私の記事が、勝手に刑事ドラマになった夜。AIと「相棒ごっこ」をした全記録 🌿
🌱 えじーさんが、とんでもない遊びをしていた
きっかけは、noteで読んだ一本だった。
えじーさんの記事である👇
えじーさんは、自分の書いた記事をネタに、
刑事ドラマの登場人物が言いそうなセリフを考えて、AIに読ませる。
すると。
AIが続きを考えてわたしを笑わせようとブラッシュアップしてくるのだ。
3歳のお子さんが「きれいなうどん」を所望した話。それが、AIの手にかかって、讃岐まで捜査に行く一大事件になっていた。
そして極めつけが、これ。
AIのやつ、CM入れてきた……!
まったく……変な進化して……。
読みながら、私は完全にやられた。
そして思った。
これ、やってみたい。
私は普段、AIに記事の構成を手伝ってもらっている。
仕事の相棒としては、かなり長い付き合いだ。
でも、こんな遊び方は、したことがなかった。
というわけで、やってみた。
ネタは、この前書いた川遊びの記事。👇
娘が対向車を見て「へこんでる!」と叫んだ、あの日の話である。
🚗 まずは、私から投げてみた
投げたのは、これだけ。
右京 「妙ですねぇ。7歳の女児が、
対向車を見て『へこんでる』と証言している。
しかし現場検証の結果、当該車両に損傷は一切認められませんでした」
亀山 「そりゃ背が低いだけっすよ」
私が書いた相棒
これをチャットに貼り付けた。
すると。
右京 「亀山くん。それを、目撃者は嘘だと思いますかねぇ?」
亀山 「思いませんけど」
右京 「そうです。彼女は嘘をついていない。ミニバンの後部座席という、地上から約120センチの視点。そこから見下ろせば、スポーツカーは潰れて見える。つまりこれは、証言の誤りではなく、視座の相違なんですよ」
亀山 「7歳の車内トークに用語持ち込まないでください」
いきなり用語を持ち込んできた。
しかも、亀山くんに正しくツッコませている。
面白くなってきたので、私も乗る。
角田課長 「おい、ヒマか?」
亀山 「ヒマっちゃヒマなんすけど、今ロードスターの車高調べてて忙しいんすよ」
私が書いた相棒
角田課長 「ヒマじゃねーか」
一行。
一行で返してきた。
家族風呂の中で笑って、娘に変な顔をされた。
🌿 「上手。」を、掘り始めた
調子に乗って、次のネタを投げる。
川へ向かう途中、植え込みで「ようこそ みやまへ」と書かれた場所があった。
それを見た娘の感想が、たった一言、「上手。」だったのだ。
これを渡したら、こうなった。
右京 「ところで亀山くん、もうひとつ気になることが」
亀山 「まだあるんですか」
右京 「同日、山中の斜面に設置された植栽文字。これを目撃した彼女は、こう述べています。『上手。』」
亀山 「……上手」
右京 「おかしいと思いませんか」
亀山 「何が!?」
右京 「通常、あの手の植栽に対して人が抱く感想は『きれい』『すごい』。ところが彼女は、作った人間の技術を評価している。つまり彼女は、あの文字の向こう側にいる刈り込んだ誰かを、見ているんですよ」
亀山 「深読みしすぎでしょ」
右京 「いいえ亀山くん。父親のほうは『ふーん』と流しかけている。見えていなかったのは、大人のほうだった」
亀山 「……あ、ちょっと刺さった」
亀山くんが刺さっている場合ではない。
書いた本人が、刺さっている。
🪨 「こけてはいない」を、二度否定した男
次に投げたのは、川の苔の話だ。
私は記事の中で、こう書いていた。
こけてはいない。
断じて、こけてはいない。
軽いギャグのつもりだった。
AIは、そこを見逃さなかった。
右京 「父親は『こけてはいない。断じてこけてはいない』と、二度にわたり否定しています」
亀山 「はい」
右京 「二度、否定しているんですよ」
亀山 「こけてますね!!」
角田課長 「こけてんな」
右京 「苔だけに」
亀山 「右京さん!!!」
右京さんにダジャレを言わせた。
しかも、締めを亀山くんの絶叫にしている。
配置がうまい。悔しい。
🔬 米沢さんまで、呼んできた
こちらが何も言っていないのに、登場人物が増えた。
米沢 「またですか杉下さん……今度は何ですか。えっ、車?」
右京 「対向車です。目撃者は『へこんでる』と証言しています」
米沢 「いやいや、へこんでませんよこれ。ノーマルです。オープンカーですねぇ、いい車ですよ」
右京 「では米沢さん。目撃者の視点の高さから、同じ車両を再現していただけますか」
米沢 「視点の高さ?」
右京 「ミニバンの後部座席。着座位置は地上からおよそ120センチ」 米沢 「……あ」
右京 「いかがです」
