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最低二万里【毎週ショートショートnote】
意不町は黒船の話題でもちきりだ。
浦賀沖に亜米利加の軍艦が突如として現れたというのだ。
廻船問屋の倅である蟹吉は品川沖で何隻も大きな舟を見たことがあるが、黒船はその舟を百隻まとめたよりも大きいという。
更に黒船にはたくさん大筒がのっていて、品川沖まで来ると砲弾が江戸城まで届くらしい。江戸城では幕府がてんやわんやしている。
そんな幕府とは裏腹に町民たちは黒船に興味深々だった。
「黒船は最低二万里以上も航海してきたみたいよ」
「へぇ~、亜米利加ってところはそんなに遠いのかい」
「陸では陸蒸気が走っているんだってさ」
「黒船が陸を走っているのか」
蟹吉は輪気天の丘に寝そべって夜空を眺めていた。
「亜米利加は最低二万里かぁ。月までは何里あるんだろ?」
夜空から火球が落ちてきて一瞬、昼間のように明るくなった。
どこからともなく「銀河ステーション、銀河ステーション」と聞こえてきて蟹吉は陸蒸気に乗っていた。
目の前には青い目をした青年が座っていた。
(410文字)
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毎週ありがとうございます。
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#最低二万里
PJさんの企画に参加しています。「まだこの世界に存在しない“まち”」を、
言葉・絵・音・物語・妄想など、好きな表現で描いていくイベントです。
ということで、八神夜宵さんの「意不町」にお邪魔しました。
掲示板のお題は次回の「つづき」で回収します。
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