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ウルトラマンはなぜ子供の日常に入り込めていないのか?ウルトラマン好きの子供を生み出す提案

前回のnoteでは、円谷FHDの看板タイトルである「ウルトラマン」について、日本市場の現状をどう自己評価しているのかが示された記事をもとに、私なりの考察を書いてみました。

同社の発表によると「ウルトラマン」は、海外市場では堅調である一方、日本国内では「有名特撮の関心度水準」と比べても低水準にあると認識していること、そしてそれに対するさまざまな施策が打ち出されていることが紹介されていました。

この発表を受けて、Xでは多くのウルトラマンファンから「全国区でのTV放映を」という声が上がっていました。

けれど、私自身の実感としては、今の子どもたちの視聴実態を見ると、その論点は少しズレているように思います。実際、うちの子どもも周囲の子どもたちも、番組は地上波ではなくネット配信で見ることがほとんどです。

つまり今問われるべきなのは、テレビで流れているかどうかではなく、子どもの日常の中にその作品がどれだけ自然に入り込めているか、ということなのではないでしょうか。

子ども向けコンテンツが強くあるために必要なのは、「本編を見てもらうこと」だけではありません。本編を配信で見る、YouTubeで変身シーンやダイジェストを見る、玩具売場で見かける、親と一緒に映画やイベントに行く、友達同士で話題にする。そうした接点が何度も繰り返されることで、作品は初めて子どもの生活の中に根を張ります。要するに大事なのは“放送”ではなく、“生活導線”です。

そして、その生活導線の中でも、未就学児に対して特に強いのが、住宅展示場やショッピングモールなどで行われる無料のヒーローショーだと思います。未就学児を持つ親にとって、無料で子どもを楽しませられるイベントは非常にありがたい存在ですし、子どもにとっても、本物のヒーローが目の前に現れる体験は圧倒的な影響力があります。

アンパンマンやライダー、プリキュアが強いのは、作品の面白さだけではなく、こうした無料のリアル導線を長年しっかり持っているからでしょう。子どもたちはそこでヒーローを“知る”のではなく、“好きになる”のです。

対してウルトラマンは、この導線がかなり弱い。円谷FHDは有料のファン向けショーや都市部のイベントには熱心ですが、地方の住宅展示場や商業施設での無料ショー開催は明らかに少ない。もちろん、これは円谷側だけの問題ではなく、呼ぶ側の予算や判断にも左右されるのでしょう。実施する側にとっては、「いまテレビで放映されているか」といった分かりやすい条件も判断材料になるはずです。だから単純に「円谷がもっとやる気を出せ」で済まないのも、その通りだと思います。

ただ、それでもここを弱いままにしておくのは、あまりにももったいない。未就学児にとっては、配信で作品を見ること以上に、実物のヒーローや怪獣を目の前で見る体験の方が、はるかに強く心に残るからです。ウルトラマンや怪獣のスーツを生で見た時の迫力は、理屈抜きで子どもを掴む。その一発の体験から、一気に“好き”が始まることは本当に多い。

しかも、そこから配信視聴への導線も十分に設計できるはずです。たとえばショーの会場で、「ウルトラマンすごい! カッコいい!」となった子どもに、YouTubeの無料動画へ誘導するQRコード付きのキャラクターカードを配る。そうすれば、その場の興奮を切らさないまま、帰りの車の中でスマホを通じてウルトラマン動画を夢中で見始める、という流れも自然に生まれるでしょう。

つまり、ウルトラマンが今本当に強化すべきなのは、単に「テレビで流すこと」ではなく、子どもが日常の中で何度もウルトラマンに出会える環境を作ることです。配信、短尺動画、玩具売場、親子イベント、無料ショー。そうした接点を一本の流れとしてつなげていかなければ、低年齢層への浸透は難しい。

逆に言えば、そこが整えば、ウルトラマンにはまだ十分に子どもを惹きつけるコンテンツのパワーがあると思います。問題は魅力がないことではなく、その魅力に子どもが出会うタッチポイントが、いまの生活の中に十分に用意されていないことなのです。

だからこそ個人的には、円谷にはこれを広告宣伝費と割り切って、全国を回るチャリティー無料キャラクターショーキャラバンのような施策を本気で検討してほしい、とすら思います。もちろん簡単な話ではないのでしょうが、ウルトラマンの魅力を未就学児に最短距離で届ける方法としては、かなり有効なのではないでしょうか。

以上、ウルトラマンオタクの妄想でした。


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