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なぜ、あの人とは分かり合えないのか。― 1万人の女性と向き合って辿り着いた『髙森式 思考・行動SM理論』(その1)

はじめに

「私だったら、そんなことはしない。」

そう思ったことはありませんか。

なぜ、あの人はそんな考え方をするのだろう。
なぜ、そんな言葉を平気で口にするのだろう。
なぜ、そんな行動を取るのだろう。

私には理解できない。

しかし、その一方で、相手もまた、あなたに対して同じように感じているのかもしれません。

「どうして、この人は分かってくれないんだろう。」

私たちは、自分とは違う思考や行動を目の前にすると、「理解できない」という壁にぶつかります。

一人で静かに過ごすことを心地良いと感じる人もいれば、一人でいると不安になり、誰かと繋がっていないと落ち着かない人もいます。

流行を気にせず、自分の好きなものを選ぶ人もいれば、今話題になっている場所や物に心を惹かれる人もいます。

会社の昼休み、一人でゆっくり食事をしたい人もいれば、みんなで集まって食べることに安心感を覚える人もいます。

どちらが正しい、間違っているという話ではありません。

それなのに私たちは、自分とは違う思考や価値観に出会うと、つい相手を理解できずに悩んでしまいます。

「どうしてあの人は、そんな考え方をするのだろう。」
「どうして、そんな言葉を平気で口にできるのだろう。」
「私だったら、そんなことはしないのに……。」

そして、ときには、

「もしかして、私の方がおかしいのだろうか。」

そう自分を責めてしまうことさえあります。

私はこれまで、女性の性と心の専門家として、カウンセリングや施術、性教育セミナーなどを通して、1万人以上の女性たちと向き合ってきました。

その中で、私は何度も不思議に思う場面に出会いました。

「この方と、あの方は、まったく違う人生を歩んできたはずなのに、なぜここまで思考や行動が似ているのだろう。」

年齢も違う。
育った環境も違う。
仕事も違う。

それなのに、驚くほど似た言葉を使い、驚くほど似たことで悩み、驚くほど似た行動を取る人たちがいるのです。

最初は偶然だと思っていました。

しかし、そのような場面が何度も何度も積み重なっていくうちに、私の中で一つの疑問が生まれました。

「これは偶然なのだろうか。」

さらに、女性たちは、自分自身のことだけではなく、旦那さんや彼氏、職場の上司や同僚など、本当にさまざまな人間関係についても話してくださいました。

その話を聞けば聞くほど、私はもう一つの不思議な共通点に気付き始めたのです。

それは、女性だけではありませんでした。

男性にもまた、驚くほど似た思考や行動のパターンが存在していたのです。

もちろん、人は一人ひとり違います。
性格も違えば、育った環境も違います。
価値観も違えば、生きてきた人生も違います。

それなのに、思考や行動には、不思議なほど共通するパターンが繰り返し現れていました。

その「偶然」は、100人、500人、1,000人……と積み重なり、やがて1万人を超えた頃には、もう偶然とは思えなくなっていたのです。

そして、その瞬間、私の中で一つの確信が生まれました。

「やはり、これは偶然ではない。」

人の思考や行動には、性格や育った環境だけでは説明できない、もっと根本的な法則が存在するのではないだろうか。

私は、その答えを知りたくなりました。

もし、この共通点が単なる偶然ではないのだとしたら、その背景には、必ず何らかの理由があるはずです。

そこで私は、自分の経験や感覚だけで結論を出すのではなく、医学的・科学的な根拠を探し始めました。

心理学だけではありません。
脳科学。
内分泌学。
遺伝学。
進化生物学。

国内外の医学論文や数多くの研究を読み進めながら、現場で積み重ねてきた1万人以上の女性たち、そして、その女性たちから語られる男性たちの思考や行動と、一つひとつ照らし合わせていったのです。

