仕事とお金と「稼ぐ臭覚」の大切さ
先日、「人手不足」に関して記事を書いた。
受け入れる側の企業にフォーカスして記事を書いたが、今日は働く側にフォーカスして書きたいと思う。
最近の若手、就活生が働きたいと思える企業は『スマートさ』を兼ね備えていると感じる。スマートさとは、自席で仕事をする必要がなく、服装も自由、打合せもWebで完結するような縛られない颯爽とした働き方だ。
単なる見た目の問題ではなく、自分が尊重されていると感じるスタイルというのがポイントだ。旧来は、会社のル―ルに自分が立っていたが、多様性に会社が寄り添うスタイルへと価値観が移行している。
先日、某アパレルメーカーのオフィスを視察する機会があった。オフィスは、開放的な空間に規則性なく打合せ用の机が配置され、カジュアルな服装で社員が打合せをしていた。
まるでスターバックスコーヒーに来ているかのような雰囲気で、これぞ現代のスタイルだと感じた。スーツ、ネクタイを身に着けてオフィスを視察していたが、明らかに周りと比べて浮いた存在だった。
一方で、私は建築・建設業界で働いている。昔から3K(きつい、汚い、危)という労働環境を指す言葉が使われている業界だ。
しかし近年では、「給与が良い、休暇が取れる、希望が持てる」という“新3K”が提唱され、業界のイメージ改善と実際の労働環境の改革が少しずつ進んでいる。
たとえば、これまで当たり前のように土曜も現場が稼働していたが、働き方改革の流れを受けて、土日をしっかり休める体制を整える企業が増えてきた。
現場の自動化やITツールの導入も進み、昔ながらの「職人の勘と経験」に頼らず、若手でも安心して関われる環境が少しずつ整えられている印象だ。
しかし、平均年齢が44歳と高齢化が進む業界だけあって、昭和の雰囲気が抜けきれていない。何より、人手不足が深刻。私が関わっている現場でも、下請業者が見つからずに工期が予定より伸びている。
現場のスケジュールや、人の調整などを管理する施工管理として働く友人に話を聞いた。彼曰く、「休みは以前より取りやすくなった。けれど、その分、平日の密度が濃くなって、結局は体力的にも精神的にもハードだ」とのことだった。
先ほどのアパレルメーカーに比べれば、スマートさに欠ける業界なのは間違いない。若手が魅力を感じにくいのは無理もない。
ブルーカラーとホワイトカラーの逆転
さて、なぜスマートさを重視するのか。
カッコいい、プライベートとのバランス重視、汗をかかず稼げるなど、無理しない雰囲気が評価されている気がする。運動系の部活でバリバリ活躍していた人が、いきなり文化部に憧れを持っているような、そんな価値観の転換が起きているのかもしれない。
ただ、これまではいわゆるホワイトカラーが稼げていた時代だったが、近年では人手不足により肉体労働のブルーカラー職の単価が見直されつつある。特に建設業界では、職人不足が深刻化しており、経験や技術を持つ人材の価値は急上昇している。
下の図は、国土交通省が出している「公共工事設計労務単価の推移」だ。グラフからもわかるように、2012年(平成24年)に比べて75.3%も労務単価が上がっている。
この数字は、単に賃金が上がっているというだけでなく、建設業界全体が人材確保に向けて報酬面での改善を真剣に進めている証拠と言えます。

先ほどの施工管理を行っている友人は、ハードと言いながらも、33歳で年収850万円を超えている。基本給よりも資格手当が増え、業界からも希少価値的な見方をされるそうだ。
一方で、ホワイトカラーと言われている業界で働く同年代の給与は、大手企業を除くとそこまで稼いでいる人は見受けられない。だから、稼ぐという点においては、結局のところ見た目とか雰囲気の判断は不要ということ。
稼ぐ臭覚
肉体労働はロボットによる自動化によって失われていくと、学生時代の講義で鼻の下に髭を生やしたおじいちゃんが言っていた。たしかに、工場の製造ラインは自動化によって人手を削減している。
建設現場も、ロボットの導入よって24時間稼働が実現しようとしているし、それであれば現場に人がいる必要もない。
ただ、すべてをロボットやAIに任せることはおそらくできない。だからこそ、手に職をもった人を今でも現場は求めている。そして、ブルーカラー職の人の単価がどんどん上がっている。
つまり、見た目や雰囲気で判断するのではなく「稼げるかどうか」に臭覚を持っておくことは大事ということ。目先のことと言われそうだが、現に何となく営業を続けている人よりも、〇〇技師と言った専門性を磨いた方が明確に収入につながっているのが現実だ。
時代の価値観は変わり、多様化しているが、「稼ぐ力」こそが働く上での大きな武器であり続けることに変わりはない。私自身も、稼ぐ臭覚を磨くことを大事にしていきたい。
そのためには、見た目・見栄など余計なものは省くことが大事。それは、今の時代には合わない価値観だと思う。自分に合ったスマートさと実利のバランスを見つけながら、仕事と向き合っていこう。
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