地球環境の未来は?
奈良市在住の定年退職教員で、やぶき ひでお と申します。
「地球環境の未来は?」と問えば、楽しくはないノートに
なるでしょう。でも、問わざるを得ません。
尚、見出し画は拙作の「ひつじ草」です。ひつじ草は睡蓮
の原種との説があります。嘗てはよく見かけましたが、現
在では稀少になっています。
0. 序
1. メダカからクジラまで
2. 福島第一原発大事故は「想定外」だったのか。
3.1. ゴミ問題 ① 3.2. ゴミ問題 ⓶ 3.3. ゴミ問題 ③
3.4. ゴミ問題 ④
4.1. 原発コスト ① 4.2. 原発コスト ⓶ 4.3. 原発コスト ③
4.4. 原発コスト ④
5. 「人間環境宣言」
6. 海面上昇ーーー例えばツバル
7. 氷床融解
8. 北極海温暖化
9. 南極大陸
10. 0.1%

0.地球環境の未来予測は、気候変動や技術進化や人類全般の文明変動などから影響を受けます。
2050年には地球温暖化が進み、水不足や食料不足が懸念されています。またカーボンニュートラルの観点から脱炭素の計画が進められていくでしょう。脱核エネルギーは? 核エネルギーほど危ないものはないのですが。
地球環境の未来は? と問うて、なにがしか思慮し記すことは、楽しいことではない。私の問いかけは、ジャーナリズムでしばしば取り上げられている問いかけのひとつであり、且つ私の問いかけに現実に成り立つ答えがかえってくることは先ずないからである。ただ、私の問いかけは、現代の子供ないし若人の将来に向けて考慮しておきたい、これが唯一の理由の問いかけである。

メダカからクジラまで
1950~60年代にドジョウやメダカ、ホタルなどがどんどん姿を消した。しかし、社会の関心は、人の命に直接かかわる水俣病などに向かった。それは或る意味で当然のことであった。何故なら、環境問題の観点から農薬を問題視する風潮はなかったからである。曲がった手や足のしびれや不自由な身体活動を目の当たりにして、有機水銀中毒症の悪弊を糾弾するのは当然であったからである。私も激しい憤慨を覚えたものであった。あった、ではなく、現在も、腹立たしいことに。
この目の当たりに出来る悪弊とは別に、奇跡の物質DDTの殺虫効果は第二次大戦が始まった1939年、スイスの化学者によって発見され、直ぐに戦争に使われ、戦場でのマラリア退治に威力を発揮した。戦後、それが農薬になった。これで害虫との闘いに勝てると多くの人が思った。
「違う。それどころか、DDTは鳥や益虫を殺し、さらに人の命まで脅かす恐ろしい毒物ではないのか」とレイチェル・カーソンは『沈黙の春』(1958年、出版は1962年。出版を農業団体などの業界が懸念したが、見かねた J.F.ケネディが出版に尽力したというエピソードがある。)で書いた。
『沈黙の春』は20ヵ国語以上に翻訳され、環境問題の深刻さを伝えた。70年に『沈黙の春』が取り上げた残留性の高い有機塩素系農薬や、急性毒性の高い有機リン剤のほとんどは使用禁止になった。日本でも70年代に事実上相次いで禁止された。しかし、汚染は南極や北極にまで広がり、農薬が残留しやすいイルカやクジラからは、おそらく500年経っても消えないと言われている。メダカからクジラまで農薬の汚染は拡散したのだ。メダカは現在、絶滅危惧種に指定されている。
以上の事どもを許してきた人間の心まで汚染されてきたのではないか。今なお、別の農薬の使用は留まるところを知らないのだから。


