カトリック系女子小を比べてみた|雙葉・白百合・聖心・光塩の「違い」と選び方
「カトリック系の女子小学校を受けようと思っているけど、どの学校がどう違うのかわからない」
東京の女子私立小学校を研究すると、カトリック系の4校——雙葉・白百合・聖心・光塩——の名前が必ず上がります。どれも「カトリック・難関・女子一貫」という共通項を持ちますが、設立母体の修道会が異なるため、校風・カリキュラム・試験の性格が大きく違います。
この記事では4校を「比べる」視点で整理します。「どの学校が偏差値が高いか」より「どの学校が我が家に合うか」が判断できるようになることがゴールです。
各校の詳細(試験内容・面接対策・願書の書き方)は別途個別記事で解説しています。
まず整理|カトリック系といっても「修道会が違えば全く別の学校」
カトリック系女子校を選ぶ上で最初に知っておくべきことがあります。
修道会が違うと、教育の根本的な色が変わります。
日本のカトリック系私立小学校は、フランス・スペイン・ベルギーなど様々な国の修道会が設立した学校です。それぞれの修道会が持つ歴史・精神・文化が学校に色濃く反映されており、「カトリックだから似ている」とは言えません。
▼ 4校の設立母体
雙葉小学校:幼きイエス会(旧サン・モール修道会)/フランス発祥
白百合学園小学校:シャルトル聖パウロ修道女会/フランス発祥
聖心女子学院初等科:聖心会/フランス発祥
光塩女子学院初等科:ベリス・メルセス宣教修道女会/スペイン発祥
4校の基本プロフィール
雙葉小学校
「徳においては純真に、義務においては堅実に」
所在地:千代田区六番町(四ツ谷駅 徒歩5分)
外部募集定員:約40名(国内最難関水準)
試験:2日間構成(ペーパー+集団テスト・巧緻性・親子面接)
面接:考査2日目に実施・面接官2名・5〜6分・親子面接
ペーパーの特徴:青いサインペン・訂正はギザギザ線・パターン化されない高難度
特色:放課後預かりなし。国内5つの姉妹校(田園調布・横浜・静岡・福岡・サン・モール・インターナショナル)
内部進学:雙葉中→雙葉高→外部大学受験
白百合学園小学校
「従順・愛徳・勤勉」
所在地:千代田区九段北(飯田橋・九段下 徒歩10分)
外部募集定員:60名(幼稚園内進と合わせ1学年約120名)
試験:1日間(ペーパー・個別・行動観察)+先行親子面接(10月下旬)
面接:考査前10月下旬・面接官3名・5〜10分・子への深掘り質問が多い
ペーパーの特徴:約10枚・青色クーピー・訂正は×印・最難関レベル
特色:フランス語(1年生から週1時間)・英語(3年生から)・DELF Prim・縦割り「しらゆりタイム」・ミサで全校合唱
内部進学:白百合学園中高→白百合女子大学(推薦あり)
聖心女子学院初等科
「世界の一員としての連帯感と使命感」
所在地:港区白金4-11-1(白金台駅 徒歩7分)
定員:96名(志願者約450名・倍率5倍前後)
試験:1日間(ペーパー・運動・行動観察)+親子面接
ペーパーの特徴:白百合・雙葉と同レベル難問・鉛筆+クーピー併用
特色:世界32カ国の姉妹校ネットワーク・4-4-4制(初等科5・6年生は中等科校舎で学ぶ)・学童保育あり
内部進学:初等科→中等科→高等科→聖心女子大学(推薦あり)
光塩女子学院初等科
「あなたは地の塩です。あなたは世の光です」
所在地:杉並区高円寺南2-33-28(高円寺駅 徒歩12分・東高円寺駅 徒歩7分)
定員:小規模(倍率は約7.4倍)
試験:ペーパー・行動観察・運動・制作・親子面接の多面的構成
ペーパーの特徴:難関レベル・幅広い出題
特色:スペイン発祥の修道会による人数の少ない温かい学校・丁寧な一人ひとりへの指導
内部進学:光塩女子学院中等科→高等科→外部大学受験
4校を「違い」で比べる
比較①|外国語教育

