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アレルギーの子が「食べられた」理由。自家採種の野菜だけが違った

アレルギーの子が食べられた野菜は、自家採種だった


スーパーの野菜を食べると、一日中外に出られない方がいた。
においだけで頭が痛くなる。
口にすると、体が拒否する。
化学物質過敏症という状態だった。
「何を食べればいいのか、わからなくなっていました」
そう話してくれた時の表情を、今でも覚えている。


スーパーの野菜で体調が崩れる

原因を探していくうちに、たどり着いたのが農薬だった。
残留農薬だけじゃない。
種に染み込んだ農薬処理、育てる過程で使われる防カビ剤、収穫後のポストハーベスト——。
野菜が口に入るまでに、何重もの化学物質が関わっている。
洗えば落ちるものもある。
でも、種の段階から処理されているものは、洗っても落ちない。
体が敏感な人は、そこに反応する。
「気のせい」では片付けられない体験を、その方は積み重ねてきた。


自家採種の野菜だけが違った

「これなら食べられます」
初めてそう言ってもらった時、言葉が出なかった。
自家採種とは、収穫した野菜から種を取り、翌年またその種を蒔くことだ。
20年間、ずっとそれを続けてきた。
市販の種は、発芽率を高めるために農薬でコーティングされているものが多い。
F1種と呼ばれる一代交配の種は、次世代に特性が引き継がれない。
でも、自家採種の種は違う。
何世代も同じ土で育ち、その土に適応していく。
農薬処理もない。
その土地の微生物と共存しながら、育つ。
その積み重ねが、野菜の質を変える。
体が敏感な方が「食べられる」と感じた理由は、そこにあると思っている。


種を繋ぐとはどういうことか

種子法が廃止されたのは2018年のことだ。
種苗法の改正で、自家採種に制限がかかる品種も増えた。
種を自分で取る権利が、少しずつ狭められている。
20年間、種を繋いできた理由は最初からこだわりがあったわけじゃない。
農薬も肥料も使わない環境で、自然に実った野菜から種を取る。
ただそれを続けてきただけだ。
でも、化学物質過敏症の方が「食べられた」という事実が、その意味を教えてくれた。
種を繋ぐことは、食べられる人を守ることだ。
市場に出回らない野菜を、必要としている人に届けることだ。


この体験が教えてくれたこと

食べることは、生きることだ。
それが当たり前にできない人がいる。
スーパーに並んでいるものが全員に安全とは限らない。
自然栽培を続けてきた20年の中で、この体験が一番の確認だった。
うまくいかない年もあった。
種が絶えそうになったこともあった。
思うようにはいかなかった。
でも、「これなら食べられます」という言葉が、続ける理由になった。


今日からできること

完璧にしなくていい。
まず、種のことを少し意識してみる。
固定種・在来種の野菜を扱う農家や直売所を探してみる。
自家採種された野菜が、どこかにある。
種が変わると、野菜が変わる。
野菜が変わると、体が変わる。
その連鎖を信じている。


あなたが食べている野菜の種、どこから来たものか気にしたことはありますか?


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