クライミング:グレード論争ってやっぱり男性性の傷つきが問題なのでは?
なんか、ジムでスタートしている、クライマーの主体になっている若い男性たちって、自分のおかしさがあまり見えていないみたいなんですよね。
それはたぶん、導いてくれるクライマーの男性の先輩がいないからなのではないかな?と。
とばっちりで殺されるのは嫌なので、クライミングからは足を洗うことにしました。
いくら私がセーフクライマーでも、相手が違えば、一歩間違えば殺されてしまいます。
グレード論争って男性性の傷つきの問題なんじゃないかなーと思って読んだ記事がこちらです。
くろうとさんと素人さんの解離がすごいことになっています。問題は何年いても、そこから素人さんの世界から出れないみたいなんですよね。
その証拠に九州では、アルパインクライミングっていったらなんとエイドで登ることだったんですよ。え?!です。山に支点はないです…。
プロと市井のクライマー

20年ならったバレエではプロと一般ダンサーは当然、別認識でしたが、クライミングは、一般クライマーでもプロと同じことをするんですよね。
私もビレイヤーを務めさせていただいた故・吉田和正の功績と言うか、置き土産と言うか…世界最高難度を登るって、そう簡単にできることではないので、当然、何回も打ち込むことになります。吉田さんって、その課題向けに身体を作って肉体改造から課題に合わせるので、20回(便)とかじゃなくて200便です。
プロのクライマーが200便かけて俺は5.14クライマーだと言っていいのなら、一般クライマーが10級に200便かけて10級クライマーだと言っていいってことになってしまい…実際は、ボルジム10級って登れない人がいないっていうグレードの意味なので、矛盾することになってしまうんですよ。
グレードに与えられている意味で、取り組み方は違うべきなんです。ちなみに10級が登れなかった人が登れるようになって喜ぶなら、「やっと人並みに…」っていうのだと正解です。
まぁ一般的には、オンサイト能力のアップを目的にしてきたんですけどね。どんな運動で練習すれば、小脳の作用で、上手になります。自動化が起こる。ので自動化を目指してきたのですが、難しくなりすぎると、自動化では対応できないです。しかし、アレックス君みたいにホントに5.12でも自動化でフリーソロできる時代になりました。イヤ、すごい。5.12でボルジムで言えば、3級から2級くらいです。
外岩では5.9から上が混乱の原因になっていますが、昔は5.9以上がなかったので、5.9に5.9から上のすべてのグレードが含まれることになったので、5.9と書いてあるのに、登りにいったら、5.10c。人工壁で5.12登れる若い男性クライマーが、エイドも出して、2時間半もかけて登っていました。もうびっくり。
小川山の感覚だと、5.10cって私でも登らさせられるグレードだからです。それもリードで。(私=43歳スタートのクライマー)
なので、その登攀を見たときは、驚きました。ただ、これは、因果が逆で、大体の若い男性(成人男性)がギリギリ登れるのを人工壁では、5.12と付ける。だからその人は普通の人と言うことです。(ちなみに九州では雲上人扱い。5段登れたら神様扱いですね)
外岩の5.9には、歴史的に5.9以上が全部含まれる可能性がある、という知識があったほうが安全に登れます。
ボルダーは別世界なんですよね…
クライミングの歴史の中では、ボルダリングって後発で、グレードの高騰が課題になっているのは、主にボルダリング。
段級グレードって、草野さんが作って室井さんが広めたんですが、日本でしか通じない。普通に、世界中で通用するVグレードでいいんじゃないかと私は部外者ながらに思いますけどね。ボルダー興味がないから、だけど。
有段者のクライマーが外岩では5.9でも落ちてる。のでボルダーの突破力って何だろうか?と初心者のころは思っていました。え?!って。しかし、スラブはボルダリングジムでは出てこないですから。外岩だと新人さんの入門課題は、歩けるスラブと決まっています。まったく違う。
健全なインナーペアレントが育っている場合、「自分がどれだけ努力したか」「どれだけ成長したか」という内発的な実感がそのまま自己肯定感の土台(自己受容)になります。
だから、自分の努力の価値を「他者」によって脅かされると、自分の存在基盤そのものが揺るがされる、というのは、たぶん、インナーペアレントの問題かもしれないですね。