2. 福島第一原発大事故は「想定外」だったのか。
「想定外」は炉心溶融した原子炉の封じ込めや住民避難についての対策をも思考の外に置くことだ。
柳田邦男『「想定外」の罠』(2011年9月15日第一刷)を参照して「想定外」ということに関して改めてまとめておきたい。
2011年3月11日に起きた東日本大震災は、一か所の震源で起きたのではなく、岩手・宮城県沖、福島県沖、茨城県沖の三か所の海底断層のはね上がりが次々と連続して起きた地震で、そのエネルギーの大きさは M 9.0だと言われている。そして、災害規模の巨大さ。この地震と大津波による原発大事故によるとてつもない大災害。
この大地震・大津波・原発大事故は「想定外」だったのか? 「想定外」の意味を考えたい。
A. 本当に想定できなかったケース。
B. ある程度想定できたが、データ不足のために除外されたケース。
C. 発生が予測されたが、その事態の対策に本気で取り組むと投資額が巨大になるので、そんなことは当面起こらないだろうと楽観するケース。
ケースAは極めて少ない。BかC、あるいはBとCの中間あたりのケースが大半を占めてきたように思われる。
「想定外」の二重構造
歴史に残っている地震などから東北地方の太平洋側沖合の地震を予測する地震学の専門家は、かねてから東電の津波想定は甘いと警告していたし、古い原発の耐震性を再検討する経済産業省審議会でも警告していた。しかし、原発の安全対策基準に責任をもつ原子力安全・保安院も原子力安全委員会も、そうした警告を無視するかのようにして、東電の甘い津波予想を了承していた。理由は、可能性の小さいものまで考えていたら、経済的に見合う設計ができないということであった。
そこで、もうひとつ問題なのは「想定外」という線引き主義がもたらす思考停止は、二重の構造になっていて、そのことが被害の構造まで二重にしたという点である。
第一の局面は、原発建設の地震・津波対策について、現実主義による最大の想定値を決めた途端に、万一「想定外」の巨大地震・津波が発生した場合に、どんな事態になるかということについて思考停止してしまったこと。
第二の局面は、全電源と冷却水の喪失による炉心溶融が生じた場合の、原子炉の封じ込めや住民避難について対策を立てておくことまで、思考停止してしまったこと。
「想定外」という思考停止の二重構造は、大失敗の二重構造でもあった。


3.1. ゴミ問題 ①
(最近試みに考えたことを試みに記します。)
▲地球環境劣化の原因の一つにゴミの不法投棄がある。まずゴミにはどんなゴミがあるのか、ゴミの仕分けをしておきたい。
・昔ながらの立派なゴミ。使い古した下駄や草履など。その他にも幾らでもある。要するに生命体に害毒を与えず自然状態で循環し、例えば有機肥料になるゴミ。
・5つの極悪ゴミ
1.重金属。水銀、カドミウム、クロム、亜鉛など。水銀が原因で生じた水俣病、富山県でのカドミウム汚染、東京都江東区での六価クロム汚染など、これらの重金属は使用後は回収して厳重に封じ込めない限り、周辺に害毒を及ぼし続ける。
2.有機塩素化合物。ダイオキシン(例えばペットボトルを中低温で燃やすと出る)、DDT、PCB、フロン、その他の有機溶剤が含まれる。これらの物質はほとんどが分解不可能で、環境中に蓄積されていくばかり。これらの物質は私どもの日常生活ででも出る。
3.アスベスト。現在も何処かの企業と周辺住民が係争中。例えば小学校の校舎で使われたアスベストが生徒たちの健康を害していると報道されたのは、もうだいぶん前。はがされたアスベストが何処でゴミとして捨てられているのだろうか。他の建築廃材と一緒に中間処理施設で解体され何処かの処分場に埋められているのだろうか。
4.放射性廃棄物。その筆頭がプルトニウム。原発で使用された核燃料をフランスに運び出し、そこで再処理してできたプルトニウムをまた日本に持ち帰る経緯の一部はテレビで報道された。途中で船がシージャックされないように航路は極秘。その後、プルトニウムは高速増殖炉で燃やされ、その燃えカスが有毒な放射性ゴミとなり、半永久的に効力を発揮し続ける。何処かに永久保存するしかない。医学用に使われる放射性物質も最終的には何処かに保管するしか道はない。原発を続け、放射性物質を使っている限り、地球上のあちこちに永久保存庫を増設しなければならない。将来もし仮に原発がすべて閉鎖される時期が来れば、原発は巨大で恐ろしいゴミになる。しかしながら最早、原発の稼動や新設の時代ではない! 核のゴミを処理する有効な技術が必要である。
5.兵器。例えばカンボジアに残された地雷、旧日本軍が中国国内に隠匿した毒ガス弾など。それらは作るより処理する方が費用がかかる。米国がイラクなどで使用した劣化ウラン入りのクラスター爆弾。世界の主要国が保有している未使用の核兵器も、見方を変えれば、ゴミであることに変わりない。戦争状態と戦争準備もそして戦争後も環境破壊の源泉。(続く)

