夜桜と_02🥁_【でこぼこ】【シロクマ文芸部】
夜桜と縁日を思い出していた。
近くの神社では4月初旬に例大祭が行われる。ちょうど1年前、凌太は佳雄に誘われて夜の例大祭に行った。夜桜の下でじゃがバターを食べながら、来年は同じ高校に進学しようと約束したのだった。
佳雄の志望校は凌太にとって一段レベルの高い高校ではあったが、必死に勉強して、なんとか一緒に合格することができた。
「佳雄は何組だった?」
「3組、凌太は?」
「僕は5組だったよ」
「残念、同じクラスじゃなかったか」
佳雄とは小学校から同じ学校に通っていた。引っ込み思案の凌太に対して、佳雄は明るくて人気者だ。佳雄は気があうのか凌太のことをいつも気にしてくれていた。
中学校に進学して部活動を選んでいたとき、佳雄から吹奏楽部に誘われた。
背が低くて運動が苦手な凌太は体育会系の部活は考えていなかったので、誘われるがまま吹奏楽部に入部した。パート選びはとくにこだわりがなく、希望者のいなかったパーカッション、つまり打楽器を担当することになった。
パーカッションは吹奏楽部では人気の低いパートだったが、リズムを刻んで全体を引っ張っていく感じがして、今までに味わったことのない優越感を得ることができた。いまでは、その魅力にすっかりとはまっている。
高校生になってからも吹奏楽部に入るつもりで、入部届を出すために佳雄と一緒に音楽室へ向かった。
「ようこそ、吹奏楽部へ」
「よう!果歩、吹奏楽部に来たぞ」
出迎えてくれたのは果歩だった。果歩は佳雄と幼馴染で、1歳年上だが、佳雄はいつも通りため口で話していた。
佳雄が吹奏楽部に入部したきっかけは、果歩が吹奏楽部にいたからかもしれないと凌太は心のなかで思っていた。
ショートストーリー?をつなげて連載中です。毎週金曜日頃投稿予定です。目次に各話のリンクを貼っていますので振り返りにどうぞ。
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