フランス語教育が突出しているのは白百合のみ。1年生から週1時間の全員必修フランス語はカトリック4校でも唯一
聖心は英語教育・国際交流に最も力を入れている
雙葉は週2時間の英語を1年生から実施
比較②|試験の難度と特徴
▼ ペーパー難度(推定)
最難関グループ:雙葉・白百合・聖心(いずれも首都圏トップクラス)
難関:光塩
▼ 試験の日数と形式
2日間:雙葉
1日間+先行面接:白百合(10月先行)・聖心(同日面接)・光塩
▼ ペーパーの解答用具
雙葉:青いサインペン(訂正:ギザギザ線)
白百合:青色クーピー(訂正:×印)
聖心:鉛筆+クーピー併用
光塩:要最新確認
比較③|学童・共働きへの対応
学童保育あり:聖心女子学院のみ
学童保育なし:雙葉・白百合・光塩
カトリック女子校で学童が充実しているのは聖心が際立っています。共働きご家庭に最も対応しているのは聖心女子学院です。
比較④|学校の規模
最小:雙葉(外部募集 約40名)
小〜中:光塩・聖心(各60〜96名程度)
中:白百合(外部60名・幼稚園内進含め120名)
雙葉の外部募集定員約40名という小ささは際立っており、「一人ひとりを丁寧に育てる」という哲学の表れでもあります。
比較⑤|修道会のルーツと校風
▼ 雙葉——「純真さと実行力」を育てるフランスの精神
ニコラ・バレ神父の「他者のために自分を捧げる」という奉仕の精神を根幹に、「徳においては純真に、義務においては堅実に」という姿勢を6年間かけて体得させる。知性よりも人格の形成を根本に置く学校。
▼ 白百合——「従順・愛徳・勤勉」のフランス系学校
ルイ・ショーヴェ神父が始めた「子どもたちと貧しい人々への奉仕」の精神から生まれた修道女会。フランス語文化との縁が深く、礼儀・言葉遣い・お約束を大切にする家庭的な雰囲気が特徴。
▼ 聖心——「世界とつながる」国際性と連帯感
聖マグダレナ・ソフィア・バラが創立した修道会。「世界の一員」という視点が教育の核にあり、32カ国の姉妹校ネットワークを通じた国際教育が特色。4-4-4制という独自の一貫教育も聖心らしさ。
▼ 光塩——「地の塩・世の光」のスペイン発祥修道会
スペイン発祥のベリス・メルセス宣教修道女会。マタイ福音書の「あなたは地の塩・世の光」という言葉を校名に持つ。小規模で温かみのある学校環境が特徴。
あなたの家庭に向いているのはどの学校か
この学校を選ぶなら——判断チャート
「国際的な視野・世界とのつながりを重視したい」 → 聖心女子学院初等科(32カ国姉妹校・4-4-4制・学童あり)
「フランス語・フランス文化を学ぶことに本物の関心がある」 → 白百合学園小学校(1年生からフランス語週1時間・DELF Prim)
「最も厳しい試練を経て、日常から品格を育てたい」 → 雙葉小学校(外部募集40名・2日間試験・最難関・放課後なし)
「小規模な環境で一人ひとりが大切にされる学校を求めている」 → 光塩女子学院初等科(スペイン系・小規模・高倍率・温かい校風)
まとめ——「カトリックだから似ている」は誤解
4校に共通しているのは「キリスト教の精神に基づく女子教育」という大きな枠組みだけです。修道会の違いによって、外国語教育・学校規模・試験の形式・学童の有無・校風のすべてが異なります。
まず修道会の歴史と精神を知ること。次に学校説明会で実際の雰囲気を感じること。そして「この学校でなければならない理由」を家庭の言葉で語れるようにすること——この順番で進めることが、カトリック系女子校受験の正しいアプローチです。
※定員・倍率・試験内容は年度により変動します。最新情報は必ず各校公式募集要項でご確認ください。
各校の詳細記事(試験内容・面接対策・願書)はこのシリーズの個別記事でご覧ください。
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