3.2. ゴミ問題 ⓶
▲ゴミは遠くに投棄される。
かつてテレビで報道されていた。日本海(韓国側から言えば東海)へ韓国のゴミ運搬船がゴミを投棄するところが。日本も日本海へゴミを投棄していた頃があったそうだ。
県境の山峡に投棄された粗大ゴミの山を見たこともある。焼け焦げたタイヤが放置されていた。
原発は殆どが辺境に設置される。
兵器を自国で使用する国はない(侵攻された場合と演習以外で)。
かつてテレビで見た。フィリピンの漁村に運ばれたダイヤル式電話の山。プッシュフォンに替わった頃、1億台ほどのダイヤル式電話の殆どが不要になった。その一部の電話機の中からコイルや磁石を取り出した後、輸出されたのであろうが、取り出された後すべてはゴミとなり、何十年、もしかしたら何百年も日本の電話機の残骸がその漁村に残り続けるだろう。
ゴミは都会から田舎へ、先進国から発展途上国へ移される。その逆はあり得ない。その場合の運び手は民間業者であり、捨てる側は運び手にゴミを渡すと、もう知らぬ顔。運び手はなるべく費用のかからない処理をして、人目につきにくい場所へもって行く。処分場を取り締まる権限は市町村にはなく、権限を有する県も、あまり厳しく制限すればゴミ行政そのものが行き詰ることを承知している。運び手の民間業者の処分場への規制がおろそかになりがちである。日本国内の山峡などにそうした処分場が幾つもある。しかも違法行為を自治体が見て見ぬふりをした処分場がある。
かつて関東の大きな市がゴミを処理しきれずに業者委託して、青森県に運ばせ、民間の処分場に投棄した。田舎町の町長が関東の市長に抗議したところ、うちにはゴミを投棄する所がないのでやむを得ない処置だったと弁明した。怒ったのは町長で、おたくの県にゴルフ場は幾つあるのか、三つや五つじゃきかないだろう、ゴルフ場を作る場所と金はあっても、ゴミを捨てる場所はないのかとかみついた。
ゴミに対してどういう対策をとれば良いのか。(続く)

3.3. ゴミ問題 ③
▲ゴミに対する五つの対策
Ⅰ.ゴミは燃やせば良いという考えを見直す。焼却炉建設には数十億円以上の費用がかかるが、近頃では高熱を出す可燃物が増えており、炉が傷みやすく二十年程度の寿命しかない。その上、燃焼によって化学反応が起き、ダイオキシンなどの有害物質が生じ、灰にも水銀や砒素、鉛、カドミウムなどの有害な重金属が濃縮される。極悪ゴミの第一と第二を炉でわざわざ作り出しているようなもの。有毒物が出ないように燃やすゴミを厳選すべきである。日本では都市で出るゴミの四分の三が焼却されているが、ドイツでは22%、米国では16%で、日本は燃やすことに異常な執念をもっているようだ。
Ⅱ.有害物質生産に対する監視と規制が生ぬるい。水俣病にしても、チッソから流されたゴミとしての水銀が原因だった。あの教訓が今日生かされているであろうか。合成化学によって作られた製品が、その処理過程や廃棄処分過程で有毒物質を発生するかどうか、厳重に監視されているだろうか。監視機関が充分に機能しているのかどうか。産業優先の立場から、物が一方的に作られる。水銀電池や水銀体温計や、PCBを使ったコンデンサーや変圧器、クロムや砒素を沁み込ませた防腐木材など、本来は製造を許可すべきではない。
Ⅲ.ゴミの後始末も製品の生産者が責任をとるように法規制をすべき。例えば自動車や冷蔵庫など、使い切った後はそれを生産したメーカーにどんどん持ち込んでいいという法律があれば、メーカーは慌てふためくだろう。不要になったペットボトルをメーカーの敷地にどんどん捨ててよいとなれば、生産者の工場はゴミの山になる。これまで、製品の生産者は、後始末は考慮せずに製品を一方的に作り出してきた。一般市民が使った製品の後始末はすべて自治体任せで、その費用は税金。
生産した製品の最後の最後までメーカーが責任をもつことを法律で規制すれば、製品も形を変えるだろう。壊しやすく再利用できる容器にしたり、もちろん有害物質の混入にも気をつけるようになるだろう。
数年前、ペットボトルやガラス瓶は自治体が分別収集し、容器メーカーと飲料水メーカーが再商品化すべきとの法律ができた。「容器包装リサイクル法」という聞こえはいいが、実質負担がかかるのは消費者と自治体。製造業者は申し訳程度に再生工場を作っただけ。再生工場が少ないので、自治体から持ち込まれた容器で溢れている。九割以上は再商品化し、新品は一割以下に抑制すするというような法規制が必要なのではないか。家電のリサイクルも、そのリサイクル率が問題で、50%程度であれば、企業側の負担は少なく、80%、90%を義務化すべきである。こうしてこそ、企業に危機感が生まれ本腰で努力するはず。(続く)

