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『血が體の起源』 −人体の深層に宿る神秘の力−

第1章 血は“流れる肉体”である

「血液は、流動する肉体であり、肉体は、静止する血液である」
ドイツの生物学者であり哲学者でもあったギュンター・エンダーレイン博士(Dr. Günther Enderlein)のこの言葉には、人間という存在の本質が凝縮されています。

私たちは往々にして、「血」とは体内を流れる赤い液体──つまり、酸素や栄養を運び、老廃物を回収する“運搬システム”のようなものとしてしか捉えていません。
しかし、もし血そのものが「肉体の正体」だとしたらどうでしょうか。

実際、私たちの體にはおよそ5リットルの血液が存在し、そのうち約44%を構成しているのが赤血球です。
この赤血球は、驚くべき存在です。

■ 赤血球──“核”のない細胞

赤血球は一般的に「細胞」として定義されていますが、実は核を持たないという特殊な性質を持っています。
通常、細胞というものは核を持ち、そこにDNAなどの設計図が格納されています。
ところが赤血球にはそれがありません。さらに、エネルギー工場といわれるミトコンドリアも存在しません

それでも、赤血球は人体で最も多く存在する“細胞”であり、1日におよそ2,000億個が骨髄で新たに産生されています
その驚異的な再生能力は、生命の根幹を支えているといっても過言ではありません。

■ 赤血球の“正体”はヘモグロビンの塊

赤血球の構成要素を詳しく見てみると、水分が約2/3、残りの約97%がヘモグロビンという構成になっています。
つまり、赤血球とはほぼヘモグロビンの塊といえます。

ヘモグロビンは、鉄分を含んだ特殊なタンパク質で、酸素や二酸化炭素を吸着・輸送する機能を持っています。
この働きにより、私たちの全身の細胞は生きるためのエネルギー(ATP)を産生できているのです。

■ 赤血球の“電気的性質”と生命の微細な流れ

また、赤血球は負電荷(マイナス)を帯びており、陰イオンのようなふるまいをします。
この性質があるために、赤血球同士が適度な距離を保ち、血液がサラサラと流れるのです。

ここで重要なのは、血液は単なる物理的な液体ではないということ。
血液には電荷があり、その流れには“エネルギー”が宿っています。

一部の研究者や医師の中には、赤血球こそがあらゆる細胞の前駆体であり、必要に応じて白血球やリンパ球、さらには内臓細胞に分化する可能性があるとする説を提唱しています(千島学説)。
この考え方は現代の主流科学からは否定されていますが、その直観的なリアリティには無視できない魅力があります。

■ 赤血球の破壊と再生──生命のサイクル

運動によって赤血球は一部破壊されることがあります。
しかし、それは生命にとって“損失”ではなく、“再生”の始まりなのです。

壊れた赤血球は肝臓や脾臓などで処理され、新たな赤血球が骨髄から生まれます。
この再生を支える鍵となるのが栄養(鉄・ビタミン・ミネラル)であり、私が後に紹介する有機ゲルマニウムやマグネシウムがここに大きく関わってきます。

つまり、赤血球のサイクルとは、まさに破壊と創造の象徴であり、私たちがいまここに生きている証でもあるのです。



第2章 赤血球とエネルギーの関係

血は、運ぶだけではありません。赤血球は、私たちの生命活動に欠かせない「エネルギー」そのものを支える存在でもあります。

■ ATPと酸素の運搬役──赤血球の使命

エネルギーの通貨と呼ばれる「ATP(アデノシン三リン酸)」は、筋肉を動かすにも、内臓を働かせるにも、脳を使うにも必要な物質です。
そしてこのATPを作り出すには、何よりも酸素が不可欠です。
その酸素を、肺から全身へと運んでくれているのが、そう、赤血球なのです。

赤血球の中に存在するヘモグロビンは、肺で酸素を取り込み、それを必要な細胞へと届けていきます。
そして、細胞のミトコンドリアで酸素が使われ、ATPが産生される。
これが、人間の生命活動の根本的な流れです。
この流れが滞れば、酸欠、疲労、炎症、痛みへとつながっていきます。

■ 酸欠が痛みを生む仕組み

血流が悪くなり、酸素供給が不足すると筋肉はエネルギーを産生できず、「ATP欠乏状態」に陥ります。

その結果、筋拘縮(筋肉の硬直)が起こりやすくなります。
さらに、酸欠状態の筋肉からは、「ブラジキニン」という強力な発痛物質が放出されます。
この物質は、通常の痛み物質であるプロスタグランジンよりも遥かに強力です。
慢性的な肩こりや腰痛、あるいは片頭痛の一部は、まさにこの酸欠性疼痛によって引き起こされている可能性があります。

痛みとは、体からの“エネルギー不足”というサインでもあるのです。

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