参加者が「私にとってのCRAZY KRACIEはこれだ」と本当に腹落ちして、次のアクションに繋がっていくのだと思います。
ープログラムの最後に上映された「振り返りムービー」にも、そうした仕掛けや意図があったのでしょうか?
藤原(kiCk / HR事業 責任者):
はい。この振り返りムービーは、単にエモーショナルに盛り上げるためだけのものではありません。プランナーの佐内が「一人ひとり違うCRAZY KRACIEでいいんだ」という「個」が「束」になった時の感動を呼ぶことで、次のアンバサダー募集や参加しなかった社員にとっても「こういう解釈でいいんだ」という指針になることを、特にこだわって企画していました。
その意図をやり切り、七森さんをはじめクラシエの皆さんが「それいいね」と受け入れてくださったことが、成功に行き着いたのだと思います。
ー実際に、参加者の心が動いたと感じたエピソードはありますか?

七森さん(クラシエ):
意外なメンバーが最後に涙を流していたのは驚きました。
彼はとてもクールで合理的に仕事を進めるタイプの方なのですが、ご本人も「仕事でこんなに感情を入れたことはない」と言っていました。
私自身も、最後に流れた1日を振り返る動画を見て感動しました。1年前のキックオフの時は自信なさげだった社員たちが、動画の中ではビジョンを自分事化し、本当に誇らしく語っていました。人が変わったというか、成長した姿を目の当たりにして涙が出ました。
アンバサダーが育んだ熱量の波及。組織の壁を越え、社員の「自発性」が連鎖する現場へ
ー「卒業式」を経て現場に戻られたアンバサダーの皆さんの熱量は、その後組織にどのような影響や広がりをもたらしているのでしょうか?
七森さん(クラシエ):
最も大きな影響は、1年間のアンバサダー活動を経て生まれた事業会社(カンパニー)間の壁を越えた自発的な交流が、「卒業式」を経た今も活発に継続し、組織全体に波及していることです。
実はこの1年間のアンバサダー活動を通じて、すでに現場の社員が自ら「他の工場のクレイジーなポイントを見つけたい」と声を上げ、違う工場同士で技術やメソッドを紹介し合うような施策が動き始めていました。クラシエはシャンプー、漢方、お菓子など工場ごとに作っているものが違い、かつては交流しようにも何層もの承認プロセスが必要で煩雑でした。その上、そもそも与えられた役割を超えて行動するのは大変なはずですが、それを実行するだけの熱量と、周りを巻き込む力がアンバサダーたちに育まれていたのだと思います。
今回、私たちがkiCkさんにオーダーしたのは、まさにこの火を絶やさず、最後の報告会を「終わりの日」ではなく「始まりの日」にしてほしいということでした。その狙い通り、「卒業式」が彼らの心に火を灯すきっかけとなり、現場に戻った後もその自発的なアクションが途切れることなく続いています。彼らの熱量に引っ張られるように、会社自体もそういった挑戦を全面的に応援するムードになりました。

さらに、卒業式の後、私の部署のメンバー(5名中3名)から「来期のアンバサダー制度の運営を手伝いたい」「メンター制度を手伝いたい」と自発的に手が挙がりました。経営層からのトップダウンではなく、社員の自発的な発信から組織が動くようになったのは画期的なことです。
クリエイティブの力で「人と組織」を変える、kiCkのHR事業が目指す姿
ークライアント様視点で、kiCkの強みや価値はどこにあると思われますか?
七森さん(クラシエ):
大きく分けて2つあるかと思います。
1つ目は、個人の能力の高さと、それを掛け合わせるチーム編成力です。
クリエイティブのアイデアを出す人、プロセスを考える人、メッセージを考える人、それぞれのスタッフが強みを発揮し、最適なパートナーも巻き込んでプロジェクトをプロデュースする力が圧倒的でした。
2つ目は、「1人1人の熱量がめちゃくちゃ高い」ことです。
クラシエに向き合う真剣さや思い入れが尋常ではありません。他社の仕事に対して、ここまで思いを入れられる人たちをアサインできる会社は他にないと思います。この能力と熱量の掛け算こそが、kiCkさんの最大の強みです。
ー HR事業として手掛けた第一弾のプロジェクトでしたが、HR事業 責任者である藤原さんとしての今回の案件への思いと、今後のビジョンについて教えてください。

藤原(kiCk / HR事業 責任者):
私はこれまでクリエイティブの仕事を通じて、商品やサービスをいかに世の中に伝え、企業を強くしていくかというプロデュースを行ってきました。
今回、その「クリエイティブの力で課題を解決し、興味を持ってもらう」という基本的なフレームを、「人と組織」に向けてみたらどうなるだろうか、という点に強い意義を感じてスタートしました。 だからこそ、ただのイベントではなく「参加者がどういう場になれば何を感じ、何を持ち帰ってくれるのか」ということに徹底的にフォーカスさせていただきました。
今後のビジョンとしても、「HR×クリエイティブ」を掲げ、クリエイティブの力で人と組織が動く仕組みをデザインしていくことで、企業の未来をつくるお手伝いを続けていきたいと考えています。
ー最後に、クラシエ様が今後叶えたい未来について教えてください。

七森さん(クラシエ):
社員一人ひとりがやりがいを感じて働ける会社へと変革していきたいです。そのためには、個々の価値観や置かれている状況の違いを認め合うダイバーシティの観点が不可欠です。「CRAZY KRACIE」の実現とダイバーシティを融合させることで、本当にやりがいのある会社を作っていく。それがクラシエの未来だと思っています。

インナーブランディングという正解のない領域において、kiCkは単なる「イベント運営」ではなく、「社員の心を動かし、行動を変える」本質的な体験設計を提供しました。
『正しさだけでは人は動かない』というHRの難題に対し、参加者自身が『自分ごと』として宣言し、体験として身体に刻み込むプロセスを徹底的にデザイン。それが彼らの心に改めて火を灯し、組織の壁を越えた自発的なアクションが連鎖していく『始まりの日』へと繋がりました。
「自社の理念が現場に浸透しない」「社員のエンゲージメントを高め、自発的なアクションを生み出したい」「現状を打破する、常識を超えたアイデアが欲しい」 そんな課題をお持ちの企業様は、ぜひ一度kiCkにご相談ください。
私たちが、貴社の想いを深く読み解き、想像を超える「変化」を形にするプロセスを共に伴走いたします!
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