3.4. ゴミ問題 ④
Ⅳ.第三の問題点を補足するのがリサイクル促進。リサイクルしやすいように課税と補助金の仕組みを考え直す必要がある。
例えば本や雑誌、新聞紙のリサイクル。これは回収が盛んになるほど古紙の値段が下がり、業者が悲鳴をあげているのが現状。この袋小路を打破するには、古紙再生紙の活用の道を拡大するしかない。新聞社や雑誌社や印刷会社などに対して、古紙利用の紙を例えば50%以上にする旨の法規制をする。企業で再生紙以外を使ったときにはその量に課税する。外国からのパルプや古紙の輸入にも課税し、流入を最小限に抑える。
自動販売機によって大量にばらまかれているアルミ缶やスチール缶もメーカーに強制的に再利用させるようにしなければ、回収だけでは何の解決にもならない。その場合、販売価格に回収のための上乗せ金を加える、いわゆるデポジット制度を導入する。既にビール瓶などで行われている制度だが、これを缶瓶類やペットボトルにも拡大する。
更に大きな問題であるのは、プラスチックのトレイやナイフ、フォークや梱包製品。これらは初めから捨てられる運命にあるので、全廃棄物に占める割合が大きい。ドイツではこれらの製造業者や流通業者は、使用済みのものを回収し再利用することが義務づけられている。私が経験したことだが、立食パーティでの取り皿がジャガイモの澱粉で出来ていた。この皿なら捨てても何の害にもならない。
Ⅴ.ゴミ処理に関するすべての情報を住民や消費者に公開する。さらに行政の政策決定への住民の参加。企業から出されるゴミの量や回収率、再利用度、自治体でのゴミ処理の実情、処分場(官民を問わず)の実態など、すべてをガラス張りにすれば、現状把握につながり、改革へのきっかけになる。
私ども消費者はゴミの分別などには気をつかうが、家庭や企業から出るゴミが最終的に何処でどう処理されるのかに関しては、それほど気をつかっていないだろう。焼却場や処分場に住民による監視の権利を与えてこそ、汚染が防止できる。
ゴミ問題に関して、まだまだ注意すべきことがあろうが、この辺で終わりたい。ゴミ問題に関する私自身の調査能力の限界です。黒澤明監督の晩年の映画『こんな夢をみた』(珍しくカラー作品)にはゴミで出来た島が爆発炎上する場面がある。これは、もしかしたら地球がゴミで埋め尽くされたあげくの果てに、爆発炎上する「夢」を描いたものかもしれない。(一応、了)
夢 : 黒澤明 : Free Download, Borrow, and Streaming : Internet Archive
全編を観られないのが残念です。
世界のゴミ問題とは?現状・原因と今からできる対策を解説 | SDGsコンパス
日本で深刻なごみ問題。世界で広がるごみゼロ運動「ゼロ・ウェイスト」とは? | 日本財団ジャーナル

