【30年前のナニソレ怪談】

はじめに
こんにちは、トミボーディです。
今回はフリースクール時代のS先生と20年振りに再会し、亡き校長先生の弔いの熊野伊勢詣りの際に、S先生から聞き取りしたお話です。
今から約30年前にS先生のお姉さんが体験した不思議な怪談?奇談です。
だいぶ昔の話になりますので聞き取りした際に少し整理をし直し構成を変えて収録しております。
それでは、みなさんとともにこれから摩訶不思議な奇談怪験の世界を巡っていきましょう。
お姉さんの帰宅(?)
S先生がまだ高校2年生くらいの頃、先生には大学生のお姉さんがいたそうで、まだ学生やったけど結婚をしておりお腹には子供を宿していたそうや
お姉さん夫婦が住んでいたのは関西のI市にある2DKのハイツ
旦那さんは土木関係の仕事をしていた
事件が起きたのは、ある夏の暑い日の夕刻やった
7月の夕方やからまだ外は明るくてだいたい17時くらいやったと思う
四つ並んだ部屋の一番端がお姉さんの住んどる部屋やった
階段を登り、部屋の前について違和感に気がついたんや
出かける時には消していた明かりが小窓からはっきりとみえる
(...?変やなぁ..)と思い玄関の鍵を開け中に入った
ガチャ
やっぱりライトが点灯しとるし、それどころか出かけるときには散らかっていた靴も、綺麗に揃ってある
それだけやない、廊下の向こう側、ガラスの引き戸の奥からテレビがついている音が聴こえてくる
(何かがおかしい..)
違和感を感じつつ廊下の突き当たりまで歩きガラスの引き戸をガラガラと開けてみる
そこには──
自分自身が座ってテレビを見ていた
茶の間に座ってテレビをじっと見ている「自分自身」の背中がありありと目の前にある
服装もその日に着ていたマタニティドレスにジーンズ、もちろん髪型も同じ
思わずその場で腰を抜かしてガタガタ震えてしまった
しばらくしてからお姉さんは少し冷静さを取り戻してきて、ふとこんなことをおもう
(怖いけど自分やんか、どうてことはない)
腰を抜かしてたこともあり、四つん這いになりハイハイをしながら引き戸のレールを越え、ちゃぶ台のそばに来た辺りで、もう1人の自分が何か喋ってることに気がつく
「ガタガタガタ..ゴトゴトゴト..」
「ガタガタガタ..ゴトゴトゴト..」
(なに?なんかいうてるやん)
恐る恐る、もう少し近づいてみると
「ガタン...ゴトン」
「ガタン ...ゴトン」
もう1人の自分がテレビに向かってそう呟いている
怖さもありお尻に体重をかけるような形で半身引いた状態のまま、少し、また少しと近づいてみる
手を伸ばせば届く距離まできた
やはりまだブツブツとガタンゴトンとテレビに向かって呟いている
(ほんまにこれワタシなん? 顔、覗いてみるか)
そう思ってお姉さんは斜め45度くらいまで近づいた
するともう1人の自分が急にお姉さんの方へ振り返り
突然
「ドーン!!」
と叫んだ
お姉さんはうわぁーと驚きその場で気を失ってしまった
次に気がついたのは夜の20時あたり
旦那さんが帰宅したらお姉さんがリビングで倒れているので叩き起して
「お前何しよんや、大丈夫か?ドアもカーテンも開けっ放しやないか」
落ち着きを取り戻してから旦那さんに先程あった話をした
旦那さんも驚きながら話を聞いてくれたという
早朝のホーム
あの7月の出来事から1ヶ月程たった8月のお盆が過ぎたころ
その日は朝から旦那さんとお出かけの予定やったが旦那さんに急用が入り行けなくなった
前から予定を組んでたこともあり、お姉さんはぷんぷん怒ってしまい、一人で映画を観に行くことにし、自宅からしばらく歩いたところの駅へ向かう
お姉さんの最寄りの駅はいわゆる普通電車しか停車せず、快速急行などは通過する駅やった
朝の7時過ぎという事もありラッシュでホームは混雑していた
ホームで電車を待つ為、4列目にお姉さんは並んだ
朝とはいえ夏の暑い盛り、ラッシュで混雑したホームは熱気もあり早く電車こうへんかなと思っていた
そうこうしてると線路の向こう側から快速急行がホームに入ってくるのが見える
いよいよホームに電車が入ってきて駅員さんが
「下がってくださーい!」とアナウンスする声が聞こえる
ぞろぞろぞろ..と自分達の列も後方へと下がる
すると自分の前から2人目の男性が横に一歩踏み出てそのまま目の前で快速急行に飛び込んだ
ファーン!という凄い警笛がホームに鳴り響く
ドーン!!
その男性は電車に轢かれたという
あの日、自宅で”もう一人の私”を見た角度も約45度
そしてあの朝、快速急行に飛び込んだ男性を見た角度も、まったく同じ45度だった
そして、あの「ドーン!!」も──
あの自宅にいた"もう1人の自分"はこの出来事を報せにきてたのか
はたまた未来への警告だったのか
今思い出すだけでも背筋が凍る思いだと後日、お姉さんがS先生に話してくれたという
考察
この話をS先生が私に聞かせてくれた際に
「ドッペルゲンガーって信じる〜?」
と聞いてきたのですが、この話を聞いた後少し違和感があった
いわゆるドッペルゲンガーといえばもう一人の自分と会うと"死んでしまう"というイメージがあるからだ
お姉さんは現在もご存命だし、この不思議な体験の後にお子様を無事出産されている
どうもこれはドッペルゲンガーとは違うなにかな気が私にはしていた
お姉さんはいまでもトラウマで話すこと自体いやがるくらいなので相当な体験ではあるのだけれども、私はふとある可能性を考えた
お姉さんが帰宅した時には消したはずの明かりが点灯しており、脱ぎ散らかした靴は綺麗に揃えてある
テレビは電源がついており、お姉さんが気絶したあと旦那さんが帰ってきたらバラエティー番組が流れていたという
その前提を踏まえると、そもそも帰宅をし部屋でテレビをつけてウトウトして眠りについた時にものすごくリアルな予知夢、もしくは正夢を見たのではないか?と考えた
ただ旦那さんが帰宅した時に靴は揃えてあったのか、ということまではS先生もお姉さんに確認してないから確実に予知夢もしくは正夢だったかは断言はできない
しかし仮に予知夢だとしても結局ナニソレであることには変わりはない、そういう怪談というか奇談でございました
もし皆さんで実はこうなんじゃないか?という考察がありましたらコメント欄にお願いいたします!
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※この記事は2026年春に筆者が取材した内容に基づいています。
人物名、地域などは個人情報保護のためアルファベット表記及び一部変更を加えています。
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