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【第5話/全24話】決断の瞬間 面接

転職するほどでもない。
でも、このままでもない。そんな人のために書いています。

そもそも、なぜフェデックスだったのか。

当時の私は、航空貨物の現場で毎日を過ごしていました。
仕事は嫌いではなかった。 でも、どこかに引っかかりがありました。

「このまま同じ場所にいていいのだろうか」

そう思い始めたのは、おそらく入社から数年が経った頃です。
仕事には慣れた。 でも、慣れることと、成長することは、違う。
そのことに、薄々気づいていました。

そんなとき、先に外資系に移っていた先輩から声をかけられました。
「うちに来ないか」というような、軽い一言でした。
でも私には、その一言がずっと頭に残りました。

外資系という言葉には、当時まだ特別な響きがありました。
スピード感があって、実力主義で、英語が飛び交う世界。
憧れでもあり、少し怖くもあった。

面接

フェデックスの面接は、 それまで私が経験してきたものとは まったく違うものでした。


面接官は、 当時の営業部長でした。
IBM出身で、 外資系企業でキャリアを積んできたことが 一目で分かるような人でした。余裕があり、 包容力もある。
いわゆる、 「できるビジネスパーソン」という印象でした。


「で、いつから来れる?」

その人が、 開口一番にこう聞きました。
正直に言うと、 少し混乱しました。
「もう決まっているのか?」 「それとも、こちらの出方を試しているのか?」
そんなことを一瞬で考えました。


「で、いつから来れる?」

正直に言うと、 少し混乱しました。
「もう決まっているのか?」 「それとも、こちらの出方を試しているのか?」
そんなことを一瞬で考えました。


ただ、 次の瞬間には緊張が解けていました。
その一言は、 おそらくジョーク交じりのアイスブレイクだったのだと思います。
固くなっていた空気が、 笑顔に変わりました。
それからの会話は、 とても楽しく進みました。
面接という感じより、 気さくな対話に近かった。


事前に、 先に入社していたあの先輩から ある程度の話は聞いていました。
会社の雰囲気や、 どんな仕事をしているのか。
そういう情報があったことは、 とても助けになっていました。
もしかすると、 その先輩からの推薦のようなものも あったのかもしれません。


面接の中で、 営業部長はフェデックスの現状と これからについて簡単に話してくれました。
「これはチャンスだから、 早いうちに決断した方がいい」
そう促された覚えがあります。


面接全体で、 小一時間ほどだったと思います。
その後、 簡単な筆記試験がありました。
内容は、 航空業界でよく使われる3レターコードが中心でした。
ニューヨークはJFK、 香港はHKG…
都市や空港を表す、 業界のアルファベット略称です。
これがどの目的地を指すかを答える、 いわば業界の常識テストのような内容でした。
当時毎日接していた業務そのものでしたから、 特に難しいとは感じませんでした。


筆記テストは100点

振り返れば、 フェデックスが求めていたのは 即戦力だったのだと思います。
翌日から営業に出られる。
お客さんを持って来れる。
航空貨物の現場を知っていて、 顧客との関係も持っている。
それが、 自分のアピールポイントでもありました。
前職での経験が、 そのまま武器になった瞬間でした。


いま振り返ると、 あの一言は 採用の可否を決める質問というよりも、
「この環境に飛び込む覚悟があるか」
を見ていたのかもしれません。

怖いか?

帰り道、私はひとり考えていました。
「怖いか?」と聞かれれば、正直、怖かった。
でも、それ以上に、何かが動き始めている感覚がありました。
背中を押されたというより、自分で一歩踏み出したような。
あの面接室を出た瞬間、私の中では、もう答えが出ていたのだと思います。


その後、気持ちはすでに、 次のステージに向かっていました。
そして私は、 そのまま新しい世界に進むことになります。

いよいよ第2章。フェデックスでのキャリアが始まります。
物語は、まだまだ続きます!

この続きは第6話で。

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