すると、それまでバラバラに存在していた知識と経験が、まるでパズルのピースのように、ある瞬間、一気につながりました。

「ああ、そういうことだったのか……。」

人の思考や行動は、性格や育った環境だけで決まるものではありませんでした。

その背景には、脳の働き、神経伝達物質、そして、それらに大きな影響を与える性ホルモンという、もう一つの重要な要素が存在していたのです。

そして、世界中の研究と、私が現場で積み重ねてきた1万人以上の経験が一本の線として結び付いたとき、一つの理論が私の中で形になりました。

それが、

『髙森式 思考・行動SM理論』

です。

この理論は、人を分類したり、決めつけたりするための理論ではありません。

「なぜ、この人はそう考えるのだろう。」

その答えを知り、自分とは違う価値観や思考を理解するための理論です。

そして何より、

これまで理解できなかった相手を理解し、

「私がおかしかったわけではなかった。」

そう気付くための理論でもあります。

実際に、この理論をお伝えした多くの方から、

「人間関係が楽になりました。」

「相手の思考や行動が理解できるようになり、イライラするよりも笑えてくるようになりました。」

「これまで苦手だった人とも、無理に分かり合おうとしなくなりました。」

というお言葉をいただくたびに、私は改めて思うのです。

人は、相手を理解できないから苦しむ。

でも、理解できた瞬間、その苦しみは少しずつ消えていくのだと。

それではここから、

『髙森式 思考・行動SM理論』

をお話ししていきたいと思います。



世界中の研究が明らかにした「人の思考と行動」

「人の性格は、生まれ育った環境によってつくられる。」

長い間、そのように考えられてきました。

もちろん、育った環境や経験が人格の形成に大きな影響を与えることは間違いありません。

しかし、それだけでは説明できない「人それぞれの違い」が存在することも、世界中の研究者たちによって数多く報告されてきました。

同じ家庭で育った兄弟姉妹であっても、性格や考え方は大きく異なります。

同じ出来事を経験しても、ある人は前向きに受け止め、ある人は慎重になり、また別の人はまったく違う判断をします。

なぜ、このような違いが生まれるのでしょうか。

その答えを求めて、心理学や脳科学、精神医学の分野では、「人間の気質や行動は、脳内で働く神経伝達物質やホルモンと深く関係している」という研究が数多く積み重ねられてきました。

その中でも、私が『髙森式 思考・行動SM理論』を構築する上で、大きな影響を受けた研究が二つあります。

一つ目は、生物人類学者であるヘレン・フィッシャー博士の研究です。

フィッシャー博士は、人の思考や行動、恋愛傾向には、ドーパミン、セロトニン、テストステロン、エストロゲンという神経伝達物質や性ホルモンの優位性によって、人を「冒険家」「建築家」「指導者」「交渉者」の四つのタイプに分類しました。

そして二つ目は、精神医学者ロバート・クロニンジャー教授が提唱した「気質と性格の理論(TCI)」です。

クロニンジャー教授は、ドーパミン、セロトニン、ノルアドレナリンなどの神経伝達物質の働きによって、人それぞれの気質や行動傾向が決まると提唱しました。

研究手法や分類方法は異なりますが、この二つの理論には共通する考え方があります。

それは、人の思考や行動は、単なる性格や育った環境だけではなく、脳内で働く神経伝達物質が深く関わっているということです。

私は、この二人の研究に深く共感し、多くのことを学ばせていただきました。

ヘレン・フィッシャー博士の理論には、ドーパミンやセロトニンといった神経伝達物質だけでなく、テストステロンやエストロゲンという性ホルモンも含まれています。

また、クロニンジャー教授の理論にも、ドーパミンやセロトニン、ノルアドレナリンといった神経伝達物質が登場します。


すべてを動かしていた「二つの性ホルモン」

二つの理論を読み進めるうちに、私の中で一つの疑問が生まれました。

「これらの神経伝達物質は、それぞれが独立して働いているのだろうか。」

実は、そうではありませんでした。

ドーパミンやセロトニン、ノルアドレナリンといった神経伝達物質は、独立して働いているわけではなく、互いに影響し合いながら働いているのです。

そして、その働きには、テストステロンとエストロゲンという二つの性ホルモンが深く関わっているのです。

例えば、エストロゲンは、安心感をもたらすセロトニンを増やし、やる気や意欲、達成感に関わるドーパミンの感度を調整します。

一方、テストステロンは、ドーパミンと、闘争心や警戒心に関わるノルアドレナリンの働きを活発にします。

つまり、ドーパミンやセロトニン、ノルアドレナリンといった神経伝達物質が、現場で働く「プレーヤー」だとすれば、その動きを裏でコントロールし、全体の働きを方向づけている「指揮者」こそが、テストステロンとエストロゲンという二つの性ホルモンだったのです。

