連載「菌活ボーイがゆく」㊳キジトラ流奥義『春のあめ』
発酵の世界にハマるきっかけは、いつも小さなひと匙から🥄✨
こうじの魅力にはまった猫サラリーミャンの菌活実践記です。
「育て上げた醤油こうじを食べてしまうのが心苦しくて」の心境で菌との触れ合いの日々を送る。
さっちー師匠ににゃんだかんだ巻き込まれながら“菌友”(菌活友だち)づくりに励む。
文/菌活ボーイ
イラスト/ちぐ

春雨けむる朝のこと。
キジトラ総本山の居間で、さっちー師匠がテレビを見ていた。
いつになく上機嫌。
こうじ菌入りの貴重なアメ玉を手に入れたという。
「ひとつ恵んでやるにゃ」
小さな袋を顔の横でひらひら。
僕は喜んで両手を差し出した。
慎重に袋を傾ける師匠。
そ~っと、そっと。
「あ!」
同時に声が漏れた。
僕の手のひらに、ころんと五つ。
袋はからに。
気まずい雰囲気。
おずおず尋ねた。
「返しましょうか」
「いらん」
ドスのきいた声。師匠はそっぽを向いた。
急に振り向き、猫なで声。
「師匠が『あ』と言ったら、どうするにゃ」
「『い』でしょうか」
「めっ!」
(続く)
