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わたしの創作変遷〜自分の本をつくるまで〜

Webを中心に作品を公開し始めて5年。ひとつの区切りとして、いつかつくれたらいいなと思っていた自分の本をつくりました。

タイトルは『なんでそんなこと急に言うん?』。25の大切な思い出や笑い話を詰め込んだエッセイ&短歌集です。文学フリマ東京39 ブースO-10で頒布し、BOOTHで通販も行います。

※現在は全国の一部書店でもお取り扱いがあります。▶︎https://note.com/kiizukimaho/n/nab3873bd16d8

ブックデザインを担当してくださった小月デザインのはちみつちひろさん曰く、「くすっとしてわかる〜っとなってギュッとする」本だそうです。

先に読んで実況中継をしてくれた妹は、「じーんとして泣いてしまった」「電車で読んだら笑いを堪えるのが大変だった」「どんどん先を読みたくなる」「ずっとねえちゃんにしゃべりかけられている感じがする」など、いかにも本の帯に書かれていそうな感想をいくつも送ってくれました。

さらに一部のエッセイについては、どういう意味か定かではありませんが「ヤバい人じゃんって思った」そうです。Web上だったら書かなかっただろうな、書けなかっただろうな、と思うような内容もこの本にはたくさん綴っています。

ふだん本をあまり読まない方や、短歌になじみがない方、わたしのことを一切知らない方でも、さくっと読み進めることができる親しみやすい内容・文体になっていると思います。ぜひ気軽にお手に取っていただけるとうれしいです!

エッセイ&短歌集『なんでそんなこと急に言うん?』
文庫本、242頁、1,200円
文・装画・挿絵:奧村真帆
デザイン:はちみつちひろ(小月デザイン)

<文学フリマ東京39>
日時:2024年12月1日(日) 12:00〜17:00
会場:東京ビッグサイト西3・4ホール
入場料:1,000円
奥村真帆のブース:O-10
Webカタログはこちら

(以下おまけ)
せっかくの機会なので、これまでどんな気持ちで創作を続けてきたのか、今回どうして本をつくる選択に至ったのかについてまとめてみます。


2019年:エッセイを書き始める

私が創作活動を本格的に始めたのは5年前。フリーランスになったのを機にnoteでエッセイを書き始めたことがきっかけでした。

運良くnote主催のコンテストで賞をいただいたことで、調子に乗って定期的にエッセイを公開するようになり、その後も書籍掲載などの機会をいただきました。noteのエッセイを読んでくださった方からお声がけいただき、2020年の春から4年間、Webメディア「アイスム」さんで食べものエッセイを連載しました。

ただ、Web上でエッセイを公開すれば公開するほど、自由に書けなくなっていく感覚がありました。いいね数などの数字がどうしても目に入ってくるのが苦手だし、良いことを書けば自慢だと思われるのではないか、逆に陰気なことを書けばぐちぐちうるさいとかうじうじしていて気持ち悪いとか思われるのではないか、そんな余計なことを考える時間も増えました。

さらにはコロナ禍で気が塞いだり、プライベートでたびたび問題が発生したりといろいろな要因が重なった結果、筆のノリが悪くなっていき、創作については連載エッセイを月一本書き上げるので精一杯、という状態になりました。

2021年:小説を書き始める

2021年と2023年は小説の執筆に力を入れました。わたしはもともと、「小説の新人賞を獲って作家デビュー」という王道かつ難関の道を歩みたいと思っていました。子どもの頃に読み書きが好きになったきっかけはまちがいなく小説で、夢を与えてくれたのも小説だったからです。フリーランスになって2年ほど経ち、仕事にも創作活動にも慣れてきたタイミングで、本腰を入れて小説に挑戦してみようと考えました。

でも長編小説の執筆は、本当に本当に骨の折れる作業でした。日の目を見るかわからない何万字もの文章をひとり黙々と書き続ける生活はなかなかにしんどく、正直あまり向いていないなと何度も思いました。頭を簡単に切り替えられないので、仕事や家庭生活、引っ越し作業などの雑事との両立も難しかったです。

余裕があれば小説の教室に通って添削を受けたり、途中でだれかに読んでもらったりすればよかったのだろうなと今では思いますが、当時の私にはそんな勇気も気力もなく、まさに先の見えない暗闇のなかをひとり彷徨っているような感覚でした。

もちろん楽しい瞬間もたくさんあり、完成したときの喜びは非常に大きなものでした。最初のほうの2本は大手出版社の文学賞で2次選考を通過し、このペースならもう少し続ければ獲れるんじゃ?と期待を膨らませたりもしました。

でも、その後は一次落ち続き。通過した2作品はどちらも準備に時間をかけずに勢いで書いた作品で、通過しなかった作品は逆に時間をかけて下調べをしたり構成を練ったりした作品でした。

努力量やかけた時間と結果が比例せず、やればやるほど、考えれば考えるほど、方向を間違えて受賞から遠ざかっていく。そんなふうに感じてしまい、ますますしんどくなりました。精神衛生上、一旦この流れを断ち切ったほうがいいと判断し、2023年で小説執筆を休止しました。

2022年:絵を描き始める

文章以外の表現方法も楽しんでみたいという気持ちから、絵を描き始めました。

幼い頃はお絵描きが好きで、少女漫画誌『ちゃお』の模写なんかも楽しんでいましたが、その後は年々描くことから遠のいていきました。でも美術館で絵を観るたびに、わたしも描いてみたいなあとなんとなく思っていたのでした。

