連載「菌活ボーイがゆく」㊸ういやつ2
発酵の世界にハマるきっかけは、いつも小さなひと匙から🥄✨
こうじの魅力にはまった猫サラリーミャンの菌活実践記です。
「育て上げた醤油こうじを食べてしまうのが心苦しくて」の心境で菌との触れ合いの日々を送る。
さっちー師匠ににゃんだかんだ巻き込まれながら“菌友”(菌活友だち)づくりに励む。
文/菌活ボーイ
イラスト/ちぐ

スーパーから帰宅して、玉子を買い忘れたときのショックは大きい。
がび~ん。なんでや。
わざわざ、メモまで書いてたのに。
カラダはもはや熱くラーメンモード。
コーヒーでも飲もう。
気を取り直しかけたら、やな予感。
牛乳も忘れてた。
ありえん。
新作ポテチの誘惑におちた俺が悪いのか。
今さらスーパーにUターンする気力もない。
外は小雨も降り出した。
なんとなく、熱い視線。
「私じゃダメですか」
醬油こうじのボトルが、潤んだ瞳で見ていた。
「さんきゅ。あしたはお前を食べさせろ」
ボトルのキャップをぎゅっとつねった。
ミルクはあきらめよう。
玉子なしで、ラーメンを食べちゃうか。
ネギとモヤシは買ってきた。ゴマもある。
また視線を感じた。
真正面から受け止め、はっきり言った。
「ば~か。お前のことしか見えてないし」
こうじは目を伏せ、おとなしくうなずいた。
いとしくなる。
食べたくなるほど、かわいいやつ。
ラーメンの仲間に加えちゃうかな。
ちょっとだけ、麺にふってみた。
いける。胸が高鳴る。
さっちー師匠にご注進だ。
キジトラ総本山におもむくと、師匠もラーメンをすすっていた。
スープを飲み干すと、2、3度うなずき、つぶやいた。
「キャラ、変わってるにゃ」