4.1. 原発コスト ①
(03年に切り抜いた新聞記事から。温暖化対策で原発の効用を再認識しようという情勢がある。原発の是非について考える材料としたい。)
原発の使用済み核燃料の再処理など、核燃料サイクルを前提にした原発の後処理費用が、総額18兆9千億円になるとの試算を電気事業連合会が公表した。電力業界や政府は、天然ガスや石炭火力発電に比べ原発の発電単価は割安としてきたが、後処理費用を加えるとコストの優位が薄れることになる。
試算は再処理工場が06年から40年間操業することが前提。後処理費用18兆9千億円を、この期間に原発で発電すると想定される電力量で割った発電単価は、1キロワット時あたり1.53円、集めた資金を使うまでの運用益を現在の金利水準で見込むと同1.13円になる。この半額近くにあたる再処理工場の操業費と高レベル放射性廃棄物の処理費は、既に電気料金として徴収が始まっている。(以下、詳しい数字が試算されている。続く)

4.2. 原発コスト ⓶
発電単価は、99年に政府の総合エネルギー調査会(当時)原子力部会の試算で、原子力が5、9円、天然ガス火力が6、4円、石炭火力が6、5円、石油火力が10、2円とされた。原発の発電単価に後処理費用を織り込むと、6円台になるとみられる。
経済産業省や電力業界は、一貫して「原発の発電コストはほかの電源より割安」とし、原発推進の拠り所としてきた。だが、後処理費用を上乗せすると、原発の経済優位は薄らぐ。
電気事業連合会は、中東依存度の高い石油と比べ、ウラン燃料は安定して調達できることや、二酸化炭素を排出せず環境負荷が小さいことなど、総合的に判断すると、依然、原発の優位は崩れないとの立場を維持する。
それでも、後処理費用の追加負担について、電力業界には「全額負担は重すぎる」との意見が根強い。これまでは地域独占が認められ、発電コストも総括原価主義で電力料金に上乗せすればよかった。
しかし、00年から始まった電力の小売の自由化で、新規事業者との激しい価格競争が強いられている。石炭や天然ガス火力などで発電した安い電力を武器にシェア拡大をめざす新規事業者に対し、電力各社は1基で4千億円とされる原発の新規建設計画をもつ。(続く)

4.3. 原発コスト ③
さらに巨額の後処理費用の大半を電力会社が負担すると、競争上不利との見方もある。「自由化の中で膨大な原発コストを回収できるか? 原発をもつこと自体がリスク要因になる時代に入り、株価にも影響を及ぼす。」とも言われる。
一方、放射性廃棄物の最終処理には数万年という管理が必要で、費用の負担も長期にわたる。このため電力業界には「数万年は企業の負担を超えている。原発の恩恵は誰もが受けているので、後処理も広く薄く負担してもらいたい」と、新規事業者や政府にも引き受けを望む意見が多い。
しかし、経済産業省は追加支援に否定的だ。再処理工場の操業費徴収制度で税制上の優遇を講じている上、収益力の高い電力会社にさらなる支援をする説明がつかないためだ。今後の役割分担や費用負担については、これから議論が始まるが、簡単には結論が出にくい情勢だ。 (続く)

4.4. 原発コスト ④
原発の使用済み核燃料の再処理など、核燃料サイクルを前提にした原発の後処理費用に18兆9千億円かかるという。気の遠くなる金額である。さらに、最終処理には数万年という管理が必要だとのこと、これもまた気の遠くなる話だ。
ところで、日本の核燃料サイクル事業とは、使用済み核燃料を再処理してプルトニウムを取り出し、再利用する事業のことだ。高速増殖炉で使う予定は95年の「もんじゅ」のナトリウム漏れ事故で停止した。国や電力会社は当面、プルトニウムをウランとの混合酸化物(MOX)燃料に加工して原発で使うプルサーマル計画を進めているが、東京電力の計画は原発トラブル隠しで福島県や新潟県が事前了解を撤回。
以上のような巨大な価格、数万年という年数、必ず起こる事故などに鑑みるとき、原発が電力供給源として果たして必要なのかという問題が現実味を帯びてくる。欧州では、脱原発の動きが主流であったが、ここ数年来原発推進に動いている。この欧州の動きも日本の原発擁護派を刺激した。
原発に替わる電力源として、太陽光発電や燃料電池などのコストダウンにもっと税金を費やすべきではないか。さらに、それに先だって、電力需要を企業や家庭が抑える努力をすべきである。これは難しいことであるかもしれないが、抑えなければ、原発を生業としている電力事業会社と国の言いなりになるかもしれない。価格、年数、事故、この三者を乗り越える術のひとつは需要者側にあると思う。一説に、自動販売機を全部無くせば、原発の3分の1は不必要になる。昼夜逆転の生活を元に戻すことも一つの術であろう。私どもは、出来るところから電力需要の減に心がけねばならないと思う。無謀な原発に頼らないために。(一応、終り)
原発の発電コストは一体いくらなのか | 原子力資料情報室(CNIC)