米沢 「へこんで見える……! 見下ろす角度が20度違うだけで、車体がここまで潰れる……!」
亀山 「ちょっと待って。米沢さん、これ7歳の感想ですからね?」
米沢 「杉下さん、これ論文になりますよ」
亀山 「ならないですって!!」
鑑識が乗り気になっている。
こういうところが、本当に人間くさい。
🚨 伊丹さんに、痛いところを突かれた
さらに、捜査一課まで出てきた。
伊丹 「特命係の亀山ァ! てめぇらまた鑑識に何持ち込んでんだ」
亀山 「いや、川遊びの件で」
伊丹 「川遊びィ?」
芹沢 「伊丹さん、事件性ゼロですよこれ」
伊丹 「暇なんですかァ、杉下警部」
右京 「伊丹さん。ひとつよろしいですか。この一家、川へ行った目的は夏休みの宿題でした。ところが帰宅後、絵は一枚も描かれていない」
伊丹 「宿題やってねぇだけでしょうが」
右京 「ええ。ですが父親は、こう書いている。『そこだけは、口を出さずに、待ってみようと思う』」
芹沢 「……いい話じゃないですか」
右京 「いい話です。いい話にして、締め切りから逃げているんですよ」
亀山 「うわ、それ言っちゃいます!?」
伊丹 「……そこは黙っといてやれよ」
伊丹さんに、かばわれた。
そこが一番こたえた。
🐟 カワムツ0匹の件で、話が変わった
ここまでは、ずっと笑っていた。
変わったのは、この後だ。
娘は、カワムツを一匹も捕まえられなかった。それでも、ずっと楽しそうだった。
その話を渡したら、こう返ってきた。
角田課長 「魚のほうが速ぇんだよ」
右京 「いいえ課長。それだけでは説明がつきません。この7歳の女児、400メートル個人メドレーを泳ぎきる能力を持っています。にもかかわらず、捕獲数はゼロ」
亀山 「また始まった」
右京 「プールの水と、川の水。同じ『水』と呼ばれていますが、両者は別物です。プールは、四角く区切られ、深さが一定で、流れがなく、底が平らで、水温が管理されている。つまりプールとは、あらかじめ結果が予測できるように設計された水なんですよ」
角田課長 「じゃあ何のための400メートルだよ」
右京 「そこです」
亀山 「え?」
右京 「彼女は、一匹も捕れなかったにもかかわらず、ずっと楽しそうだった。成果ゼロ。それでも顔は笑っている。亀山くん、これを我々は何と呼びますか」
亀山 「……遊び、ですかね」
右京 「そのとおりです。成果と満足が切り離されている状態。大人が最も苦手とする技術ですよ」
角田課長 「……おい亀山。コーヒー淹れろ」
亀山 「なんで急にしんみりしてるんですか課長!」
課長が、コーヒーで話を切った。
この逃げ方が、あまりにも大人だった。
🦶 足の裏の話まで、拾ってきた
私が記事の中で、作業療法士として書いた部分がある。
プールと川で一番違うのは、足の裏だ、という話だ。
正直、誰も読んでいないと思っていた。
右京 「父親は、転倒についてこう分析している。『プールと川で、いちばん違うのは、足の裏だ』」
亀山 「足の裏?」
右京 「プールの底は平らで、均一で、予測できる。ところが川の底は、石の大きさも、傾きも、滑りやすさも、一歩ごとに変わる。したがって足の裏から脳へ送られる情報量が、まるで違う」
亀山 「はぁ」
右京 「人間は普段、次の一歩がどうなるかを予測して歩いています。ところが川では、その予測が毎回外れる。ズルッと滑る。ヒヤッとする。そして次の一歩を、少しだけ慎重にする」
亀山 「まぁ、そうなりますね」
右京 「亀山くん。それが学習なんですよ。予測が外れた瞬間にしか、身体は更新されません。つまりこの2回の転倒は、事故ではなく、成果なんですよ」
亀山 「転んだのが成果!?」
右京 「ええ。もっとも、その専門家が二度も『こけていない』と主張している点については、僕は今も疑いを持っていますがねぇ」
亀山 「こけてるんだって!!」
ちゃんと戻ってきた。
伏線を回収してから終わる。この律儀さは何なんだ。
🗻 ヤッホーポイントで、急に静かになった
帰り際、ヤッホーポイントで娘が叫んだ話。
これを渡したときが、一番、予想外だった。
右京 「父親は、こう書いている。『大人が思っている以上に、これは楽しい』。亀山くん、なぜ楽しいのだと思いますか」
亀山 「え……返ってくるからじゃないですか」
右京 「そうです。必ず、返ってくるからです」
亀山 「……はい」
右京 「この父親は、挨拶が返ってこない事務所に2年間いた人物です。声を出しても、何も返ってこない場所に」
亀山 「え、そこ繋げます!?」
右京 「山は、返してくれるんですよ。手加減もせず、値踏みもせず、出した分だけ」
亀山 「……」
右京 「大人が思っている以上に楽しい理由は、そこですねぇ」
