【67】至高の男⑤「菌活ボーイがゆく」
発酵の世界にハマるきっかけは、いつも小さなひと匙から🥄✨
こうじの魅力にはまった猫サラリーミャンの菌活実践記です。
「育て上げた醤油こうじを食べてしまうのが心苦しくて」の心境で菌との触れ合いの日々を送る。
さっちー師匠ににゃんだかんだ巻き込まれながら“菌友”(菌活友だち)づくりに励む。
文/菌活ボーイ
イラスト/ちぐ

(前回のお話:満月の夜、キジトラの竜虎が牙をむいた)
キジトラ総本山の第1道場に、門下生が続々と詰めかけた。
立ち込める熱気。
「ぐふふ。トラの泣きっ面が楽しみだぜ」
ラオにゃんの挑発にも、トラさんは黙していた。
ドンドコ、ドンドコ。ドンドコ、ドンドコ。そ~れ、それ、それ♪
ドンドコ、ドンドコ。ドンドコ、ドンドコ。そ~れ、それ、それ♪
のぼにゃん師範が率いるキジトラ太鼓が鳴り響く。
鉢巻き姿がいさましい。
続いて、軽快な音楽が始まった。
にゃんこシスターズがポンポンを振って、華やかに踊った。
いざ勝負!
「ちょっと待て」。ラオにゃんが道場をぐるりと見回し、「トラの応援団ばかりじゃねえか。公平に審判できんのか」
ふいに道場がどよめき、門下生たちが左右に割れた。
静寂の中、白髪交じりの男が歩いてくる。
鋭い眼光。強烈なカリスマ性を放っている。
「わしが審判長を務めよう」
高名な美食家、海原雄にゃん先生だった。
高級料亭「菌道美食俱楽部」を主宰し、先代家元の盟友でもある。
「おじさま」
さっちー師匠が抱きついた。
「先代なき今、わしは宗家の親代わり。だが、勝負に私情は挟まん。不服かな」
「オジキか。久しぶりだな」とラオにゃん。「いいだろう」
道場内に大歓声が巻き起こった。
ドンドコ、ドンドコ。そ~れ、それ、それ♪
ドンドコ、ドンドコ。そ~れ、それ、それ♪
「頑張れ、頑張れ、トラさん」「頑張れ、頑張れ、トラさん」
大波のような応援コール。
チーン!
勝負のゴングが打ち鳴らされた。
(続く)
