嵐の予感④ ー湯飲みの底に映る未来ー(菌活ボーイがゆく #75)
前回のおはなし
ー 菌茶占い ー
猫の日。
猫界ではラッキーセブンと同じ魔力をもつゾロ目の日😹
僕らは慌ててラオにゃんを介抱した。
「にじゅう、に…」
意識が戻った元師範は、ぶつぶつとまだつぶやいていた。
「22万円で愛しい人に会えるなら、安いもんさね」
おばばは自分の湯飲みをのぞき込みながら、他人事のようにささやいた。
「た、確かに。おばばの言うとおりだ」
ラオにゃんは、自分に言い聞かせるようにうなずいた。
「頼む。おばば、譲ってくれ」
「はい、まいどあり」
「これで…ユキに会える」
ラオにゃんは、桃にゃんの木像を大切に胸に抱いた。
どん。
テーブルに重い音が響いた。
金ピカの像が輝いていた。
おばばがにんまりした。
「ユキには会える。でもね、あんたが幸せになれるとは言ってないよ。こっちなら、幸せになれるかもねえ」
みんな、ゴクリとつばを飲み込んだ。
「いくらなんです?」
尋ねたのは、のぼにゃん師範だった。
「222万円」。おばばはそっけなく言った。
「に、に、ひゃく、に、じゅう、にまん!」
「本当は売り物じゃないんだよ。でも、ラオは師範格だから。このクラスじゃないと恥ずかしいかな」
「に、に、に、に、に、ひゃく…」
ラオにゃんは口をパクパクさせると、白目をむいて再び気を失った。
(次回につづく)