そう考えると、ヘレン・フィッシャー博士やロバート・クロニンジャー教授の理論も、より深く理解できるようになります。

そして、その先でたどり着いたのが、『髙森式 思考・行動SM理論』です。

では、人の思考や行動を方向づける「指揮者」ともいえる、テストステロンとエストロゲンという二つの性ホルモンについて、次章で詳しく見ていきます。


テストステロンとエストロゲンとは何か

テストステロンとエストロゲンという性ホルモンの名前は聞いたことがあっても、いまひとつピンとこないという方も多いのではないでしょうか。

では、「男性ホルモン」「女性ホルモン」という言葉はいかがでしょうか。

この言葉なら、一度は耳にしたことがあると思います。

実は、テストステロンは一般的に「男性ホルモン」、エストロゲンは「女性ホルモン」と呼ばれています。

しかし、この呼び方が、実は多くの人に誤解を与えてしまっています。

「男性ホルモン」という名前だから男性だけにあるもの。

「女性ホルモン」という名前だから女性だけにあるもの。

そのように思っている方も少なくありません。

ですが、その理解は医学的には誤解です。

私たち人間の身体では、男性にも女性にも、テストステロン(男性ホルモン)とエストロゲン(女性ホルモン)の両方が分泌されています。

違うのは、「ある・ない」ではなく、それぞれのホルモンがどのくらい分泌されているのか、その割合です。

例えば、テストステロン(男性ホルモン)は、男性では多く分泌されていますが、女性の身体からも分泌されており、その量は一般的に男性の約10分の1〜20分の1程度とされています。

一方、エストロゲン(女性ホルモン)は女性に多く分泌されていますが、男性の身体からも分泌されています。生理周期のある女性と比較すると、男性のエストロゲン量は一般的に女性のおよそ半分程度とされています。

つまり、男女の違いは「別々のホルモンを持っている」のではなく、同じホルモンを異なる割合で持っているということなのです。

さらに、この割合の違いは、身体だけでなく、私たちの脳の働きにも影響を与えていることが分かってきています。


テストステロンとエストロゲンは脳にも働きかけている

実は、脳には、テストステロンとエストロゲン、それぞれを受け取るための「受容体」が存在しています。

受容体とは、ホルモンから送られてくる情報を受け取る『アンテナ』のようなものです。

男性にも女性にもテストステロンとエストロゲンの両方が分泌されているように、テストステロン受容体とエストロゲン受容体も、男性・女性どちらの脳にも存在しています。

テストステロン受容体は、意思決定や行動の選択、競争心、空間認知などに関わる脳の領域(例えば、意思決定を担う前頭前野や、ホルモン調節に関わる視床下部など)に多く存在することが報告されています。

一方、エストロゲン受容体は、共感や感情の調整、記憶、言語機能などに関わる脳の領域(例えば、記憶を担う海馬や、感情の処理に関わる扁桃体など)に多く存在することが報告されています。

つまり、受容体が多い脳の領域ほど、そのホルモンの影響を受けやすいということになります。

そう考えると、男性では一般的にテストステロンの分泌量が多く、女性ではエストロゲンの分泌量が多いことから、それぞれのホルモンの影響を受けやすい思考や行動の傾向が現れやすくなることも、自然に理解できるのではないでしょうか。

もちろん、すべての男性が同じ思考や行動を取るわけでも、すべての女性が同じになるわけでもありません。

一人ひとりの思考や行動は、育った環境や経験、価値観など、さまざまな要因が重なり合って形づくられています。

しかし、その土台となる「思考や行動の傾向」には、テストステロンとエストロゲンという二つの性ホルモンが深く関わっていることが、近年の研究から少しずつ明らかになってきています。


