【家電猫】第5話
ライバル登場!?
誇り高き騎士、ケトニアン様!

さわやかな朝のキッチン
トースター猫が
のんびり朝ごはんの
準備を始めていると
突然、高らかな笑い声が
聞こえてきました。
「フハハハ! 待っていたぞ、トースター!
今日こそは、このキッチンにおける
真の勝者を決める時だ!
どちらが先に、ご主人様に
完璧な朝食を提供できるか
……朝食対決、開戦だ!
ケトニアン様の力、見せてやる!」
現れたのは
メタリックな
ケトル猫の、ケトニアン。
「ひゃあ! また来たニャ!
朝食は 競うことじゃなくて
美味しく作ることなのニャ……。」
トースター猫は
やれやれと、あきれた様子で
ケトニアンに構うことなく
朝食の準備を続けます。

「フン、貴様のような とろい家電に
俺様のスピードは 真似できまい!
0.1秒で沸騰させて
最高のアールグレイを淹れてやるぜ!」
ケトニアンは、そう言うと
自分自身のスイッチを
最大出力で入れます。
「ケトニャン、すごい熱気ニャ!
お水が ビリビリしてるニャ
ケトニャン、がんばってるニャア…」
トースター猫は、そう言うと
のんびりマイペースにパンを
焼き始めました。

「け…ケトニャン!? だと…貴様…
俺様は『ケ・ト・ニ・ア・ン』様だ!!
『けとにゃん』などという
可愛い名前ではない!!
威厳が台無しだろうが!!」
トースター猫の言葉で
ケトニアンの怒りは頂点へ。
頭のフタから「ピーーー!!」と
凄まじい勢いで、湯気を噴射します。

「ひゃあああ!! ケトニャンが
怒って お湯を吹いたニャーー!!
アツアツで 火傷しちゃうニャア!!」
そう言うと、トースター猫は
あまりの音の大きさに
焼いたパンのことも忘れて
あたふた大慌て。
「お…おのれトースター!!
違う! 何度も言わせるな!!
俺様はケトニアン様だ!!
ああっ、怒りで お湯が……お湯が……!!」
怒りで真っ赤になった
ケトニアンの注ぎ口から
お湯がボコボコと激しく
噴き出してしまいました。

「……くっ、俺様としたことが
誇り高き騎士として、あるまじき失態だ!」
注ぎ口からは
熱湯が滝のように溢れ出し
カウンターの上は
水浸しになってしまいました。
「……フッ、どうやら今回は
『引き分け』のようだな!
だが覚えていろ、次こそは
このケトニアン様が
必ず、最高の朝食を作って
やるからな!!」
ケトニアンは
中身が空っぽになった体で
必死に負け惜しみを言うのでした。
「ひゃあ……。
お湯は一滴も残ってないし
パンはカチカチの炭に
なっちゃったニャア…」
そう言うと、トースター猫は
真っ黒になったパンを見つめ
ご主人様に、美味しい朝ごはんを
出せなかったことが悲しくて
しょんぼり泣いてしまいました。

ケトニアン
明日は、2匹で仲良く協力して
ご主人様に「ちょうどいい」
朝ごはんを届けられるといいね。
つづく
