ITエンジニアを目指す人たちへ。
学校を卒業後、ITエンジニアを目指す、又は、ITエンジニアに転職を考えている人たちへ届いてほしいです。
はじめに
大学を卒業後、25年、IT業界に身を置いています。就職したのは2001年、就職氷河期真っ只中の時期に駆け出しITエンジニアになりました。
当時から自分のキャリアビジョンが明確にあったわけではありませんが、現在は自分の「職務経歴書」には確かな自信があり、をこの先のキャリアビジョンもありありと描けていて、実現もします。
自分自身は、この業界・職業を自分の「天職」だと思っています。多くの人が思うであろう、「会社に行きたくない」「仕事がつらい」「別の業界に転職したい」などと、一度も感じたことがありません。そんな仕事の中でも、採用活動や実際の業務を通じていろいろなことを経験し、いろいろな人を見てきました。ちょっとでも参考になればと思い、書き留めておこうと思います。
あなたは、何のためにITエンジニアを目指すのか?
どんな職業でも同じなのだろうと思いますが、動機が不純な人は遅かれ早かれうまくいかなくなります。
・テレワーク中心の働き方がしたい
・フリーランスで自分のペースで仕事がしたい
・エンジニアで手に職があれば苦労しないはず
・ステップアップして年収1000万以上を目指したい
・一人で黙々とできる仕事がしたい
・転職によってどんどん給料があがる
こんなイメージを持っている人も少なからずいるはずです。しかし、実際にこのようなことを実現・維持できるのはごく一部の人と考えたほうが良いです。これらはどれも、「結果的に後からついてくるもの」であり、「目指すもの」ではありません。厳しい言い方ですが、純粋な動機がある人には到底及びませんし、挫折して病気になったり、業界外に再び転職することになります。
業界内のありがちな罠
IT業界に限ったことでは無いですが、人間、「コンフォート・ゾーン」(快適な環境)にいると、自ら、そこから抜け出そうとはしなくなるものです。「コンフォート・ゾーン」を抜け出すには、「苦痛」を伴うからですが、成長のためには抜け出す覚悟が必要になります。
IT業界、特に開発系の現場では、陥りがちな罠が待ち構えています。
ケース1:人材派遣、SESの罠
会社の企業情報欄を見てもらうと、事業内容に「人材サービス」や「エンジニアリングサービス」などといった記載がある場合があります。これは、簡単に言うと、自社ではなく、顧客(上位のSIerやユーザー企業)に行って、言われた通りに仕事をする、というものです。当然、自社の社員との関係も薄くなりますし、身に付けられるスキルも限定的です。運よく良い現場であれば、スキルを身に付けられますが、「ほどほどに」がおすすめです。駆け出しエンジニアで1~2年修行してくるつもりで行くならまだましですが、そのうち自分の持っているスキルだけで仕事をするようになり、見かけ上、「楽」になります。楽なので、手癖で仕事をするようになって、
5年、10年経過すると、知らないうちに自分の市場価値が落ちていきます。
ケース2:役割の罠
開発の現場での役割は、下記のようなものがあります。
・テスター(テストをする人)
・プログラマー(プログラム・コードを書く人)
・下流システムエンジニア(設計書を書く人)
・上流システムエンジニア(顧客との打ち合わせ、要件定義・基本設計)
----ここまでがいわゆる「エンジニア」職に相当-----
・プロジェクトリーダー/プロジェクトマネージャー(管理者)
・コンサルタント(導入コンサルなど)
「エンジニア」というと、プログラマーやシステムエンジニアを思いうかべる人が多いと思いますが、ここに罠があります。例えば、「プログラマー」の役割を担当すると、「いつまでプログラマーなのか?」ということです。
もちろん、プログラマーに生涯をささげる!という人がいても良いですが、その先も見据える場合、自ら、何らかのアクションが必要です。ケース1と同様の理由で抜け出せなくなる罠があります。
ケース3:転職の罠
エンジニアをはじめて3年~5年もすると、妙な自信がつくことがあります。「転職すればもっと給料が上がるはず」となるわけです。しかし、そんなに甘くはありません。人手不足もあり、転職のハードルはそんなに高くはありませんが、市場価値のある「セールスポイント」が無ければ、希望通りの転職は困難です。世界中のITエンジニアの一人としてみたとき、あなたの市場価値はどんな理由で「今の給料より高くなるはず」と思いますか?
定期的に自分の市場価値を客観的に評価してみましょう。
ケース4:独立の罠
ITエンジニアは、パソコン1台あれば独立も簡単にできてしまいます。
ここでは詳しくは書きませんが、得るものと失うものが必ずあります。
それに必ずしも「手取りが増える」とは限りません。また、ケース1と同様の罠にハマることもありますので、独立は慎重かつ計画的に考える必要があります。
ケース5:人間の気持ちがわからなくなる罠
コンピューターを毎日使い、コンピューターの出すメッセージにはやたら詳しくなります。人間よりもコンピューターと向き合っている時間が圧倒的に長くなります。コンピューターの気持ちはわかるようになればなるほど、人間の気持ちがわからなくなる・疎くなることがあります。
コミュニケーション障害を発症しないよう、気を付けましょう。
社交辞令ではないリアルなメッセージ
IT業界に関連する記事には「意識高い系」の記事や書籍が溢れていると感じます。僕自身は真逆の考え方です。
「努力」「勉強」「頑張る」「良くなる」こんな言葉は好きではありません。エンジニアであればこのような定性的な言葉や、プロセスを語るのではなく、定量的かつ結果で語るべき。いわゆる、「腕で勝負」の世界と考えています。「努力して勉強を頑張ったらエンジニアとして良くなる」のか?いいえ。そんなわけありません。「盗んで仕事をサボったらエンジニアを超越できる」とすら思います。ITの業界で生き抜くには、キャリアの「クリティカルパス」を明確にすることです。最初から明確にできる必要はありません。車のヘッドライトも目的地まで照らせるわけではないように、最低限、常に3~5年先は見通しておくと事故にあう可能性は低くなるでしょう。
おわりに
この業界は「変化の速さ」こそが魅力です。変化のスピードが速い分、学びと成長の機会が常にあります。僕自身、この業界で働く中で感じるのは、「仕事」は単なる労働ではなく、自分を表現するアートの一部だということ。その中でどう生きるかをデザインすること──それがこのNoteのテーマである Life & Work Artsの考え方です。
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