〜キキキキキック vol.3〜 コピーライター 坂井大生
こんにちは。
恵比寿のクリエイティブフォースカンパニーkiCk広報の中川です。
kiCkメンバーのワクワクを紐解くインタビュー企画『キキキキキック』第3弾をお届けします!
今回はプランナーという経歴からコピーライターとしてkiCkに飛び込み、今最前線で大活躍中の坂井 大生(さかい たいむ)さんです。
飄々とした雰囲気がありながら、社内外からその実直で的確な仕事っぷりを評価する声がよく聞こえてくる大生くん。そのバックグラウンドと現在地に迫ります。
自分のアイデアに、人はどんな反応をするのか。

生まれは長野です。子どもの頃はずっと野山を走り回って、のびのびと生きていました。虫を採ったりサワガニを捕まえたり。なので性格も、割と“前へ前へ”な感じで。中学の時に埼玉に引っ越したんですが、都会と田舎の違いにカルチャーショックを受けたことを覚えています。それと、越した先の中学校がめちゃめちゃ荒れていて。校門にバイクが集結していたり、週一度は警察が来たりするみたいな。そんな中でこれまで通り“前へ前へ”で生きていたらヤバいなって思って、こっそり生きるようになったんです。子どもながらに自分の性格が捻じ曲がっていくのを感じましたね。
そんな頃にハマったのが「ラーメンズ」でした。小林賢太郎さんが大好きで。通学圏内にたまたま片桐仁さんの出身校があったので、高校もそこに決めました。高校では友達とふたりで演劇部を作って、ラーメンズをパロディーしたような舞台を学祭とかでやっていましたね。20分、30分ずっと、ただふざけているだけって感じだったんですけど、おもしろかったんです。自分がおもしろいと思ってやったことが、ちゃんとその瞬間にリアクションとなって返ってきて。自分のアイデアを形にして、自分の考えたことで人がどんなリアクションをするのかを見る。そういうことがやりたかったんです。
“言葉”を中心にして発想を広げるコピーライターへ。

将来やりたいこととか、ずっとなくて。でも、ラーメンズ的なことをやりたいとは思っていたので、自分がおもしろいと思うものを形にするみたいな事が学べるといいなと思って、大学は早稲田の文化構想学部に入りました。そこで美術とか哲学とかイメージ論とかいろいろと学ぶ中で、自分は実際にモノを作るというよりは、作った作品を人がどう見るのかとか、世の中の考え方にどんな影響を及ぼすのかとか、そういう事に興味を持つようになりました。
昔にパルコ出版から出ていた「ビックリハウス」という雑誌があったんですけど、父親が愛読していた影響で僕も小さい頃から読んでいて。そこで糸井重里さんという不思議なおじさんの存在を通してコピーライターや広告という仕事をなんとなく知っていたのもあって、大学3年の就職を意識しだすくらいのタイミングで広告雑誌の編集部でアルバイトを始めたんです。仕事のついでに業界の動向や面白い広告事例に触れることができたので、広告という仕事自体への興味は高くなっていたと思います。その後、いよいよ就職の時期がきて。とにかく働きたくなかったんですけど、こうした体験もあったので、好きで学んできた事に近いところだったら多分やれるかなと思って広告代理店に入りました。
クリエイティブ希望だったんですが、配属はストラテジックプランナーでした。ストプラって何?からのスタートでしたが、提案の核となるコミュニケーションコンセプトを立てるという業務にひたすら取り組んで6、7年が経った頃、転職を考え始めました。転属という方法ももちろんありましたが、コピーライターという職種に変わるなら、思い切って環境も変えてみようと思いました。ここでも一貫してラーメンズなんですが、彼らも“言葉”を使って新しい考え方を見せていくというのが得意な人たちだったから、僕も言葉を中心にして何かを発想していくコピーライターという仕事をやってみたかったんです。ストプラもチーム全体が動くための方針を言葉で定める役割だったので、コピーライターに通じる修行としても意味があったと思っています。

