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「動物病院四方山話」02(ハトのヘルメット)

私の名前は「みぃ」
動物病院で暮らしている猫
私が経験した動物病院での四方山話を紹介しています

前回の動物病院四方山話はこちら


段ボールのおうちから外を見ていると、看護師さんが二人、入院室に入って来た。私たちの前を素通りしていったわ。

どの子の所に行くのかしら?と思っていたら、あの大きなかごの所に行ったの。そう、ハトさんが入っているかご。ハトさんは野鳥として保護されてここに連れて来られたんだって。

他の野生動物もよく連れてこられていたわ。野生動物は治療費をいただかずに治療するんだって。無事治療が終わって元気になったら、また自然に帰してあげるそうよ。
でもね、スズメやツバメ等の小さなヒナはなかなか元気に育ってくれないんだって。里塚先生がそう言ってた・・・。

病院に来る野生動物で多いのはやっぱり野鳥ね。タヌキとかもたまに連れてこられたりしたけどね。

この子も保護された野鳥さん
ヒレンジャク

看護師さんがハトさんをそっとかごから出した。もう一人の看護師さんは茶色いコットンをピンセットで挟んで持っていた。そのコットンをハトさんの頭にトントンと付けていた。イソジン、っていう消毒液をしみこませたコットンなんだって。

イソジン消毒液がしみ込んだコットン

そのハトさんは頭をけがしていたみたいなの。可哀そうにこのハトさん、寄ってたかって他のハトからつつかれてたんだって。集団で攻撃されていたみたい。
学校帰りの小学生がそれを見ていて、助けてあげたんですって。

イメージ図
この頭の全体がつつかれてケガをしていた

鳥の世界では珍しいことではないらしいの。ちょっと怖い話なんだけど、集団で特定の仲間を攻撃する事があるそうなの。

里塚先生が小学生だった頃、学校に鳥小屋があったんだって。そこにはたくさんのインコがいたんだけど、そこでも集団で攻撃されてた子がいたって言ってたわ。

一説によると、体が弱った子は外敵に襲われやすいので、群れから離すためともいわれているらしいの。

可哀そうにこのハトさんもそうやってみんなにつつかれたのね。でも、今は頭の傷も大分良くなってかさぶたになっていたわ。

頭のかさぶた
友情出演:ニワトリイヌ(って誰?)

それから三日後に看護師さんたちがハトさんの消毒をしようとしていた時だったわ。

看護師さんたちの動きが止まった。

どうしたのかしら・・・。

実際には音は鳴っていないと思うんだけど、「パラリ」と音がして、小さな茶色いヘルメットがゆっくり床に落ちていったの。

スローモーションを見ているようだったわ。

 ・・・えっ。
 ・・・何?
 ・・・何が落ちたの?

と思ったら、看護師さんたちがクスクス笑いだした。

 ・・・どうしたの?
 ・・・何が起こったの?

その時、ふとハトさんを見たら、ハトさんの頭が見事におハゲになっていたの!
そう、床に落ちたヘルメットは、ハトさんのかさぶただったの。しかも、頭の形のかさぶたよ。
見事なヘルメットの形。

床にヘルメット、もとい…かさぶた
本人の名誉のために、頭は写さないように配慮しました
偶然子ひよこの頭にもヘルメットが・・・
カリメロみたい(古っ!)

ハトさんには悪いけど、私もつい笑ってしまったわ。

看護師さんたちはしばらく笑っていたけどやっと落ち着いたみたい。
そしたら、落ちた「ヘルメット」を拾ってハトさんにまたかぶせたの。もちろんぴったりフィットの「ヘルメット」だったわ。

私はそれを見てまた笑ってしまったわ。

 ・・・もう、私に絵心があったら面白可笑しくマンガにして説明してあげれるのに・・・

「ごめんね、笑ったりして。でもケガが治って良かったわね。早く頭の毛が生えるといいね。」(正式には羽毛だけどね)

看護師さんたちはそう言って入院室を後にした。

その後、入れ代わり立ち代わり看護師さんや獣医さんがハトさんの所へやってた。
もちろん「ハトのヘルメット見学ツアー」、にね。

みんなヘルメットとハトさんを交互に見てクスッと笑いながら、

「治ってよかったね。」

と言っていた。
何ともほほえましい光景でこちらまでニコニコしてしまったわ。

ハトさんは、その二日後に野生へと帰って行ったのでした。

おわり

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