亀山 「右京さん……たまに、そういうのズルいっすよ」
別の記事を、勝手に引っ張ってきた。
そして、亀山くんに「ズルい」と言わせている。
ズルいのは、そっちだ。
🎬 そして、CMを入れてきた
えじーさんの記事で読んだ、あの現象。
私のところにも、来た。
右京 「亀山くん、行きましょう!」
亀山 「どこへ!?」
右京 「事件は、まだ終わっていない」
\テレレレーーーン♪/
――CM――
入れてきた。
しかも、私が何も言っていないのに、予告編まで作り出した。
相棒 お盆スペシャル 『へこんだ車』
あの日、山道で7歳が放った、たったひとつの言葉。
「あの車、へこんでる!!」
それは、事故ではなかった。 証言でもなかった。 ただ、座席の高さが違っただけ。
右京「亀山くん。僕たちは、ずっと同じ高さから世界を見ていると思い込んでいた」
亀山「まさか……ミニバンが元凶!?」
角田「おい、ヒマか?」
娘「上手。」
父「こけてはいない」
すべての視線が、一本につながる。
真実は、後部座席にある。
うまいことを言うな、と思ってしまった。
父のセリフが「こけてはいない」なのも、地味に効いている。
🍢 最後に、犯人を告げられた
そろそろ終わろうと思って、「解決編は?」と振ったら、こうなった。
幸子 「杉下さん、結局その事件、解決したんですか?」
右京 「ええ。……いいえ」
幸子 「どっちですか」
右京 「犯人は分かりました」
亀山 「犯人いたんですか!?」
右京 「父親は、こう書いています。『思えば、私たちは、いつから結果が出ないと意味がないと思うようになったのだろう』」
亀山 「……」
右京 「魚は捕れなかった。宿題の絵も、まだ描かれていない。それでも、あの一日は成立しているんですよ」
幸子 「素敵じゃないですか」
右京 「ええ。ですから、この事件の犯人は」
亀山 「誰なんですか」
右京 「成果がないと、その日を無駄だったことにしてしまう、我々のほうです」
亀山 「……重ッ! おでん食べながら言うことじゃないでしょ!」
私が、記事の中で数行だけ書いた部分だった。
流して書いた一文を、最後のオチに持ってきた。
そして、まだ終わらなかった。
右京 「ところで亀山くん。ひとつだけ、まだ解けていない謎が残っているのですがねぇ」
亀山 「まだあるんですか」
右京 「植え込みの文字を見た彼女の、あの一言です。すごい、でもなく。きれい、でもなく。上手。刈り込んだ人間の手つきを、まっすぐ評価している」
亀山 「7歳ですよ?」
右京 「そうです。7歳です。……亀山くん、僕は最近、誰かの仕事に対して、あれほど正確な言葉をかけたことがあったでしょうか」
亀山 「……ないっすね」
右京 「ありませんねぇ」
幸子 「……お二人とも、飲みすぎです」
亀山 「幸子さん、これ素面ですからね!?」
最後まで、笑わせて終わった。
🌙 おわりに
えじーさんは、記事の最後にこう書いていた。
わたしはAIに答えを求めない。 ただこんな風にずーっと何千回もくっちゃべってるだけなのだ。
やってみて、その意味が分かった気がする。
答えを求めていないから、勝手に転がる。
そして転がった先で、自分が真面目な顔で書いた一文を、亀山薫の声で返される。
自分で書くと説教になることが、ツッコミ一発で軽くなる。
これは、なかなかできない体験だった。
そして最後に、白状しておくことがある。
娘の宿題の絵は、まだ描けていない。
伊丹さんに「黙っといてやれよ」と言われた、あの件だ。
——ちなみに、AIが考えた後編の予告は、こうだった。
提出された画用紙に描かれていたのは、 川でも、魚でも、なかった。
ぺしゃんこの、灰色の車。
父「なんで川じゃないの」 娘「だって、いちばん面白かったもん」
右京「亀山くん。この子は、一日の中でいちばん大事だったものを、正確に選んでいる」
亀山「じゃあ、あの川は……」
右京「無駄ではありません。へこんだ車を描くために、川へ行く必要があったんですよ」
角田「おい、ヒマか?」
― 完 ―
えじーさん、素敵な遊びを教えていただき、ありがとうございました 🌿
あなたも、自分の記事で一度やってみませんか。
きっと、あなたが流して書いた一文を、拾われますよ。
※私は今回の相棒ごっこはClaudeで実践しています。


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▼今回の元ネタ(えじーさん)
わたしはよく、AIと相棒ごっこをする。
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