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鍋のシメでは終われない


私の辞書で冷蔵庫の掃除とは、冷蔵あるいは冷凍庫に眠った野菜などを一掃すべく鍋にしてしまうことをいう。

中には冷凍焼けしてしまっているものもあるので、そういった時はキムチ鍋など味の濃いものにして味を消す。なので味がなくなっても食感の良いエノキは重宝される。

冷蔵庫の掃除をするのはだいたい1ヶ月に1回。お給料が入ると新しい食材を求めスーパーを練り歩いては食べきれずに冷凍庫へ送ることになるため、それまでの間に片付けておくことが多い。

この日も冷蔵庫を一掃する日だった。

葉が粉々になったチンゲンサイ、スライサーで薄くスライスされた人参、炒め物用豚バラ(解凍してから気づいた)、極太春雨、そしてエノキ。

粉々のチンゲンサイのために鍋にしたようなものである。粉々なので炒めるのも蒸すのも難しい。鍋にして飲み下すほかない。

水を300ml入れて鍋を沸かし、片っ端から食材を入れる。極太春雨は水につけておくことで、茹でる時間を短縮できる。今日はプチッとしてパッと作れるキムチ鍋の素を使用した。

完成された安心の味、煮るだけのご飯、洗い物も少量。なんて楽なのだろう。

少し話は逸れるが、私は趣味が多い方だ。
その中でも読書の時間が多いのだが、読書はご飯を食べながらできるものではない。もし食べながら読めるという人がいるのならそのやり方を教えてほしいものだが、多分そわそわして読書もご飯もままならないと思う。

世の中には本が溢れており、常に読みたい本が並行して数冊ある私は、ご飯を食べるのも煩わしくなるときがある。そんな時、鍋や韓国ラーメンに頼ればパパッとご飯を食べることができ、すぐさま本を読むことができるのだ。

キムチ鍋を食べ、シャワーを浴びてすぐに本の続きを読む。そのつもりでぶち込んだ食材をすぐに食べたが、誤算があった。

シメが食べたくなったのだ。

キムチ鍋を食べてその汁が残っている、となれば食べたくなるのがキムチリゾット。ちょうどこの前買ったとろけるチーズがたくさんある。米も冷凍庫に一人前だけある。当初の目的である冷蔵庫の掃除にもなるではないか。

冷凍庫から米を取り出し電子レンジへ入れた時の動きは上記の一文をタイピングするよりも早かったと思う。

解凍した米を鍋に入れて、強火で煮る。早く食べたいからだ。さらに焦げ付かないようにスピード感を意識して箸で回す。落ち着きはない。

残っていた鍋汁はすぐに米が吸収し、ツヤが出たところで火をとめてチーズを多めに入れる。

この時点で正直お腹は満たされていた。

出来上がったのはお椀に山盛りのキムチーズリゾット。熱々でなかなか食べることができない。完全にタイムロスだ。

リゾットをぐるぐる回したり必死で息を吹きかけながら食べ終えた頃には眠気さえあった。口の中はキムチとチーズでこってりとしている。

口をさっぱりしたくて、冷蔵庫からヨーグルトを取り出し食べた。かなりお腹は苦しい。だけど口の中はさっぱりした。

ふと、シメとはこういうものであるべきだと思った。なんならこれが本来のシメだと思った。

ごたついたものを最後にまとめる。シメ。
では途中で食べたキムチリゾットに何の意味があったのだろうか。

食べ終えたので早く動きたいが眠いし体が重い。早く読みたいという気持ちが一番昂ったところであえて本を閉じたのだ。そして寝る手前までの準備を一気にしてから続きを読もうと思っていたのに、お腹がいっぱいで動けない。

しまらないな、と思いながらヨーグルトの容器を捨てた。


早く続きが読みたくて仕方のない本。
これは読む前に虫養いをしたよの写真。



こちらも食欲にド素直な話です。
こういうのを食い意地と言います。

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