ただ、低い達成で喜んでいる相手が不当に高い社会的承認を得ていたら、違うよと指摘するのが正しいですが。例えば、10級登れただけなのに5段みたいな扱いを受けるなどですね。
昨今、専門雑誌のロクスノですら、1980年代なら価値があったけど?みたいな懐古趣味の記録をそうと気が付く能力を失い、まるですごい記録であるかのように、平気で雑誌に載せます…。業界をリードする雑誌自体が分かっていない人たちが作っているみたいなんですよね…。
関東の代表的甘いグレードのベースキャンプ
平山ユージさんがやっていて、とても人気のジムですが…。
山梨は、室井さんのピラニアが定番なのでピラニアに飽きると、ベースキャンプに行ってたくさん登れる課題があって楽しいな!となり、また帰ってきて室井さんのピラニアで登るという循環にありました。
色々なジムがないと、強い人が強い人のためにあるジムで登るだけになり、行っても登れる課題が一つだけっていうジムもありました。登れる課題が一つしかないジムに1700円払うと思います?思わないですよね。
最近のジムはクライマー出身者がやっていない
ので、グレーディングに関する、教育的な配慮と言うのはないようです。
フリーファンが置いていないどころか、ロクスノもおいていません。
ベーキャンとかピラニアとか、トップクライマーがやっているジムで育った人には、ちょっと信じられないような光景が広がっています。
たぶん、小川山も知らず、逆にコンペの経験もなく、DIYが得意だから、手作りで壁を作れるから、みたいな理由のようです。これは職業セッターがいるから、可能になった分業のようです。
スポーツクライミング化
まぁ、スポーツクライミング(ムーブの習得)は、フリークライミングの基礎と思いますけどね。
スポーツクライミング、ボルダリング、外岩、ぜんぶ別物として認識されればいいのですけど、クライミングと言う言葉一本で全部を語るから、混乱が生まれるのだと思います。
スポーツクライミングしかしない人は、外岩の5.9でひいひい言っている人を見て、「え?たったの5.9で?」と思います。なぜなら、人工壁では5.9は入門で、登れない人がいないようなのに5.9をつけることになっているから。
ボルダリングで3段が登れる人が、北岳バットレス四尾根に行けるか?行けません。岩場のルートファインディングは別物だから。下手したらザック背負って6時間のアプローチ自体がこなせません。
外岩で5.9がすいすい登れても、あるいはラオスで5cは全部オンサイトで登っても、大体同じとされている、人工壁の5.10代は登れないのもあります。成人男性のリーチに合わせてガバが配置されていれば、手が届かなければ、どんなに優しいグレードでも登れない。森さんのオリンピックでバレバレになりましたよね。
クライミングの上達に必要なのは恐怖を取り除くこと
水泳と同じで怖いと上達しません。F1レーサーの友達もそういっていました。すべてのエクストリームスポーツで重要なのは、死ぬという恐怖心を取り除いてスキルに集中することなんです。
そう思うと、本来5段が登れる人なら、もはや登れない岩はない!みたいなことになりそうですが、そうはならない…。5.14Rなんて、恐怖心のコントロールが追加されるからです。
ある程度の経験値が積みあがれば、自分のスキルが上回ることが恐怖心の克服につながっていきます。
私の経験値はアイスクライミングのみですが、アイスクライミングって、アックスがバチ効きでしか進行しないのです。なので、どうせ落ちないのでプロテクションやビレイは、ノルマって感じで頼るもの、という意味合いが減っていきます。あやふやな氷、壊れそうなのは回避する、っていうのが上級クライマーの秘密なのです。実は。

これは積雪期登山でも同じで、知らない人からは、雪崩は不可抗力と思われていますが、ちゃんとした人はシーズン中の気温を毎日記録を取っていて、知っていて、弱層のありかを知っているんですよ。なので、弱層の上に重たい湿雪が載った翌日の山になんて入らないんですよ。
11月の凍っても凍っていないような富士山に登って死亡した人が素人さん、って話を聞く前から分かる感じです。富士山が凍るのは12月中下旬以降だからです。ちなみに積雪期で安全に富士山が登れるのは4,5月です。
逆説的ですが運頼みのクライミングはエイドの高難度のやつですよ
これがグレードの中身。

エイドだからクライミングムーブ自体が不在で、リスクだけが上がっていく。こんなの何が面白いの?って感じでしょ???