なぜ私はテストステロンに着目したのか

そこで私は、この二つの性ホルモンのうち、どちらを軸に考えれば、人の思考や行動の違いをより分かりやすく説明できるのかを考えました。

男性では、テストステロンもエストロゲンも、特別な疾患などがない限り、比較的安定して分泌されています。

一方、女性では、エストロゲンは生理周期や妊娠・出産、更年期などによって分泌量が大きく変動しますが、テストステロンは男性と同様に大きく変動することはなく、比較的安定して分泌されています。

私は、テストステロンが男女ともに比較的安定して分泌されていることに着目し、人の思考や行動を統計的に捉える軸として、テストステロンを中心に検証していきました。

実際に、脳がテストステロンの影響を強く受ける人には、

  • 決断が早い

  • 行動力がある

  • 論理的・分析的

  • 競争心が強い

  • 目標達成への意欲が強い

  • リーダーシップを発揮しやすい

  • 率直でストレートなコミュニケーションを好む

といった特徴が見られます。

何事も自分を基準に考え、自ら判断し、自ら決断して行動する傾向が強く現れます。

一方で、テストステロンの影響が少ない人には、

  • 共感力や包容力が高い

  • 直感力に優れている

  • 協調性が高く、調和を重んじる

  • 言語化やコミュニケーション能力が高い

  • 結果よりも過程(プロセス)や「つながり」を大切にする

といった、エストロゲンの影響が強く現れる特徴が見られます。

周囲とのつながりや社会との調和を大切にし、人との関係性の中で物事を考え行動する傾向が強く現れます。

そして、これらの特徴が、私が約1万人以上の女性と向き合う中で積み重ねてきた思考や行動の共通点と、不思議なほど一致していたのです。

私は、その一致によって、これまで現場で積み重ねてきた経験を、一つの理論として整理することができました。

それが、『髙森式 思考・行動SM理論』です。


髙森式 思考・行動SM理論とは

『髙森式 思考・行動SM理論』では、テストステロンの分泌量の違いによって現れる思考や行動の特徴に着目しています。

そして、その特徴を、「テストステロンの分泌量が比較的多くタイプ」と、「テストステロンの分泌量が一般的、または比較的少なく」の二つに分けました。

さらに、その二つのタイプを分かりやすく表現するために、テストステロンの分泌量が比較的多いタイプを「S族」、一般的、または比較的少ないタイプを「M族」と名付けました。

(ここでいうSやMは、一般的に知られている性癖としてのSMを意味するものではありません。)

約1万人以上の臨床経験と医学的知見をもとに構築した、思考や行動の特徴を分かりやすく整理した統計学的な理論です。

人は、自分では当たり前だと思っている考え方や行動を基準に、相手を理解しようとしてしまいます。

しかし、その「当たり前」自体が異なっているとすれば、相手を理解できず、すれ違いや衝突が生まれるのは当然のことです。

『髙森式 思考・行動SM理論』は、その違いを知り、「なぜ、あの人とは分かり合えないのか」という疑問を解き明かし、人それぞれの思考や行動の違いを理解するための、新しい視点を提供する理論でもあるのです。


あなたはS族?それともM族?

ここまで読んでくださった皆さんは、きっと一つ気になっていることがあるのではないでしょうか。

「私は、S族なの?それともM族なの?」

その答えを知る前に、一つだけお伝えしたいことがあります。

「髙森式 思考・行動SM理論」は、男女を問わず、すべての人に当てはまる理論です。

もちろん男性にもS族とM族が存在し、女性と同じように思考や行動にはさまざまな違いが見られます。

女性はホルモンの影響を受けやすく、その違いが思考や行動に表れやすいため、「S族」と「M族」の特徴も、男性より分かりやすく現れます。

しかし今回は、男性と女性を同時に取り上げると内容が複雑になってしまうため、まずは特徴がより分かりやすく表れる女性に焦点を当ててご紹介していきます。

男性の皆さんは、奥様やパートナー、ご家族、職場の女性やご友人など、身近な女性を思い浮かべながら読み進めてみてください。これまで気付かなかった女性の思考や行動の違いが、きっと見えてくるはずです。

