GWS vs MS365 vs JustOffice(後編)
このnoteは、特別なスキルや資格を持たない「普通の公務員」が、日々の業務で奮闘する経験談です。平凡な職員がもがく試行錯誤の記録として、気軽にお読みください。
さて、後半戦。それぞれの事例発表を踏まえ、各オフィススイートを比べた感想を書いていきたいと思います。
(タイトルに挙げた順番と異なりますが、ご容赦ください。
1.JustOffice
MS Officeの代替ツールとして、真っ先に名前が挙がるのではないでしょうか。ご紹介いただいた内容によると、令和5年度の調達実績で、LTSC版と比較して費用が6割減になったとのこと。 新しいJUST Officeが値上がりしたので価格差は多少縮まったかもしれませんが、MSも負けじと値上げしているので、同程度の費用対効果は引き続き期待できると思われます。
価格が安いのにサポートは長く、さらにPDF編集ソフトやATOK、一太郎花子などが付属するのは、かなり大きなアドバンテージですよね。 発表された自治体様では、数千万円単位のコスト削減に寄与したとのこと。正直、複雑なマクロにさえ目をつぶれば、管理のしやすさも相まって、代替製品の最有力候補とも言えます。
弊社でもJUST Officeを代替手段として検討しています。(以前、価格改定で一度は頓挫したものの、「やはりトータルコストでは最も安く収まるのでは?」と考え直し、検討を再開しているところです。)
なお、弊社では3年ほど前に長期間のトライアルをさせていただいたことがありますが、その実体験から言えば、ファイルの表示ズレはほぼありません。 Word、Excelがそのまま違和感なく使えます。
そして、後述しますが、少しくらいずれたっていいじゃないですか。 活断層はずれてはいけませんが、互換ソフトとカツラは多少ずれても良いのです!
複雑なマクロの問題をクリアできれば、MS Officeの完全な代替になり得ます。 ATOKの使いやすさは最高ですし、PDF編集ソフトも重宝します。 個人的な意見ですが、一太郎も非常に使いやすいです。Wordと比較すれば「あれが違う」「これが違う」という意見は出るでしょうが、単体の文書作成ソフトとして見ると、非常によく考えられており、決して悪くありません。
ただ、大変申し訳ないですが、一太郎はこれら全てのメリットを吹き飛ばすほど、「一般的に使っている人がいない」という現実があり、組織全体での導入には至っていないのが悲しいところです。

2.MS365
続きましては、MS365です。 発表では、まず組織全体の業務変革について説明があり、その実現手段の一つとしてMS365を導入したとのことでした。最初からMS365に決めていたわけではなく、提案型の調達を行った結果、MS製品が選ばれたそうです。 ということは、やはりMS365はツールとして非常に魅力的なのでしょう。
ご紹介いただいたメリット・デメリットについて、私の個人的な感想は以下のとおりです。
メリット
完全な互換性
今までと変わらない操作感
非常に高機能
デメリット
非常に高額かつ数年ごとに値上げされている
「高機能」は「使わなければもったいない」ことの裏返し
設定が複雑で、間違えるとインシデントの原因になる
システムを運用する職員にも高度な知識が求められる
デメリットが一つ多いですね。(意図的です)
屁理屈を言うわけではありませんが、メリットのうち上の2つは「今までと変わらない」というだけで、厳密にはメリットではありませんよね。Microsoftの方針転換に振り回され、代替を検討せざるを得ない状況になったからこそ、メリットのように映っているだけです。
そしてデメリット。高額であることは今さら掘り下げませんが、「高機能は使わなければもったいないことの裏返し」という点が、実は結構重いのではないかと感じています。 現状、Officeソフトだけを使っている職場にとっては、TeamsやSharePoint、OneDriveなどを活用しなくても、業務は普通に回ります。 ただ、そのやり方を続けていると、いつか人口減少に伴う職員不足などで立ち行かなくなるため、今のうちから対策が必要です。 人口減少に比例して職員数が減る可能性はあっても、仕事量がそれに比例して減ることはまずないでしょう。
こうした課題はどの自治体担当者も認識していますが、働き方改革とセットでMS365導入に踏み切るための勇気と知識が、特に小規模自治体には不足しており、決断が難しいと思われます。(偉そうに言っていますが、弊社も似たようなものです。) 強いて言えば、Google WorkspaceはMS365より検討すべき事項が少なかったため、「えいや!」で導入できた部分があります。