5. 「人間環境宣言」
ダイオキシンの研究で知られる脇本忠明愛媛大学名誉教授(昨年2025年1月逝去)が2002年に『「私が変わります」が地球を守る』の中で「21世紀人間環境宣言」を提言している。
「人間環境宣言」と言えば、1972年に国連から発表されたものがある。その背景にはローマクラブが「成長の限界」で提起した問題意識があった。
「グローバルに考え、ローカルに行動する」ために、皆の参加、協力が不可欠だ、というものだ。
この宣言が世界に与えた影響は大きい。日本の環境庁(現・環境省)の活躍もそこに端を発している。様々な対策、国際交渉が行われ、環境問題は多くの人々の共感と理解を得ている。にもかかわらず現実には、温暖化ひとつをとっても対策のスピードは事態に追いついていない。地球環境という人類生存の土台が壊れるのは、時間の問題だと既に諦めつつある科学者もいる。もっと根本からのアプローチが必要だろう。
脇本教授によると、ダイオキシン問題の元々はゴミ問題にある。これは私たち一人ひとりのライフスタイル、またその前提にある生活意識、とりわけ私たちを支えてくれる地球環境の恩恵に対する受けとめ方と不可分のものであるという。確かにこの環境の危機を自分の責任と受けとめ、地球環境の働きに自発的に応える、という意識改革が必要である。
科学者も、現実がどのような危ない未来をつくろうとしているのか、その因果関係を科学の諸分野だけに限らずもっと幅広くとらえ、社会にも発信していく必要があろう。それが「科学者である前に一人の人間である」ということではないか。
解決困難な事態に対して、枠組みを超えて対峙しなければならないのは環境問題に限らない。20世紀は専門分野を細分化し、事態の理解を細かく掘り下げることには大きな成果をあげたが、それを統合する力は弱まった。経済や政治、とりわけ最貧国への支援などでも統合する力の必要な問題が山積していると思われる。


6. 海面上昇ーーー例えばツバル
海面上昇で深刻な影響下にある南太平洋の島国、キリバス、マーシャル諸島、モルディブ。ここではツバルを取り上げます。過去30年間で海面が約15cm上昇。2050年までに首都フナフティの半分が満潮時に水没、2100年までに国土の90%が浸水すると予想されています。(第二次大戦中の滑走路建設による埋め立てや地形変化も一因ではありますが。)
大きな注目を集めるようになったのは、1999年頃からであります。それは、1995 年、人為的地球温暖化を益々確信をもって主張しはじ めたIPCCの第2次報告書が出版され、1997年には、京都議定書が取り交わされたとい う時代背景と連動していると思われます。
海面上昇に伴う塩害が農業に深刻な影響を与え、食料自給率の低下や生活費の上昇をまねいています。持続可能な未来が脅かされています。
海面上昇とは?原因・理由と日本や世界への影響は?対策や今後沈む国が出てくるのかを簡単に解説 - Spaceship Earth(スペースシップ・アース)|SDGs・ESGの取り組み事例から私たちにできる情報をすべての人に提供するメディア