男性のS族・M族については、女性とはまた違った特徴や興味深い傾向があります。

その内容についても、今後あらためて詳しくお伝えしていきたいと思います。


あなたの身体に刻まれた『あるサイン』

では、あなたがS族なのか、それともM族なのか、一緒に見ていきましょう。

まず最初に見ていただきたいのが、あなたの身体に刻まれた『あるサイン』です。

それが、人差し指と薬指の長さです。

「えっ? 指の長さでそんなことまで分かるの?」

そう思われた方も多いかもしれません。

しかし、これは単なる占いや性格診断ではありません。

1998年、イギリスの進化生物学者であるジョン・マニング教授(John T. Manning)らの研究によって、胎児期に男性ホルモンであるテストステロンの影響を強く受けた人ほど、人差し指よりも薬指が長くなりやすいことが報告されました。

この研究は医学的には「2D:4D比(ツー・ディー・フォー・ディー比)」と呼ばれ、現在でも世界中の医学・心理学・行動科学などの分野で広く研究・活用されている、生体サインの一つです。

つまり、薬指の長さには、お腹の中にいた頃のホルモン環境が反映されているということです。

それでは、あなたの指を見てみてください。

女性で、人差し指よりも薬指の方が長い方は、胎児期にテストステロンの影響を強く受けていたと考えられ、S族タイプの傾向があります。

一方、人差し指と薬指がほぼ同じ長さ、または人差し指の方が長い方は、胎児期にテストステロンの影響をあまり受けていなかったと考えられ、M族タイプの傾向があります。


なぜ女性にも、この違いが現れるのでしょうか?

男の子は、胎児期(妊娠8〜24週頃)になると精巣が形成され、そこから大量のテストステロンが分泌されます。

この現象は医学的に「アンドロゲンシャワー」と呼ばれ、男性の身体や脳を男性らしく発達させるための、とても重要な働きです。

そのため、多くの男性は、人差し指よりも薬指の方が長くなります。

一方、女の子は胎児期になっても精巣が形成されないため、男の子のようなアンドロゲンシャワーは起こりません。

「それなら、なぜ女性にも薬指が長い人がいるの?」

そう思われますよね。

実は、女の子であっても、胎児期にテストステロンの影響を受けることがあります。

例えば、お母さん自身のテストステロンの分泌量が比較的多い場合には、その影響が胎盤を通して赤ちゃんへ伝わることがあります。

また、お母さんが妊娠中に強いストレスを受けると、それに対抗するため、副腎からストレスホルモン(コルチゾール)が分泌されます。

その際、テストステロンを含む男性ホルモン(アンドロゲン)も一緒に分泌されるため、お母さんの体内では一時的にテストステロンの量が増加します。

その増加したテストステロンが胎盤を通して赤ちゃんへ伝わることで、女の子であっても胎児期にテストステロンの影響を強く受けることがあるのです。 

このように、女の子であっても胎児期にテストステロンの影響を強く受けると、人差し指よりも薬指が長くなる傾向が見られます。

あなたの薬指には、お母さんのお腹の中で育っていた頃のホルモン環境が、小さなサインとして今も残っていると思うと、なんだか神秘的ですよね。

さて、あなたの指はどうでしたか?

指での診断では、あなたはS族でしたか?それともM族でしたか?

人差し指よりも薬指が長かった方は、「私はS族かもしれない。」と思われたかもしれません。

一方、人差し指と薬指の長さがほとんど同じだった方や、「どちらが長いのかよく分からない……。」という方もいらっしゃると思います。

そんな方も、ご安心ください。

次の2つの質問に答えていただくことで、あなたがS族なのかM族なのかが、より分かりやすくなってきます。


指だけでは分からない『思考・行動』の特徴

『髙森式 思考・行動SM理論』では、身体に現れるサインだけでなく、日頃の思考や行動の特徴もあわせて確認していきます。

私が約1万人以上の女性と向き合う中で、S族とM族には、思考や行動にも共通する特徴があることが分かりました。

そこで、次の2つの質問に答えてみてください。

なお、この2つの質問は、「髙森式 思考・行動SM理論」の統計学的な傾向をもとにした診断です。

もちろん、すべての人が100%当てはまるわけではありません。

しかし、私が約1万人以上の女性と向き合い、この理論についてお話しする際や性教育セミナーなどで検証を重ねてきた中では、指の長さによる診断と、この2つの質問をあわせて確認することで、多くの方のS族・M族の傾向を把握することができています。

それでは、質問です。

あまり深く考えず、普段のあなたに最も当てはまると思う答えを選んでみてください。

【女性への質問】

次の2つの質問に、「YES」または「NO」でお答えください。

① あなたは、女性誌(女性雑誌)をよく購入しますか?(または読みますか?)

