連載「菌活ボーイがゆく」㊻翻訳キジトラ流
発酵の世界にハマるきっかけは、いつも小さなひと匙から🥄✨
こうじの魅力にはまった猫サラリーミャンの菌活実践記です。
「育て上げた醤油こうじを食べてしまうのが心苦しくて」の心境で菌との触れ合いの日々を送る。
さっちー師匠ににゃんだかんだ巻き込まれながら“菌友”(菌活友だち)づくりに励む。
文/菌活ボーイ
イラスト/ちぐ

キジトラ総本山に呼ばれたが、さっちー師匠は留守だった。
あしたは、仲間が集まる菌活カフェ。
準備があるのに。どこへ出かけたのか。
「いま出先。取り込み中」
電話をかけると開口一番。翻訳すると、
「酒飲みツアーでいい気分」という意味になる。
「あしたは…」
「すぐ帰る。お疲れさん(たらふく飲んだら帰るかも。うるさい)」
プツン。一方的に会話は切れた。
師匠は近ごろ、「菌活ツアー」と称して出歩いている。
「視野を広げなくちゃ」
真面目な顔でさとすけれど。
「つまみのうまい隠れ家を見つけたみたい」
のぼにゃん師範が耳打ちした。
それから3時間――。
カフェの準備が終わる頃、師匠が戻ってきた。
鼻歌交じりで上機嫌。
冷たい水を差し出すと、ごくごく一気に飲み干した。
「次はあんたも連れていくかにゃ(気が向けばお供させてあげるかも)」
「イケメンマスターがいる店ですか」
「深読みが過ぎる〜〜っ(ばれたか)」
師匠は「い~っ」と顔をしかめた。
居間に向かって千鳥足。ろれつも怪しい。
「飲んでません(味見はしたよ)」
居間に入るなり、手をたたいて声を張り上げた。
「だれかぁ、お茶漬け持ってきてえ(もっと師匠をあがめたてまつれえ)」
(続く)
