どうして左派は経済成長を目指すべきなのか

Xに書いたメモみたいなものをちょっと伸ばしただけのメモみたいなものです。全然まとまっていないし、論理でもないし、気持ちでしかないかもしれません。いちおう100円つけておきます。投げ銭はいつでも歓迎。

わずかな資産でも証券会社に運用を委託すると、なんか知らんうちに増えます。もちろん、元手が少なければ額はちょっとですよ。民主党政権くらいまではそんなことはなかったから、庶民レベルではお金は増えないものだったけど、莫大な資産があればその頃ですら資産は自動的に増えたはずです。今は誰でも増えるモードに入った。

生活に必要ない資産は投資運用会社に預けてしまえば何もしなくても勝手に増えます。そして、元手になる資産が多ければ多いほどその額も大きくなる。資産家は働く必要がない。ところが、逆に、元手になる資産がなかったら増えるも何もなくて、働いて得られる収入しかない。

非常に簡単化して考えると、資産運用は(収益を再投資するから)毎年一定率(1+r)で増えるから指数関数的に増える。賃金も毎年の増加が定率(1+g)なら指数関数にはなるのだけど、ピケティが発見したのはr>gってことで、資産の増え方は労働で得られる収入を指数的に上回る。物価上昇分を考えると実質ではrもgも小さくなるけど、r>gだから、資産がある人が指数関数的に富裕になっていく傾向は変わらず、賃金上昇が物価上昇に食われる分、労働対価だけだとなかなか豊かにならない。低所得者は賃金上昇分が全部物価上昇に食われてしまうから、格差は指数関数的に拡大します。

資本主義のもとではこれはどうしようもなくて、だから資産がある人とない人との差は必ず広がることになります。それは不公正であるというのが左派の基本的な考えかただと思うんですよ。もちろん、社会主義を目指すっていう考え方はあるけど、現実に僕たちは資本主義社会に暮らしているのだし、社会主義なんか実現しないでしょう。だったら、どうやってその不公正を補正するのか。

r>gでわかるように、格差は才覚だけの問題ではないんですよ。出発点から資産がある人は才覚ゼロでも勝手に富裕になる。それは親の才覚かもしれないけど、本人の才覚ではない。富裕かそうでないかには本人の才覚と「偶然」「幸運」の両方が効いているし、なんなら運の要素はものすごく大きい。それに、なんらかの分野でものすごく才能がある人だからといって、資産を作れるとは限らないし、世の中の大多数の労働者はそもそもそうではない。普通の人は普通の才能であるということだし、資産運用の才覚だけが成功の鍵だというのは不公正に思える。みんなが富裕にならなくてもいいけど、貧困は無くさなくてはならない。貧困の根本原因は主に「運」ですよ。

だから再分配によって格差を縮めることがだいじになる。再分配しないと、格差が指数関数的に開いてしまって、社会は崩壊します。格差が大きい社会は不安定ですよ。それは認識しなくてはならない。革命がなぜ起きるか、ですよ。だから、富裕層こそ格差縮小を目指さなくてはならないはずです。富裕なんてのは社会が安定しているからこそ意味を持つものなので。

しかし、儲かってるところから取って儲かっていないところに配るだけではただのゼロサムなので、社会全体は豊かになりません。日本が完全に閉鎖系ならそれでもいいのかもしれないけど(僕はそれも疑っていますが、説明は難しい))、諸外国は経済成長を目指していますからね。日本が経済成長しなかったら、諸外国から取り残されて、国全体がただ貧しくなるだけです。再分配だけの政策ではみんながただ貧しくなっていく。格差解消どころではない。日本は諸外国の経済成長に取り残されないだけの経済成長をしなくてはならないし、世界トップレベルの経済成長を実現させないといけない。グローバル社会ってのはそういうことです。「赤の女王」ですよ。常に走り続けないと死んでしまう。

だから、脱成長主義はお花畑であって、ただひたすら頭が悪い。経済成長させつつ、再分配政策によって格差が拡がりすぎないようにする両面の政策が必要です。富裕層が富裕なのが問題なのではなく、貧困層が貧困なのが問題です。憲法に明記されている通り、「健康で文化的な最低限の生活」はすべての国民に保障されなくてはなりません。これは「生きていける」だけではいけないということですよ。健康を保てなくてはならない。つまり、食事も医療もちゃんとしてなくてはならない。「文化的」でなくてはならない。趣味とか教養とか学問とか、あるいは旅行とか、そういうのができなくてはならない。それを実現するのが国の責務です。貧困は解消しなくてはなりません。

格差が拡がらないことが重要なので、富裕層を引きずり下ろす必要はないのですが、社会の安定のためには再分配の匙加減が重要で、放置すると格差は指数関数的に拡がる性質を持つことを常に考えておく必要があります。

現代の左派は経済成長を目指さなくてはなりません。なぜなら、そうでないと貧困や不平等を解消できないから。経済成長を否定する「左派」に左派的な社会は実現できませんよ。

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