② あなたは、友達が多い方ですか?

――いかがでしたか?

それでは、結果を見てみましょう。

この2つの質問に「YES」と答えたあなたは、

周囲との調和や共感を大切にする、M族の傾向があります。

一方、「NO(あまり当てはまらない)」と答えたあなたは、

自立心が強く、自分の考えや論理性を大切にする、S族の傾向があります。

それでは、指の診断と2つの質問を合わせた診断結果を確認してみましょう。

【M族の傾向】

  • 両手とも人差し指が薬指より長く、2つの質問とも「YES」の方

  • 両手の人差し指と薬指の長さがほぼ同じで、2つの質問とも「YES」の方

【S族の傾向】

  • 両手とも薬指が人差し指より長く、2つの質問のどちらか一つでも「NO」の方

  • 両手の人差し指と薬指の長さがほぼ同じで、2つの質問とも「NO」の方

  • 左右で指の長さが異なり、2つの質問のどちらか一つでも「NO」の方

※約1万人以上の女性への臨床経験と医学的知見をもとにした『髙森式 思考・行動SM理論』の統計学的な傾向に基づく診断です。

あなたは、S族でしたか。それともM族でしたか。

S族とM族、それぞれの特徴をご紹介する前に、実はこの診断結果から見えてくる、とても興味深いことがあります。

まずは、そのことについて少しだけお話ししたいと思います。


診断結果から見えてくること

前章でもお伝えしましたが、テストステロン(男性ホルモン)は男性だけのホルモンではありません。

女性の身体からも分泌されており、その分泌量は、一般的に男性の約10分の1〜20分の1程度とされています。

『髙森式 思考・行動SM理論』では、テストステロンの分泌量が比較的多い女性を「S族」、一般的、または比較的少ない女性を「M族」と分類しています。 

つまり、

S族の女性は、一般男性のおよそ10分の1程度のテストステロンが分泌されるタイプ。

M族の女性は、一般男性のおよそ20分の1程度のテストステロンが分泌されるタイプ。

という分類になります。

そのため、S族はM族と比べて、およそ2倍のテストステロンが分泌されていることになります。

さらに興味深いのは、女性全体に占めるS族とM族の割合です。

私が約1万人以上の女性と向き合ってきた臨床経験では、

S族は女性全体の約10%。
M族は女性全体の約90%。

という結果でした。

そして、この割合は、胎児期に受けるテストステロンの影響と指の長さ(2D:4D比)の研究や、テストステロンが思考や行動へ与える影響に関する医学・脳科学・行動科学の知見とも一致しています。

つまり、『髙森式 思考・行動SM理論』における「S族 約10%・M族 約90%」という分類は、私が約1万人以上の女性と向き合ってきた臨床経験と、医学的知見の両方を基に構築した理論です。

