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ネットに漂うCDショップ ㉑ ~ Toquinho & Vinicius De Moraes

*今回のおススメBGM : Toquinho & Vinicius De Moraes / Um Pouco De Ilusão


洋楽を聴きはじめたころは世の中の多数派のご多分にもれず、当時いちばんメジャーだった音楽雑誌「ミュージックライフ」を愛読していた。
しかしさらに洋楽に夢中になってくるとML誌のミーハー的な内容に飽き足らないようになり、「ミュージックマガジン」(当初は「ニューミュージックマガジン」)に指向が移っていった。
MM誌は毎号特集の掘り下げかたが深く、音楽雑誌定番のレコードレビューもメーカーに忖度しない辛口の評価がとても参考になったのだ。
当時はそういった音楽雑誌かラジオからしかレコード購入の参考になる情報を得る手段がなかったからね。

そのMM誌の編集長だったのが、中村とうよう氏だ。
音楽についてだけではなく、世の中の広汎な事柄に対するものの見方に鋭く厳しい視点をもった方だった。
洋楽にのめり込むにしたがって、私はとうようさんを師と仰ぐようになっていったものだ。

彼からはロック以外のポピュラー音楽の魅力を多く学んだ。
ファド、シャンソン、ギリシャのポップス、そしてサンバ... 英語圏のポップスにない多様性に魅力を感じた。
といっても専門的に追求したわけではない。 
どのジャンルにしたって入口の大見出しを読んだくらいにしかすぎないのだが、世界にはこんな音楽もあるんだということを垣間見ることができただけでもとうようさんには本当に感謝している。
(残念ながらとうようさんは2011年に亡くなった)

これはとうようさん推薦のレコードのなかでも、私も大いに気に入った一枚だ。
ブラジル・サンバ界の重鎮ヴィニシウス・ジ・モライスがトッキーニョとコンビを組んだ1980年の作品。
ボサノヴァはともかく、サンバといえば「え?リオのカーニヴァルのオンガク?」くらいのイメージしかない私の拙い耳にとって、このレコードはたいそうな驚きだった。
アメリカやイギリスとは別世界のイージーリスニング(いい意味での)ポップスの軽やかさに一気に引き込まれてしまったのだ。
いかにもブラジルらしい乾いた美しいストリングスの調べにのる魅惑の歌声!(って、なんか60年代に多用されたキャッチフレーズみたいだね)

驚くことにこういう音楽が、当時はちゃんと日本盤でプレスされていたのだ。(発売元キングレコード万歳!)
たぶん全国で、千枚も売れてないと思う。
発売即何万、何十万も売れるものだけじゃなく、こういう音楽がもっと世に知られるようになればいいのに...
いや、ウソです。知る人ぞ知るのままでいいです。もったいない。こんな音楽こそ手垢にまみれてほしくないわい。


ぜんぜん別件の余談ですが...
まさかできるのか?と思って、このレコードの歌詞カードにスマホをあててみたら、あ~らフシギ!
ほら、Google Chromeの翻訳機能のことです。

ポルトガル語もこのとおり。
まぁ、大意が示される程度だけどだいたいの意味はわかる。 

それにしても、オソロシー世の中になったね。
四畳半のむさくるしいアパートで聴いていた1980年代のあの頃には予想もしなかったことが現実になってるんだね。

 これぞ、未来じゃ...

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