また、運用に高度な知識を求められるのも厳しい点です。人事異動で担当者がリセットされがちな役所組織に、それを求めるのはなかなか酷です。
かと言って、異動した前任者にいつまでも管理権限を持たせるのは望ましくありませんし、専門人材を新たに雇用するのも簡単ではありません。
「甘えるな!」と言われそうですが、最近まで全く畑違いの業務をしていた職員にそれを求めても、無理なものは無理ですし、それでインシデントを発生させて処分を受けるのはその職員自身です。 この点は、組織として真剣に考える必要があると思います。
…うーん、結構八方塞がりな気がしますね。 それでも、MS365の「高機能」という部分は魅力的です。
国の説明会などでは、一つのファイルを複数人で同時に編集している様子が映ることもあります。 Windowsを使う以上、MS365で環境を統一するのが理想的なのは間違いありません。先進的で効率的な働き方ができるはずです。
ですが、同様の働き方を実現しようと思うと、様々な点でGWSの方が優位になると、私は思います。(同時編集機能だけでなく、総合的に見てです。)
というわけで、最後にGWSの話です。
3.GoogleWorkspace
弊社もGoogle Workspace(以下、GWS)を導入していますが、今回は同じく導入済みの県外某市の担当者様にお越しいただき、まるでGoogleの営業担当者のようにその魅力を紹介していただきました。 参加者は目を輝かせて聞いていましたが、既に使っている僕も、改めてその良さを実感し、同じように目が輝きました。
まず、GWSは開発思想が根本から違います。「本当に効率的な働き方とは何か」を突き詰めているのだと、使うたびに感じます。 紹介では、単体のオフィスツールの話ではなく、カレンダーやGmail、ドライブといった各種ツールとの連携の素晴らしさにスポットが当たっていました。 そのため、単純なオフィスツールの比較にはなりませんでしたが、それを差し置いても「やっぱりGWSはいいな」と思えました。
GWSもJUST製品同様、完全なMS Officeの代替にはなり得ませんが、9割程度の業務は問題なく代替できます。 ですが、JustOfficeよりも表示のズレは大きいですし、一部の操作方法や機能面でも違いが目立ちます。(これは事実です。)
なので、実際に画面を見せると、「これはだいぶずれていますね」と懸念を示す人は少なくありません。そこで僕は反論します。
「でも、内容は伝わりますよね?」と。
GWSのような互換ツールの導入には、この「伝わるかどうか」を基準にする考え方への転換が不可欠です。表示がずれたから、一体何だと言うのでしょうか。 私自身も最初は抵抗がありましたが、すぐに慣れました。 「もし支障があれば、先方から何か言ってくるだろう」と。
ずれが許されないものが出てきたときはMS Officeを使えばいいのです。
例えば、会議の出欠報告において、Word文書で「『参加・不参加』のどちらかを◯で囲んでください」と依頼されることがあります。
GWSはこの図形描画が非常に面倒です。
僕の場合、参加するときは「不参加」の文字に取り消し線を引く方法で返信しています。 全ては「意図が伝わればいい」という考え方です。
導入して1年近く経ちますが、この件を含め、何かを指摘されたことは一度もありません。意図がきちんと伝わっているからでしょう。 もしかしたら、取りまとめる先方に迷惑をかけているかもしれませんが、そんなに細かいことまで気にする必要はないと思います。
繰り返しますが、支障があれば先方から指摘があるはずなので。

まとめ
ここまで、MS Officeの代替ツールの可能性について、頭の中を整理しながらまとめてきました。基本的には代替して終わり、とはならないことが分かると思います。(JustOfficeだけは代替して終わり、にできますが。
特にMS365やGWSは、コストが現状より大幅に増えるため、どうしても費用に見合った効果が求められます。しかし、その効果測定には「業務改善で削減できた人件費」や「ペーパーレス化で削減できた印刷費」など、直接的な算出が難しい指標が関わってきます。
結局のところ、オフィススイートの選定は、単なる「ソフト選び」ではありません。「自分たちの組織が、将来どのような働き方を目指すのか」というビジョンを問う、経営判断そのものなのだと思います。
現状維持とコスト削減を両立させるのか
大きな投資と学習コストを払ってでも間違いのない、かつ、高機能な環境を手に入れるのか
ツール導入を機に組織の文化や仕事の進め方そのものを変革する道を選ぶのか
どの選択肢にも一長一短があり、絶対的な正解はありません。
だからこそ、各組織が自分たちの現状と目指すべき未来を真剣に考え、議論を重ねていく必要があるのでしょう。
と、生成AIの力を借りてうまくまとまったので今回はこのあたりで👋