7. 氷床融解
氷床融解は、地球温暖化の影響で急速に進んでおり、特に南極やグリーンランドでの融解が海面上昇に大きな影響を与えています。
氷床融解、海面上昇を引き起こし世界中の沿岸地域に影響を及ぼします。特に、グリーンランドからの氷の流出は、全世界の海面上昇の約40%を占め、これが海洋の塩分濃度や循環に影響を与える可能性があります。
氷床融解は、地球温暖化の進行と密接に関連しており、温暖化が進むことで氷床融解が加速しています。これにより、海面上昇のみならず気候パターンの変化や生態系への影響も懸念されています。
グリーンランドや南極の氷は?氷床モデル研究者が解説する現在と未来|JAMSTEC BASE

8. 北極海温暖化
資源争奪競争のため米国や中国、ロシアの覇権争いが幕を開けた北緯66度33分以北の北極圏では、地球平均の4倍の速度で温暖化が進む。
北極の温暖化は日本に猛暑や豪雨、豪雪といった異常気象をもたらすことが分かってきた。北極を知れば、地球の未来が見える。
奇しくも、北極海の面積は南極大陸とほぼ等しい。
北極海中央部は、水深約4,000mの深海平原であり、最深部は5,440mに達する。
北極海の汚染はシベリア大河から流入するものに加え、北半球に発達した産業圏からの汚染物質が、流入海水の他、北極域気団がやや閉鎖的性状を有することと降水現象があまり活発ではない季節があることからエアロゾル(大気中に浮かぶ液体または固 体の微粒子)となって飛来する。
北極・南極における海氷生成は、地球全般の気候に影響を及ぼす。このこと一つを取り上げても、極域の海氷衰退 は、海運業界には恩恵を与え得るが、地球環境及び地球上に生命を有するものに対しては、 深刻なダメージを与える可能性は否定できない。
【気候変動に挑む】北極海航路の開発と環境保全を目指して | SDGs | リサーチタイムズ

9. 南極大陸
南極内陸域で世界平均より早い気温上昇を初観測 ~南インド洋の温暖化が南極の氷を溶かす~ | 2025年度 研究成果 | 国立極地研究所
皇帝ペンギン、絶滅危惧種に指定。地球温暖化による海氷減少が原因。

10. 地球温暖化「2015年ごろから加速」と新聞が(2026/4/9)
独ポツダム気候影響研究所などのチーム。
温暖化は長年、「ほぼ一定のペースで進んできた」と考えられてきた。だが、近年、記録的な高温が相次ぎ、「加速しているのではないか」という疑問が浮上していた。
チームは、△エルニーニョやラニーニャといった海面水温の変動△大規模火山噴火△太陽活動の変化という要因三つを差し引き、その上で「調整すみデータ」を用いて分析した。
その結果、2013~4年を境に温暖化の進行が速まっていることが分かった。
1970年代以降の約40年間、地球の平均気温は10年あたり約0.2度のペースで上昇してきた。が、過去10年間では、そのペースが約0.35度に達していた。これは観測史上(1880年以降)で最も速い上昇率だという。

10. 0.1%
地球は確かに「水の惑星」ですが、その99.9%は人間が飲めない水です。わずか0.1%だけが人間がすぐに使える水なのです。
また空気中の二酸化炭素は現在0.35%ですが、これがもう0.1%増すと地球の気候変動は大変なことになります。
0.1%の水も0.1%の二酸化炭素も森や山の状態に左右されています。人類が今世紀に、またそれ以降にも、持続可能な発展を遂げようとするならば、森や山とどう共生するかが欠かせないテーマです。
木々の葉の力の、その偉大さに改めて驚かされます。サクラでもスギでもカツラでも、あの葉で水と二酸化炭素(と土壌)から太陽エネルギーの助けで太い幹を創ったのです。液体と気体から、あの葉で固体を合成したのですから、殆ど無から有を生じさせたようなものです。しかも、人間が物を製造すると、常に処理に困る廃棄物がつきまとうのに、葉は炭水化物を造る時に酸素を排出するだけです。そして当然、人間はその酸素がないと生きることができません。
水と二酸化炭素に関する0.1%という数値は、この上なく貴重な地球の存在の重みを象徴的に表しています。そして0.1%という数値と森の営みとには切っても切れない重要な関係があります。木の葉の低力と価値には今更ながら驚かされます。私どもは、森や山からの目に見えない恩恵を普段からもっと心に留めなければならないと思うのです。
