音大受験対策/コンクール対策とロシア奏法(ロシアピアニズム)
はじめに
クラビアーノです。フランクフルト音大元教授のイリーナ•エーデルシュタイン(Irina Edelstein)とモスクワ音楽院と神戸女学院で過去に講師や教授を勤めたボリス•ベクテレフ(Boris Bekhterev)に師事する形でロシア奏法を勉強してきたものです。
今回は小学校高学年から中高生•あるいは浪人生や再受験生向けに音大受験対策におけるロシア奏法の効能と、コンクール受検におけるロシア奏法の役割について説明しようと思います。
まず、ロシア奏法の特色については以下の記事を読んでください。
徹底的な楽譜の読み込み
さて、ロシア奏法は如何に応用できるでしょうか。
まずは音楽家が避けて通れない、読譜能力についてです。
音大受験やコンクールに通るには楽譜を読み込んでいるか、つまり如何に楽譜に忠実であるかがまず大事です。楽譜の指定やその時代の音楽史的な背景を意図的あるいは無意識に無視した独善的な演奏は、その正当性の欠如を問われます。
私の先生たちは、コンスタンティン・イグムノフというロシアのロマン派ピアニストの高弟であり彼のアシスタントを務めていたヤコフ・ミルシュタイン(Yakov Milstein)に師事しました。
彼はあらゆる作品の細部に至るまでその特性を知り尽くしており、とりわけ単なるピアニストではなく音楽学者でもありましたから特に専門とするリストやスクリャービンについては尋常でない知識を持っていたとされます。
私が孫弟子として受け継いでいる解釈能力も、まずは譜面を読み、音量、アーティキュレーション、フレージング、リズム、速度、そして何より如何に歌うかと如何に響かすか等について網羅的に演奏の方向性を決めていく際に役に立ちます。
もちろんロシアの天才的なピアニストたちの演奏(多くはソヴィエト時代のものを参照しています)も聴くのですが、それでもやはり自分で楽譜を読むからこそ、名録音が如何に曲を捉えているかを理解できるという側面があります。
ですので、フランスやドイツを起源とすることの多い日本の流派に限界を感じていて、キーシンやプレトニョフ、アヴデーエワ、アシュケナージ等のロシア系の演奏家演奏に惹かれる方は、彼らが如何に作品を理解しているかまで到達する方法がありますので、私の音楽教室の門を叩いてみてください。
読譜をするということは単に音や記号を追っているだけでは不十分で読んで理解したことを解釈として全て演奏に反映させなければなりません。フレーズとフレーズを区切ったつもり、歌って弾いてみたつもり、滑らかにレガートしてみたつもり、それだけでは演奏としては成立しません。自分の演奏を聴いて、楽譜に書いていることや楽譜に書いていることを踏まえてこのように弾きたいと思ったことと同じであるかを深く聴かなければいけません。つまり如何に弾いているかを自覚する能力が必要です。
そして何よりロシア奏法による指導は楽曲演奏の多彩なアイデアを提供してくれます。如何に歌うか如何に鳴らすかに止まらず如何に明瞭に弾くか、時には如何に籠った音を演出するか、そしてそれぞれの要素を如何に対比させるか。
とにかく楽譜を徹底的に読み込み、それを演奏によって具現化させましょう。
華麗なテクニック
クラビアーノ音楽教室では様々な技巧に対応すべく、いろいろな練習法を紹介しています。特にスタッカート練習とゆっくり朗々と歌いながら響かす練習が特徴的です。
スタッカート練習では指を丸めて1音1音アクセントをつけながら音の粒をきわ出せるための技術をつけていきます。これによってよくコントロールされたppから強靭なffまで対応できるようになります。
またレッスンの段階ですらゆったりとしたテンポで、全ての音楽表現ができるようになるまで徹底的に練習させます。
そして少しずつテンポを上げていき、中間のテンポで弾けるようなして、気がつけばインテンポで弾けているという魔法のような練習プランを提供します。
これはクラビアーノがエーデルシュタインと育んできたStep by Stepの確実な練習方法です。
崩れない暗譜
ロシアの音楽教育では基本的に譜読みが終わったらすぐ暗譜します。もちろんそれにはそれの弱点があります。なんだかんだいって暗譜をすることによって譜面を読む機会が減ることです。知った気になってしまうのですね。
もちろん自分でよく準備してくる生徒には初回から暗譜で弾いてもらいますし、そこまで長くない曲であったり練習している曲が少ない場合は譜読みを手伝ったあとにすぐ暗譜してみて、少しずつ表現ができるようにサポートすることもできます。
若い生徒としては記憶能力をフルに活用しそしてその能力を引き上げる絶好の機会ですので臆せず暗譜をしてみましょう。
暗譜をするにはコツがあります。それは右手だけを聴くのではなく左手とそして内声までよく聴いて覚えること。
左手だけで覚えたり、声部ごとに覚えたり。
また、楽曲分析をすることで覚えるという手法もあります。
楽曲の構成を分析する、つまり形式分析をしてみるのです。
そして部分ごとにそのセクションから弾けるように暗譜するとか、もっと細かく区切って、その区切ったところから弾けるように暗譜するとか。
慣れてない方には暗譜をする方法から丁寧にお教えしますので安心してください。一年もしたら初回から暗譜できるようになります。皆さんは若いのですから、チャレンジしてみましょう。
それができるようになれば本番で飛ぶなんてことはなくなりますし、もし飛んだとしても、セクションごとに覚えていれば次のセクションから弾けばいいのです。
言うは易しやるは難しですから、ぜひ一緒に実践してみましょう。
さいごに
とにかくクラビアーノ音楽教室で学べるロシア奏法は基礎を徹底します。丁寧に弾けるようにします。そして音大や音楽院に入ったり、有名なピアニストに習いに行ったりしてからでも通用するような演奏と練習の仕方を身につけてもらいます。
ヨーロッパに留学したい方は、先生や大学を紹介するためのコネもありますのでお気軽にご相談ください。
最後に恩師エーデルシュタインに音大受験間際に言われた一言を紹介します。「あなたが才能があることは最初から知っていたけれど、まさかここまで上手くなるとは思いもしなかった。ドイツの音大入試ではとても良い成績になるに違いない」
生徒様の才能を見出し、それを磨き上げるためのお手伝いをしたい。そう考えております。
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