例えば、

10人の女性がいれば、およそ1人がS族。
残り9人がおよそM族。

という割合になります。

そのため、S族の女性は、

「どうして私は周りの人と考え方が違うのだろう。」
「どうして私は一人でも平気なのだろう。」
「どうして流行にあまり興味が持てないのだろう。」

そのような違和感を抱えながら生きてきた方も少なくありません。

一方、M族の女性は多数派であるため、自分の考え方や感じ方が「当たり前」だと思いやすい傾向があります。

もちろん、どちらが優れているということではありません。

ただ、「当たり前」の基準が違うだけなのです。

しかし、その「当たり前」の違いこそが、私たちが日常生活の中で感じる「なぜ分かり合えないのだろう」という疑問の正体でもあります。

では、S族とM族では、具体的に何が違うのでしょうか。

ここからは、『髙森式 思考・行動SM理論』におけるS族とM族、それぞれの特徴について詳しくご紹介していきます。


S族とは

『髙森式 思考・行動SM理論』におけるS族とは、自分軸を持っているタイプです。

自分で考え、自分で判断し、自分の意思で行動することを自然と選びます。

物事を判断するときの基準は、「みんながどう思うか」ではなく、「私はどう考えるか」です。

そのため、周囲の意見や流行に流されることは少なく、自分が納得できるかどうかを大切にします。

SM理論では、このような思考や行動は、テストステロンの影響を比較的強く受けることによって現れる特徴です。

もちろん、協調性がないという意味ではありません。

必要な場面では周囲と協力しますが、その判断基準は、「みんながそうしているから」ではなく、「自分が必要だと判断したから」です。

また、「人は人、自分は自分」という考え方を自然に持っているため、自分と他人を過度に比較することも少ない傾向があります。

さらに、自分自身を「女性だから」という性別を過度に意識することなく、一人の人として相手と接することができます。

そのため、ビジネスの場でも男性と対等な立場で意見を交わしたり、プライベートでも異性というより一人の友人として自然な関係を築く方も少なくありません。

これが、『髙森式 思考・行動SM理論』におけるS族の基本的な特徴です。


M族とは

『髙森式 思考・行動SM理論』におけるM族とは、調和軸を持っているタイプです。

周囲との調和や人とのつながりを大切にし、共感しながら判断し、行動することを自然と選びます。

物事を判断するときの基準は、「私はどう考えるか」だけではなく、「周囲はどう思うだろう」「みんなはどうしているだろう」という視点を重視します。

そのため、周囲の意見や流行に敏感で、「みんなと一緒であること」に安心感を抱きます。

SM理論では、このような思考や行動は、テストステロンの影響が比較的少なく、エストロゲンの影響をより強く受けることによって現れる特徴です。

もちろん、自分の考えがないという意味ではありません。

必要な場面では自分の考えも持っていますが、その判断基準は、「私はどうしたいか」よりも、「周囲との調和が保てるか」にあります。

また、人とのつながりを大切にするため、自分と他人を比較しながら、周囲からどのように見られているか、仲間の中で自分がどのような立ち位置(ポジション)にいるのかを自然と意識する傾向があります。

さらに、「女性として」「女性らしさ」といった性別を自然に意識する傾向が強く、相手と接する際にも、一人の人として接するよりも、「男性」「女性」という性別を意識して接する傾向があります。

そのため、相手が男性か女性かによって、話し方や接し方だけでなく、表情や雰囲気まで自然と変わる方も少なくありません。

これが、『髙森式 思考・行動SM理論』におけるM族の基本的な特徴です。


続きはその2へ

ここまで、『髙森式 思考・行動SM理論』におけるS族とM族、それぞれの基本的な特徴をご紹介してきました。

ここまでは、この理論を理解するための基本となる考え方です。

では、この違いは、私たちの日常生活の中で、どのように表れているのでしょうか。

実は、私が『髙森式 思考・行動SM理論』のセミナーを開催すると、毎回一番盛り上がるのが、このあとご紹介する「日常の中にあるS族とM族の違い」です。

「だから、あの人はそうだったのか!」
「これ、私の友達そのまま!」
「家族にも当てはまる!」

そんな驚きや笑いの声が、毎回会場のあちこちから聞こえてきます。

その2では、女性誌を読む人と読まない人、友達の数の感覚、大人数で集まりたがる人とそうでない人、一人でも平気な理由、SNSの使い方、言葉の使い方、人に勧めること、マウンティング、そして「常識」の違いまで、私たちの日常にあるさまざまな「なぜ?」を、『髙森式 思考・行動SM理論』を通して、一つひとつ解き明かしていきます。

ぜひ、ご自身だけでなく、ご家族やご友人、職場の方など、身近な人を思い浮かべながら読み進めてみてください。

これまで気付かなかった人との違いが、きっと見えてくるはずです。

それでは、その2でお会いしましょう。


▼続きはこちら

『なぜ、あの人とは分かり合えないのか。― 1万人の女性と向き合って辿り着いた『髙森式 思考・行動SM理論』(その2)』


女性の性をサポートする『月の光』
女性の性と心の専門家/髙森由香

#創作大賞2026 #ビジネス部門


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