危ないだけで、ムーブを楽しむっていうご褒美がない。
リーチが短いために、クリップに手が届かない課題ってこんな感じですよ。
死ぬ確率が上がれば、それは5.9なり、5.11なり、そのグレードではなくなる。人工壁で5.9が簡単なのは落ちてもしなないから。そのノリで外岩でグレードを追いかけたら、あっという間に今に死ぬ目に遭います。初級以前の入門ルートでみんな死んでいます。たとえば北鎌尾根とか。フリーの課題なら関西の斜陽などです。
いくら、5.9でも、クリップに手が届かず、ロープをかけるために出さなければならない、その一歩のスタンスが極小で、有段者でも乗らないような奴だったら、その人にとっては5.9ではない。そして落ちたらグランドフォールになる配置。
それで5.12登っている女性が敗退したのを見ました。台湾で。だよなぁ。って思いました。
なので、今日本にある、グレードはすべて、男性の平均身長を前提にしたホールドの配置を暗黙の前提にしています。なので私のように背の小さいクライマーには、石灰岩の岩場のほうがおススメです。かぶっている岩場でのボルト配置は、どこでも落ちることを前提にして打たれているからです。人工壁ほどの安全性はなくても、比較的安全。
開拓者はオンサイト出来ない
昔のクライマーはグランドアップ開拓だったんですかね?
80代の開拓クライマーともご一緒しましたが、開拓クライマーはオンサイトしていないとおっしゃっていました。ラッペルの開拓が主なので、開拓者はオンサイトしていません。つまり、リスクゼロ。
グレードのインフレで努力が無になる側にならずに済むのが開拓者です。
リハーサルを重ねる、といえば違う行為みたいですが、トップロープとやっているのは同じです。最後は、ノーテンションで登るんですけど、それはすでにリハーサルしているので、オンサイトとは言わない。
昔の開拓は、自分の手足の長さに合わせたムーブで、それに適合するところにボルトを打てば、良かっただけで、それがすべての人にマッチしたボルト位置とは限らない。そのことは、ボルトオンリークライマーで、プロテクションを打ちながら登る習慣がない人にはわかりにくいです。
開拓者の神聖視とも相まって、古い課題を変更してはいけない!っていう非合理的な思い込みもありますが、関西の斜陽のようにボルト位置が最悪なために、6件も重大事故を起こしている課題もあります。
もうほんと、これは新人クライマーには、ちゃんと伝えたほうがいいです。
このようなことが起こらないようなボルトの配置の岩場が、ラオスです。ボルジムでクライミングをスタートしたクライマーは、初期はラオスに通うのが成長できる道だと私は思いました。日本の岩場、とくにエイドルートをフリー化した岩場は、エイドでの開拓がのっぽを生かす開拓だったので危険なルート化している可能性があります。
逆に危険だからと言うのでボルトを足していいと開拓者が許可したら、追加しすぎて、人工壁みたいな岩場になってしまったというスネイクダイクみたいな問題もありますし。
一筋縄ではいかないが、事実をまっすぐ見るのが、安全への道と言うのがクライミングで起きていることです。
オールラウンドクライマーになるのが、クライミングを100%楽しむコツです。