絵をはじめるとき、画材はパステルを選びました。名前がかわいい、水を使わなくていいから楽そう、というなんとも適当な理由でした。絵の描き方について本やYouTubeなどでざっくりと学び、見よう見まねでスタート。絵を描くあいだは目の前の絵だけに集中でき、とてもいい気分転換になることがわかりました。

パステルでは山や海をよく描きます

2ヶ月ほど続けたのち、画材の後片付けがめんどくさいという理由からiPadでデジタル画も描き始めました。こちらもアプリの基本的な使い方や機能をネットで学び、それからは好きなときに好きなように描いています。

iPadではおやつをよく描きます

絵に関しては、がんばって技術を向上させたいとか賞をとりたいとか、これで食べていきたいといった欲は今のところありません。実際、線画は練習しておらず苦手なままですし、活躍しておられる多くのイラストレーターや画家のみなさんの作品と比べると基礎的な技術は劣っていると思います。個性もあるのかどうか……よくわかりません。

でも、いいのです。息ぬきの場としてこれからも守っていきます。

*ご依頼はもちろんウェルカムです!!!

2024年:短歌を投稿し始める

書くこと自体がしんどくなってきた頃に取り組み始めたのが短歌です。長い時間をかけてひとつの作品を書くこと、しかもそれがお蔵入りになることがしんどいのなら、短い作品をつくってどんどん発表するのが自分には向いているのではないかと考え、真逆の方向に振り切ってみたのです。

実ははじめて短歌をつくったのは9年も前のこと。最初の職場を退職して時間ができたとき、たまたま公募ガイドで見つけた角川短歌賞に応募しました。今思えばなにやってんのと呆れてしまいますが、当時は「57577の31文字で季語がない」という情報しか知らず、歌集も一冊も読んだことがない状態で、思い浮かんだ言葉を組み合わせて50首つくりました。他のルールや慣習はすべて知らなかったので、すべての句と句のあいだに空白を入れていました。

その後も数年おきになんとなく思い立って短歌を詠みました。絵と同じく気分転換のつもりで取り組んでいたので、技術の向上をめざすことはなく、完全なる自己流で詠みました。読み方もよくわからなかったので、歌集を買っても「なんかよくわからんなあ」「なんとなく好きだなあ」以外の感想がわきませんでした。

しかしそんな取り組み状況でも、たしかに言えるのは「短歌が好き」ということでした。正直つくっている最中はエッセイや小説を書いているときよりも楽しく感じました。

わたしはもともと、全体よりも細部を考えるのがすきです。たとえば小説のストーリーを考えることよりも、一文のなかでこんな表現をしよう、こんな比喩を使おう、と考えるのが好きでした。本を読むときも、ストーリー全体よりもひとつのセリフ、ひとつの描写に惹かれて作品を好きになるケースがほとんどでした。

しかも計画を立てたり細かく構成を練ったりするのは苦手なタイプ。創作のみならずあらゆる物事を瞬発力でどうにかしてきた人間です。なので文字数の少ない短歌はわたしに向いている表現方法のように感じました(ただし連作を除く)。

2024年になり、短歌にもっと積極的に取り組んでみようと思ったわたしは、短歌の入門書を読んだり、昔買った歌集をじっくりと読み直したりしました。インターネット上の歌会サイト「うたの日」や新聞歌壇、NHK短歌、自身のSNSなどへの投稿もはじめ、何らかの評価をいただける機会も増えました。

自分の短歌をネット上にあげることは当初は恥ずかしく、いや、いまでも恥ずかしく多少の抵抗はありますが、作ったものは完璧でなくてもとにかくどんどん公開し、試行錯誤していこうという方針でどうにか続けてきました。そのおかげで、おなじように短歌を投稿している方々とゆるいつながりができ、日々たくさんの刺激をいただいています。

まだ詠みも読みもなんとなくやっているようなところがありますし、リアル歌会などの催しに参加したこともありません。自分にできる範囲で勉強し、読み、詠んでいるだけですが、作品を作り続けること、そして投稿・公開を続けることが、少なからず自分の自信につながっていると感じます。短歌のおかげで、わたしの中で何かが吹っ切れたような気もしています。

2024年 秋:自分の本をつくる

小説の執筆やエッセイの連載はいったん休止となりましたが、何かしらの形で文章を書くことを続けていきたいと考えたとき、思い浮かんだ一つの案が自分の本をつくることでした。

昔は何かの賞をとってデビューするときに第一作目を出すのだと意気込んでいましたが、年を重ねるにつれて、自分はいつまで創作を続けられるだろうか、いつまで文章を書ける状態でいられるだろうか、いつまで生きていられるだろうかと考えることが多くなりました。

今年は創作を始めて5年目の年。賞だとかなんだとかいうものはいったん横に置いて、ひとつ形に残るものをつくってみることにしました。生きているうちにやりたいことは後回しにせず、できるだけ早くやってしまおうという心意気で、夏から秋にかけて25の文章を書きました。

『なんでそんなこと急に言うん?』はタイトルからもわかるように、とにかくしゃべりたいことを書くというコンセプトで、本当にひたすらしゃべるように書いた本です。

かっこつけて美しい文を書こうとか、読んだ人をほっこりさせようとか、感動的なクライマックスにしようとか、大事なメッセージを伝えようとか、そんなことは一切考えませんでした。できる限り取り繕わず、自分の感情を素直にさらけ出しています。家族や友人、自分自身との大事な思い出や笑い話を詰め込み、本ごとこの世界を愛してしまえるような一冊になりました。

長すぎてここまで読んだ方がいらっしゃるかわかりませんが、きっと面白いと思っていただけると思います。

ぜひお手にとっていただけるとうれしいです!!

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