コピーライター未経験からの再スタート。
コピーライター歴=kiCk歴で、まだ3年ぐらいしか経っていないんですけど、印象に残っているのが柏市の案件です。自分が書いたコピーからデザインチームが発想したり、それが起点となって動画の企画につながったりという体験ができて。クライアントから選ばれるというのも大事ですけど、チーム内で自分のコピーが、アウトプットの一歯車として機能させることができて良かったなって思いました。
コピーは、人の心理を言い当てることで深みを出していくのも技術だと思うんですけど、そういう部分もありつつ、もうちょっと軽やかに世の中を言い当てるみたいなのも大事だと思っていて。そういうのがちゃんとできたのが「かしわでビューン!」だったと思います。

あと印象深いのは、Schickの案件です。
ストプラを経たからかもしれませんが、僕はコピーを理詰めで考えてしまう癖があったんです。解決しなきゃいけないことがこれで、そのためにはこういう変化を起こさなきゃいけなくて、そのためにはこういうことを言わないとって。先輩からはことあるごとに「もうちょっと左脳から離れて考えた方がいいよ」とアドバイスをいただいてました。そこで、クライアントからのオーダーとは別に「いち、にの、サロン肌」というコピーを書いたんです。
広告の目的からは少し距離を置いて好き勝手に考えて。それで、このコピーがいいからとノリで提案したら、クライアントもおもしろいと言ってくれて。3ステップのHow to ビジュアルとして形になりました。仕事なので理屈で良し悪しが決まることが多いですが、これはクライアントも “なんとなくいいよね”って感じられたのかなと思っていて。僕はそれが一番大事なんじゃないかって個人的に思っているんです。説明できないけどいいっていうのは、多分世の中の人にとっても機能していくものなんじゃないかと思うので。

kiCkを転職先に選んだ一番の理由は、コピーライターとしてとにかく場数を踏めそうって思ったからです。当時プランナーだった僕をコピーライターとして採用するというスタンスからも分かると思うんですけど、「やりたきゃやってみろ」って感じのところなので。
kiCkの仕事の仕方で思ったことは、人との距離が近いことです。チームの中でもみんなカジュアルに意見を交わすし、特にデザインチームとは打ち合わせ以外の場でもクイックに会って話しながら、アイデアを磨き上げることが多いですね。また、クライアントとのやり取りも密です。クライアントのやりたいことと、kiCkとしてはこれがいいということを何度も擦り合わせながら進めていく。そんな日々の中で最近は「人間との対話力」の必要性を身に沁みて感じています。他人の内面的な気持ちにあまり関心を持てないタイプだったのですが、kiCkでの対話を重ねる中で、「何を思ってその発言をしているのか」という心の機微を考えるようになりました。ちょっと痛い30歳かもしれないですけど。

さまざまな環境や自分の変化をポジティブに受け止めながら成長を続けてきた大生くん。その変化を力に変える才能は、あらゆるコミュニケーションを通して企業に新しい変化を提供するkiCkにおいても遺憾無く発揮されています。そして、コピーライター以外にも経験豊富なストプラとしてや、アクティベーションや動画のプランナーとしてなど、幾つもの顔を使い分けながら活躍の場を広げる彼は、今やkiCkになくてはならない存在です。
◼️プロフィール

坂井 大生 Time Sakai
Copywriter
1995.02生まれ
総合広告代理店にてプランナーとして幅広い業種のクライアントを担当しつつ、コピーも齧りながら過ごしたのち2023年よりkiCk inc.に参画。田舎生まれ男子校育ち。ラーメンズ好きはだいたい友達。松本大洋の『ピンポン』がバイブル。迷ったときは、正しい方より、笑える方へ。
編集後記)
今回はタイムくんもよく訪れるという下北沢で撮影しました。
大好きなラーメンズが公演をしたこともある劇場や、新しくできたおしゃれなカフェをお散歩。ノリでプリクラを撮ってカレー食べて解散という、まるで友達と週末をすごしたと錯覚するような夏の昼下がりの思い出です。
撮影・デザイン:kiCk inc. Chief Designer 杉野 百香
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次回もお楽しみに!
