【にゃんクエマスター限定】届かなかった約束・夕日に溶けた本音(トウ編)
どうもこんにちは、キリネコです。
サムネイルの「ねこまどう」、カッコイイですね!!
あ、ちがった!今回の物語の説明を少ししておきますね。
今回の物語の主役はトウで、
「にゃんかねクエスト」のサブストーリーとなっております。
時間軸は第57話のすぐ後です。
それと「短編小説、空に帰ったドララ」とほぼ同じ頃です。
あと、過去のトウとシンの話を読んでおくと、より楽しんでいただけると思います。
普段の「にゃんクエ」では描かれないところがみえてくるので、
そこも楽しんで頂けたら嬉しいです。
それではどうぞ!!
届かなかった約束
病室には静寂があった。
窓から差し込む夕陽が白いシーツを赤く染めている。
トウは椅子に腰掛けたまま、眠り続けるミナを見つめていた。
2週間。
ミナが目を覚まさなくなってから、2週間以上が過ぎていた。
その間に村は少しずつ復興を始めている。
それでも。
失われたものは戻らなかった。
シンも。
ミナの笑顔も。
コボルト討伐隊は勝利した。
王都から来た駆け出し勇者と共に、「ニャジミの塔」に潜んでいたコボルトロードを討伐したのだ。
だが、その代償はあまりにも大きかった。
シンは狂戦士となり死んだ。
トウの目の前で。
最後まで仲間を守りながら。
そしてトウ自身も全身を砕かれ、生還したのが奇跡なほどの重傷を負った。
村に戻ったトウは、ほとんど自分の治療をしなかった。
そんなことより。
ミナを助けたかった。
シンを失ったことだけは、どうしても伝えなければならなかった。
だから王都の高位神官を頼った。
名医も訪ねた。
だが結果は変わらない。
ミナは眠り続けた。
まるで心だけがどこか遠くへ行ってしまったように。
そんなある日。
勇者が戻ってきた。
「頼まれていたものを持ってきた」
差し出された小瓶。
中には淡く光る水。
《回復の泉》の水だった。
もっとも、それほど万能なものではない。
傷を癒やす力はあるが、死者を蘇らせることも、奇跡を起こすこともない。
トウも知っていた。
期待する方がおかしい。
それでも。
「……頼む」
震える声で呟く。
「お願いだから……」
自分でも驚くほど情けない声だった。
失いたくなかった。
シンの姉だからではない。
大切な仲間だからでもない。
もっとずっと身勝手な理由だった。
ミナのことが好きだった。
ずっと前から。
だから。
小瓶の水をゆっくりと唇へ流し込む。
奇跡なんて信じていなかった。
なのに。
その夜。
ミナの指が動いた。
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