ChatGPT派だった私が、Google Workspace版Geminiに「降参」した理由
「AIを使うなら、ChatGPT一択でいいのではないか。」
少し前まで、私は本気でそう考えていました。
ChatGPT には、いわゆるメモリ機能があります。
スレッドをまたいでも、こちらの関心や前提、過去のやり取りをある程度引き継いでくれる。
一方で Gemini は、
スレッドが変われば基本的に「はじめまして」の状態です。
この仕様だけを見れば、
ChatGPTの方が使いやすいと感じるのは自然でした。
しかし、その認識は大きな間違いでした。
AIの「記憶」よりも強力だった、「接続」という能力
Google Workspace 版のGemini を使い始めたとき、
私はその前提が根底から覆される感覚を覚えました。
Geminiの強さは、
会話を覚えていることではありません。
Google Workspace内の情報すべてにアクセスできること。
そこに本質があります。
Geminiは、
Googleドキュメント
スプレッドシート
スライド
Gmail
カレンダー
Keep
Drive
といった Workspace 内の情報を、
あたかも「自分の脳内」のように参照できます。
たとえば、
Google Meetで作成した会議の議事録
研修会の配布資料
個人的に保存した新聞記事のスクラップ
日々の業務日報や覚書
これまで点として散在していた情報が、
Geminiを介することで一瞬で線になります。
「今週の業務日報をもとに、今四半期の事業報告案を作成してください。あわせて課題も整理してください。」
この一文だけで、
非常に完成度の高い下書きが返ってきます。
これはもはや、
単なる生成AIではなく、極めて優秀な秘書です。

スプレッドシートは、もはや「表計算」ではありませんでした
この「Gemini秘書」に良質なデータを供給する基盤として、
改めて凄さを実感したのが Googleスプレッドシート です。
私はこれまで Microsoft Excel を長く使ってきました。
そのため、スプレッドシートへの移行も、当初は単なる置き換えだと思っていました。
しかし、実際にはまったく別物でした。
ファイルを開かなくても、データが動き続ける
Excelでは、ローカル保存したファイル同士を連携させる場合、
どこかで「人が開いて更新する」作業が必要になります。
一方、スプレッドシートでは、
誰も開いていなくても、クラウド上でデータが更新され続けます。
この違いは、実務では決定的です。
入力の自動化が前提になっている
例えば、元データを Google フォーム にすれば、
入力と同時にスプレッドシートへデータが蓄積されます。
表計算画面を開くこと自体が、必須ではなくなります。
最近では研修アンケートも、各種フォームで求められることが多くなってきました。
先日知ったのですが、最近では結婚式の招待状も専用のフォームを伝え、フォームで出欠を返答してもらうのが主流なんだそうで。
30年ほど前、切手から封筒まで、様々なことを気にかけながら、往復はがきの返送を待っていましたが、隔世の感を覚えます。
Googleフォームでの返答に誘導すると、返答率、未返答者の一覧など、自動的に更新しながら表示させることも可能になります。
一般市場での業務でいえば、日報の数値をGoogleフォームでの報告を受けることで、自動での業務分析にも業務分析にも活用できそうです。
ArrayFormulaとQUERY関数の威力
ややマニアックな、というか、システム開発(保守)担当者的な話になりますが、様々なデータを加工し、次の段に情報提供する、ということは、よくある手法です。
Excelをフル活用していた頃には、そのデータ加工計算式をコピーし忘れ、システム全体が誤動作を起こす、なんてことは、よくある話でした。
計算式の埋められたセルをコピーするだけの話なのですが、どこに原因があるかを追求、発見するには、結構の労力が求められる事項です。
また、属人化の排除が極めて困難な部分でもあります。
つまり、担当者がいなくなると、誰にも対処の出来ないシステムの山になってしまいます。
Excelで行っていた対応は、
「できる限り、たくさん、先の方までコピーしておく」
「普段から『気を付けておく』」
くらいの対策しかできませんでした。
VBA等の方法を適用すれば、もう少しできる部分はあろうかと思いますが、その効果と運用(開発)コストのバランスを考えると、上記あたりが限界でした。
スプレッドシートに乗り換えて驚きました。
スプレッドシートにはスプレッドシート独自の、Excelにはない関数があります。
もちろん、その逆にExcelでしか利用できない関数もありますが。
前者の例として、現在、フル活用している関数の一つは、ArrayFormula です。
ARRAYFORMULA 関数を使えば、
1つのセルに設定するだけで、スプレッドシートが自動的に計算式をコピー適用してくれます。
計算式のコピー漏れや行追加による不具合は、ほぼ起きません。
また、こちらは説明自体もマニアックになりますが、
QUERY関数 を使用することができ、
SQLライクなクエリでデータを操作できます。
つまり、単なる表計算上のデータ一覧ではなく、本格的なデータベースに近いような活用が可能になります。
この時点で、
スプレッドシートは「表」ではなく、
データベースを含め、さらに強力なツール だと感じるようになりました。
データの可視化、形式化が進む、ということは、AIにも扱いやすくなる、ということでもあります。
Googleドキュメントで、知識管理の見え方が変わった
もう一つ、大きな発見がありました。
それが Googleドキュメント です。
Googleドキュメントでは、
一つのファイル内にタブを作成し、さらに階層化 できます。
イメージとしては、
スプレッドシートやExcelのワークシートに近い感覚です。
それの階層化が可能、ということも非常に強力なポイントです。
「場所」を指定できるドキュメント
タブごとにURLを持てるだけでなく、
見出しを設定すると、その見出し単位でもURLが生成されます。
つまり、
あるドキュメントの
あるタブの
ある見出し
に、外部から直接ジャンプできる、ということです。
一緒に業務を進めている複数の担当者間で、特定箇所を指し示しながら共同作業ができる。
これは非常に強力です。
ページ区切りなし × 見出しトグル
さらに、ページ設定で「ページ区切りなし」を選ぶと、
印刷を前提としない、閲覧画面に最適な構造になります。
見出しごとに内容を折りたたむことができ、
Notionのトグルに近い使い方 が可能です。
全体を俯瞰しながら、
必要なところだけドリルダウンする。
この構造は、
長期的なメモや思考の蓄積に非常に向いています。
すると、一つ一つの見出しに意味付けをするようになります。
それがデータ(文書)の「構造化」につながります。
構造化された記録が、Geminiを賢くする
こうして Googleドキュメントやスプレッドシートに
情報やメモを蓄積していくと、
Geminiがそれらにアクセスできるようになります。
要約、整理、振り返り、報告書作成。
業務支援の質が、明らかに変わります。
その際に極めて重要になるのが、
データの構造化 です。
Geminiに分かるように、
見出しをつける
意味を持たせて整理する
情報の役割を明確にする
これだけで、Geminiの出力精度は大きく向上します。
Knowledge Managementの現実解が、見えてきた
これまで私は、
組織としての知識管理(Knowledge Management)を
どう実現すればよいのか、頭を悩ませてきました。
特別なツールやシステムが必要だと思っていたからです。
しかし今は、
Google Workspaceの活用そのものが、有力な解になり得る
そう感じています。
特別なことをする必要はありません。
日々の記録を残す
意味づけして整理する
構造を意識する
その延長線上に、
Geminiという「外付けの脳」「超優秀な秘書」が現れます。
頑張らなければ
時代は、想像以上のスピードで変化しています。
AIを「使う」だけで終わるのか、
AIに「仕事を任せられる」状態まで持っていくのか。
その差は、
日々の記録と構造化 にあります。
正直、簡単ではありません。
それでも――
頑張らなければ、と思っています。
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