ラスベガスの巨大アリーナのスフィア
ラスベガスの超巨大アリーナ「スフィア」の放つエネルギーは、想像を遥かに超えていた。
客室の窓から球体が見えるというベネチアンホテル。私たちは40階に泊まったのだけれど、事前の下調べを全くしていなかったために、部屋はスフィアとは真逆の方向。けれど、そこから見下ろすベガスの夜景も十分にゴージャスで、どこか別の異国に迷い込んだかのような錯覚を愉しんだ。

スフィアで観たのは、『Postcard From Earth(地球からのポストカード)』というネイチャーフィルム。
頭を思い切り仰け反らせて見上げるほどの巨大スクリーン。まるで巨大な宇宙船に乗り込み、滑るように地球を未知の角度から探検しているかのような臨場感に圧倒される。 地球上のあらゆる絶景、深い水中、世界の人々の営み、動物たちの世界。テレビやスマホの画面で見たらきっと通り過ぎてしまうようなありふれた景色が、あの空間の中では、五感を揺さぶる「体験」へと変貌するのだ。
スクリーンを見つめながら、つくづく思った。私たちは普段、ちっともこの地球を「体験」していないのかもしれない、と。
毎朝の散歩で朝陽を拝み、ビーチに沈む夕日を眺めている私でさえ、この宇宙の奇跡のほんの一滴しか体感できていないのだ。そもそも広大な地球を縦横無尽に移動することはできないし、空や水中から世界を凝視する技術も持っていない。何より日々の暮らしの忙しさに追われ、目の前の現実だけで頭がいっぱいになってしまう。
だから、ほんの少し良いことが起きただけで、それを「奇跡」と呼んで大騒ぎする。
エイブラハムは、奇跡なんて毎日起きているし、宇宙の中で惑星が規則正しく動いていること自体がすでに奇跡なのだと語る。そして、私たちのちっぽけな意識をもっと広げるようにと教えてくれている。本当にその通りだ。 目の前の現実で行き詰まり、少し苦しくなってきたとき、私たちはそれが「一生変わらない世界の事実」だと勝手に決めつけてしまっている。
地球の美しさと圧倒的な神秘に一度でも心を開いた人は、人生に飽きて疲れたり、孤独に苛まれたりすることなど決してないはずだ。とすら感じた。
すべてを捨てて飛び出したくなるほどのときめきが、この世界にはまだ、いくらでも転がっている。
地球の美しさと神秘を感じとれた人は、人生に飽きて疲れたり、孤独にさいなまれたりすることはけっしてないでしょう。
「The Sense of Wonder センス・オブ・ワンダー」レイチェル・カーソン 著
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